【水泳大会】多分、生死を賭けた戦い（白猫サイド）｜リアクション

【水泳大会】多分、生死を賭けた戦い（白猫サイド）

【まさかの犬かき選手権！　一番早く泳ぎ切るのは誰だ！？】（黒２　白５）

　休憩が終わったら、淡々としたアナウンスが入った。
　どうやら、運営の一般生徒がアナウンスをやるようだ。
　なお、4コース以降は一般生徒のようだ。
「ただいまより、犬かきレースを始めます。
1コース、黒：後木真央選手　『犬かきで、今度こそ一位なのだ！』
2コース、白：志田朝陽選手　『よっしゃ！　とにかく勝てばいいんだな！』
3コース、黒：千明優輝選手　『ちょっと、疲れたよぅ』

では、水の中に入って位置についてください。
ヨーイ……！」
　ドォン！
　すいーっと、一斉に全員が前に出る。
　犬かきは、腰をかがめて頭だけ水面から出し、手を交互に掻きながらばた足をすることで前に進む、という泳法である。
　基本的には頭はずっと出ているので、息継ぎなどの工夫は必要は無いが、バランスが取れなかったり、体力が足りないとそのまま沈んでしまう。
「わっぷ！　わっぷ！　あう……」
　優輝が、必死に手足を動かしながら進む。
　体力はある程度は戻っているようだが、バランスも崩れ気味で危うい。
　そして、あまり進んでない。
「うぷっ！　鼻に来たのだ！　あう！」
　真央も、持ち前の体力を活かして進んでいるが、バランスが崩れ気味である。
　だが、体育会系の体力で無理矢理前に進んでいる。
「うぉぉぉぉぉぉぉ！」
　そして、パワー全開で進んでいるのは朝陽である。
　ばしゃばしゃとプールの水が真央や優輝の方へと飛び跳ねていき、それに真央は平気ではあったが、優輝がややパニックに陥った。
「僕……僕、がんばるもん！」
　優輝が負けじと進む。
　が、飛んでくる水に顔をしかめる。
　そういった気合いが効いたのか、やや速度が上がる。
　そうして、ゆっくりとだがゴールが見えてきた。
「よっしゃ！　いけーー！」
　朝陽が思いっきり腕を動かしながら進む。
「負けないのだ！」
　そして遮るように叫んで真央が進む。
　そして、ゴールへとたどり着いた。
「ゴール！　勝ったのは後木真央選手です！」
　そのアナウンスと共に黒猫組が盛り上がる。
　これで白猫組5点、黒猫組が3点で、一歩追いついたのだ。