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【14周年】寝子島、アクアアルタ<宴>
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風と踊る
肩で切りそろえた黒髪が潮風に踊る。
膝までの水を渦巻かせて、19歳になった
梓 楓
はくるくると身体を回転させる。
「ママ、見て。水のなかに金魚もいるの。一緒にダンスしてるみたいで楽しい!」
「楓ったら。子どものころみたいにはしゃいじゃって」
はしゃぐ楓を見守りながらゆっくりと歩いているのは、楓の母親である
梓 智依子
だ。14歳の若さで楓を出産した智依子はいま33歳。子育てを経て美しさのなかに逞しさも加わった彼女は、早すぎる子育てがひと段落したこともあってかつて諦めたダンサーの道を再び歩きだし、近頃はダンスコーチとしても活躍している。血は争えぬもので、寝子高を卒業した楓もまた、本格的にダンサーの道を歩んでいた。
「楓。覚えてる? 子どものころもアクアアルタがあったこと」
「うん。おぼろげだけど覚えてるよ。ママと一緒に遊んだ記憶」
思い返せば母は当時、相当忙しかったはずだ。学業とアルバイトを両立させ、さらに自分のことを育てていたのだから。祖父母の助けがあったとはいえ、簡単なことではなかっただろうと、今ならば想像できる。
それでも記憶の中の母はいつも笑顔で、自分と遊んでくれていたように思う。あのころ楓は、女子高生だった母の友人たちのマスコットでもあった。そういった関係があったから今の楓の明るい気質があるように思うし、智依子も子育てで溺れずに済んだのだろう。
「楽しかったよね」
楓は当時を思い出すと自然と笑みがこぼれてしまう。
踏むステップは、智依子がはじめて教えてくれたものだ。
「ワン・ツー、ワン・ツー……ふふふっ、あははっ!」
子どものころみたいにはしゃいだりなんてしないって思っていたのに、いつしか楓は、浜辺で母にダンスを教わっていたころみたいに愉快になっていた。湧き上がるのはプリミティブでエネルギッシュな情感。突き動かさるように踊る、踊る。
ぐしょ濡れになるのも構わずに――。
「楓ったら。全然変わらないんだから」
智依子が呆れたように見守っている。
「そんなことないですよー……っと、ひゃっ!」
次の瞬間、楓の身体は水の中に沈んでいた。
智依子が慌てて楓の腕をひっぱりあげる。
助けられた楓は水面から顔をだし、今何があったんだっけとお互いに見つめ合って。
楓も智依子も吹き出してしまった。
「ママ、聞いてよ。ここ最近ちょっと、悲しいことがあったんだ」
「なあに?」
「恋に恋して、結果はフラれちゃった」
「そうだったの。それは……哀しかったわね」
「うん。でも……それでよかったかも」
楓は智依子の手を支えに立ちあがる。濡れた前髪を掻きあげれば、潮風が心地よく頬を撫でていく。
そうだ、風と踊ろう。
楓はまたステップを踏んだ。
「今はまだダンスが恋人ってことで」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年06月09日
参加申し込みの期限
2026年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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