夏の！　まとめてハッピーバースデー♪　７月から９月まで☆｜リアクション

夏の！　まとめてハッピーバースデー♪　７月から９月まで☆

　待ちに待った夏休み。
　八神修は、寝子島のマンションに恋人の七夜あおいを迎えていました。
　東京在住の東大生である修ですが、週末を過ごすために寝子島にマンションを借りています。

「おはよう、修くん。今日はどうしようか？」
　起き出してきたあおいと共に修は朝食のテーブルについていました。
「突然だが、今日はあおいの誕生日をお祝いしたいと思う」
「えっ……？」
　あおいの目がちょっと揺らいで、それから輝きます。
「今月はあおいの誕生日だったろ？　でも夏休み前で会えなかったから」
「あっ、あの時送ってくれたスイーツ、とっても美味しかった！　お祝いメールも嬉しかったよ」
「ああ、でもそれだけじゃ俺は満足できなかったから、寝子島バカンスの中で祝う日も作ろうと思ってね」
　それであおいに内緒で、食事や映画やリラクゼーションの予約を取っておいたのでした。
　修は、ちょっと気取って言いました。
「今日は、俺にプロデュースさせてくれないか？」

　朝食と支度をすませ、いざ町へ出発。
「まずは映画からだ」
「嬉しい！　この映画見たかったんだ」
　映画館で目を輝かせるあおいに、修は笑みを向けます。
「ああ、見たいって言ってたからね。俺も気になってた」

「すごく面白かった！　良かったよね」
「それは良かった。俺も気に入ったよ」
　映画を見終わるとランチをしながら感想を語り合い。
　食休みの後はマッサージの店へ向かいます。
「癒される～」
「いつも他人のことばかり考えてるだろ？　たまには自分の体もいたわらないと」
「…………」
「あおい？」
　目を閉じたまま黙ってしまったあおいの顔に、修はつい見入ってしまい。
「……あっ、ごめんなさい、気持ち良すぎてうとうとしてた……」
「疲れてるんだろ。いいよ、ゆっくり寝てて」

「今日は夢みたいに楽しかった」
　うきうきと言うあおいに、
「よかった。でもまだ終わりじゃないぞ」
　と答え。
　そうして最後の夕食の時に修が取り出したのは。
「はい、遅れたけどバースディプレゼント。普段使いできるものをって、考えてみたんだ」
　包みを開けたあおいの顔がぱっと明るくなりました。
「これ……あの時の？」
「そう。街を二人で歩いてる時に店先で見て「可愛いなあ」ってほわほわしていただろ。気に入ってくれた？」
　それはいろいろなにゃんこの柄のキッチンミトン、エプロン、ランチョンマット４枚の三点セットでした。
「さすが修君、よく覚えてたね。ありがとう！　大切に使わせてもらうね」
「俺も色違いで買って良いかな？　高校時代に一緒に買ったエプロンも気に入っているけど、洗い替えも欲しいし」
「お揃い？」
「うん、お揃い」
　修は猫の物まねをして、
「にゃーん」
　とおどけてみせ。
「修君、可愛い」
　あおいは楽しそうに笑うのでした。
　

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