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【体育祭】ネココー式借り物競争 ~白猫組サイド
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【豆乳プリン班の連携】
これ以上に無く見知ったその店構えを目にした時、
西野町 圭吾
は、ほっと安堵……すると同時に。
全力ダッシュにいまひとつ付いてきてくれない、自分の肺機能の低下っぷりにいささか歳を感じてしまい、寂寥感に苛まれながら、荒い息をつきました。
「はぁ、はぁ……やっと着いた。いや、さすがに学生の体力にはかなわないね……はぁ、ふぅ」
「大丈夫っすか?」
たどりついた
西野町とうふ店
、その他ならぬ店主である圭吾の大きく上下する肩に、
楢木 春彦
が心配そうに声をかけます。
お題の『バケツ豆乳プリン』を調達するため、寝子電を利用しつつも急ぎ足でやってきた彼らですけれど、春彦含め、学生たちはみな、体力には自信アリ! な活動的な面々が顔を揃えておりまして。自然と上がる歩調、ペース配分についていくのは、圭吾には思いのほかキツかったようです。
とはいえ、競走であるからには、あまりゆっくりもしていられません。
御剣 刀
が、
「バケツ豆乳プリン、ください!」
店の奥へと声をかけながら、どん、とお金を置きました。ストレートに用件のみを伝える、実に男らしい刀くん。
やがて、ぱたぱたと応対に現れた女性へ、圭吾は苦笑い混じりに、
「僕が当たっちゃうなんてね、びっくりだよね。用意しておいてくれたかい? うん、ありがとう。別行動の子たちの分は、僕が立て替えておくから……え、僕の分もちゃんと払えって!?」
何だか微笑ましい? やり取りに、学生さんたちもまた、思わず苦笑い。
さて、事前に連絡しておいたこともあり、きっちりと用意されていた『バケツ豆乳プリン』ですけれど。
「……思ったより、でっかいなぁ」
奈良橋 博美
が、ちょっと面食らいながらつぶやいた通り。
でかい! 重い! しかも六人分! 予想外のボリュームでありまして、圭吾が出してくれるという車へそれを積み込むにも、なかなか骨が折れそうな感じです。
刀と春彦は肩をすくめて、
「まぁ、仕方ないな。力技で積み込むしか無いだろ」
「だな。ちゃちゃっとやっちまおうぜ」
ぐいっと腕まくり。
ひとまず店の前へ運び出そうとしたところで……わいわい、がやがや。何やら外から、賑やかな声が聞こえてきます。
「何だ……?」
現れましたのは……日頃から『西野町とうふ店』をごひいきにして下さっている、近所の奥様方。特に、寝子高へ通う子供をお持ちの、母親たちでありました。
何ごとかと博美が尋ねてみますと、
「え、ねこったーを見て、手伝いに? あ、さっきの俺のつぶやきを見て、来てくれたのか……!」
そうなのです。博美は先ほど出発前に、ねこったーへ、体育祭と借り物競走のことを書き添えた上で、『ノリの良い人、協力してくれない?』なんて、つぶやいていたのでした。
正直、それほどに期待していたわけではありませんでしたけれど……ちょっとしたことながら、こうして本当にお手伝いにやってきてくれた人々の、あたたかい好意と声援の声。それが博美は、嬉しくて。
「あ……ありがとう! 絶対勝つから、この後も、応援よろしく!」
心からの感謝を述べて、にっこり。
車を出してくれるよう圭吾へ要請したこと、ねこったーへのつぶやきなど、ナイスなサポートが光る博美です。
そうこうするうち、車を正面へと回してきた圭吾が、
「これは……皆さん、ありがとうございます! よし、皆で協力して、積み込んでしまおうか」
「「「おー!!」」」
常連の奥様方へ感謝を述べつつ、学生も社会人も、全員が一丸となって。バケツプリンの運搬は、実にスムーズに進んだのでした。
さてこちらは、寝子高の近場で駐車場探しを行う
維剣 姫乃
と、
小島 海美
。二人は仲良く手を繋ぎながら、車を停めておける丁度いい場所を求めて、あちらこちらを彷徨っております。
「わたし、おとうさんの車にオーライオーライするの、とくいなの! だから、ちゅう車じょうも見つけられるはず!」
「偉いのね、海美ちゃん。うん、一緒に頑張ろうね!」
そんな海美の可愛らしい口ぶりには、姫乃の表情へも、笑顔が灯ります。
体育祭の見物客や、父兄関係者が多数やってきているからか、寝子高周辺の駐車できそうなスペースは、にわかに混雑状態。二人は少々、苦戦中……それでも、生来明るい気質の姫乃と、いつでも元気な海美とは瞬く間に打ち解け、その道行きは楽しく賑やか! なのでした。
「……あ! 姫乃おねえちゃん、あそこ、どうかなー!」
「どれどれ、えーと……牛乳屋さん?」
海美が指差した先には、産地直送の新鮮な牛乳を地域の人々へお届けする、牛乳屋さんの看板。
道路脇の駐車場には、確かに車はありませんけれど、果たして場所をお借りできるものでしょうか?
「お店の人に、聞いてみよっか」
「うんっ!」
まずは、尋ねてみないことには始まりません。二人は揃って、牛乳屋さんの店内へとお邪魔します。
応対に出てくれたおばあちゃんは、仲の良さそうな彼女たちに、皺だらけの顔でにっこり。
「あの、すみません。ちょっと事情があって、しばらく車を停めさせてくれるところを探しているんです。表の駐車場、少しだけ、貸していただけませんか?」
「かしてください、おねがいします!」
事情を話した上で、姫乃がそうお願いしてみますと……おばあちゃんは思案顔。どうやら今は配達のため、お店の車が外回りに出ているものの、そろそろ戻ってくるかもしれない、ということのようです。
とはいえこちらも、バケツプリンを満載した車が、そろそろ到着してしまう頃合……他の場所を探すにしても、時間的余裕はあまり無さそうです。
ダメ元で姫乃は、食い下がります。
「お願いします! あの、何か私に出来ることがあれば、させてもらいますから!」
「わたしも、おてつだいするよ!」
という、海美の援護の甲斐もあってのことでしょうか。
人の良さそうなおばあちゃん、若い子たちにこう頼まれてしまっては、無碍にするのも心苦しいと思ってくれたのかも知れません。
おばあちゃんの視線が、ふいにぴたり、止まりましたのは……姫乃の胸元。
「……えっ、条件次第で? これを着て、お店の宣伝を……わ、分かりました。やります!」
圧巻の迫力を誇る、丸みを帯びた二つの頂でありました。
かくして。
「二人とも……どうしたんだ? それ」
「えへへ。わたしたち、ウシさんなの!」
到着した車から降りてきた、刀が見たものは……胸元には、牛乳屋さんのロゴがプリントされたワッペン。可愛らしい牛柄のポンチョを着た、にこにこ楽しそうな海美。そして、
「し、仕方ないでしょ? こうすれば貸してくれる、って言うから……わ、笑わないでよね!?」
同じく牛柄のコスチュームを身に纏い……けれど自己主張の激しい胸元が強調され、やけにセクシーな雌牛ちゃんに変身した、赤面しがちな姫乃でした。
「いや、笑わないけどさ。はは、結構似合ってるよ、それ」
と、ボーイッシュな博美が言うと、
「うう……恥ずかしいなぁ」
羞恥に身をくねらせれば、ふるんっと揺れるド迫力。
春彦はふと時計を見やり、はっとした表情を浮かべると、
「おっと。とにかく、戻らねーとな!」
「プリンは台車に乗せて運ぼう。みんな、手伝って!」
運転席から降りてきた圭吾の言葉で、彼らは慌しくバケツプリンを運び始めました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月22日
参加申し込みの期限
2014年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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