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爽風、あなたの物語
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にゃんこ刑務所の看守日誌
「三毛猫月三日。囚人の猫たちは勝手気ままです。日当たりのいい廊下の真ん中で寝ちゃっていたり、お昼の時間はまだかとまとわりついてきたり、ときどき爪で引っかかれたり……」
トントン、と看守室のドアが控えめにノックされて
早川 珪
が顔を出す。
「綾花さん、日誌は書けたかい?」
「まだ途中ですが……あ、もう見回りの時間なんですね。今行きます」
綾辻 綾花
は、黒い革表紙の日誌帳をぱたりと閉じた。
ここは刑務所。猫だらけの刑務所だ。ちょっと前から綾花と珪はこの世界で看守をやっている。
「私の部屋に二人でいたはずなのにいつの間にかここに来ちゃっていましたね」
「刑務所のなかはぜんぶ見て回ったけれど、ほかに看守はいなそうだし……」
「ふふっ。ふたりだけの看守ですね」
珪の看守服姿がまぶしくて、綾花はつい眺めてしまう。スマホがなくて写真が撮れないのが残念だ。
ともかく、規則正しく更生できるようにするのが自分たちのお役目のようなので、綾花と珪は刑務所のなかを見回って、猫たちのお相手をすることになったのだった。
「それにしても、ここって本当に自由ですよね。猫たちがのびのび暮らしていて」
「個性的な囚人ばかりで看守としてはてんやわんやだよ」
「ふふっ。刑務所というより、保育園というほうが合っていそうです」
規律を示すなら自分たちから、と、きっちり看守帽を被った珪と綾花は、そんな話をしながら猫たちがまどろんだりお散歩したりしている刑務所の廊下を見回りしていく。と、さっそくトラブルだ。
「にゃおおん!」
「ふみゃおおおん!」
白いでぶ猫とシマシマの猫が絡まった鞠みたいに取っ組み合って喧嘩をしている。
「こらこらっ! 囚人同士の喧嘩はダメですよっ!」
駆けつけた綾花と珪はそれぞれ一匹ずつ抱きあげて距離を取らせる。
猫たちの間にあったのは、今日のごはんのささみだ。どうやら気の強いシマシマ猫のほうが、自分の分を食べたにもかかわらず白いでぶ猫の分まで狙ったことで喧嘩になったらしい。
「ほかの子の分まで取っちゃ、めっ、ですよ」
綾花がシマシマ猫を叱りつけると、シマシマ猫はしぶしぶ引き下がって去っていった。一方の白いでぶ猫は、今度はごはんを取られまいと、焦ったようにささみに飛びつく。ところが焦りすぎたのかささみが跳ねて、またそのささみに飛びついて、と落ち着かない。
そんな白猫に綾花は優しく声をかけた。
「ごはんは逃げませんからゆっくり食べて下さい」
それでようやく白猫はささみを落ち着いて食べはじめた。
「ふふふっ、可愛い」
珪とふたりでしゃがみこみ、両手に顎を預けるようにして眺めていると、ヒマラヤンに似た黒い毛並みの黒猫が綾花のそばにやってきて綾花の足に身体をこすりつけはじめた。
「あらあら甘えて……って、クロワ?」
綾花が高校生のころから飼っている、ちょっと不思議な黒猫、クロワッサンことクロワである。
「クロワも囚人なんですか? え、どうしたんです急にお腹を見せて」
「これはもしや……もふもふしろってことかな?」
「だめです、私は看守なんですよ。甘やかさずに規則正しくさせるのがお仕事なんですから……そんなもふもふのお腹を出しても……撫でて……あげま……せん……よ」
そう言いながらも、綾花の手はクロワのお腹に勝手に伸びる。
もふもふもふもふもふもふもふもふ………。
………もふもふもふもふもふもふもふもふ。
「ふあぁぁぁっ!」
気づけば綾花は自分の部屋で、クロワを抱えて撫でていた。
「あれっ、戻ってきた?」
隣にいる珪を見れば、珪のほうもきょとんとして綾花のほうを見つめている。
「僕たち、看守をしてたよね」
「はい。珪さんも覚えているんですね」
クロワが『お疲れさま』とでもいうように『なー』と鳴いた。
さらにもう一声『なー』。今度のは『もっと撫でて』だ。
「もうっ……クロワったら相変わらずの甘えん坊なんですから」
しばらくクロワを撫でていた綾花は、自分も珪に甘えたくなってぎゅっと抱きつく。
「珪さん、私も撫でてもらっていいですか?」
「おやおや。しょうがない囚人猫さんだね」
彼は笑って、綾花がクロワを撫でたように、綾花を撫でてくれたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年04月27日
参加申し込みの期限
2026年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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