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猫印名品と共に生きる
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三十八となった。アラフォーと呼ばれる年齢に差し掛かった自身に
水谷 真優理
も思うところは無きにしも非ず。星ヶ丘の高級ホテルステッラ・デッラ・コリーナのチーフコンシェルジュへ昇進し責任ある立場となり、忙しく立ち回る中で肌や身体の不調も少しずつ現れてくる頃合いだし周囲から年齢について何かと囁かれることもあったりする、とはいえしかし、それらは真優理の幸福を否定するものとはならない。真優理には真優理の物差しが測る人生の充実というものがあろう、誰彼にとやかく言われる筋合いなどないのである。
「佐藤さん、306号室のお客様からお呼び出し。すぐに対応してね」
「はい、分かりました」
「田村さんは例のお客様のお迎えをお願い、もうまもなく来られるから。VIP対応でね」
「はいっ、チーフ!」
「水谷さん、お客様からクレームが……609号室です。シャワーの出が悪いそうです」
「分かった、私が様子を見てくるわ。あなたはフロントで対応をお願いね」
「分かりました、チーフ!」
頼られる理想の上司というものだ。慕ってくれる有能な部下に恵まれ、真優理自身も仕事に充実感を覚えやりがいに満ちている。毎日に退屈することなく、少しだけ忙しないが気持ちよく没頭できる良き仕事場だ。四十を目前にこのように恵まれた職場へ就けた幸運に感謝する。もっともそれらは他ならぬ真優理の敏腕ぶりや人柄によるものであろうが。
真優理の日々の充足はそうして仕事から得られるものも多くありながら、そればかりではない。
「ふぅ。みんな、今日もお疲れ様! 明日もよろしくね」
夕刻に仕事を引継ぎシーサイドタウンのマンションへと帰宅。遅い夕食を取りながらテレビをつけると、真優理にとって一番の幸福が画面に映り込む。近頃はそうして彼女の姿を目にする機会が増えた。
『まるで付けてないみたいな着心地……羽を纏っているみたい』
青山 絢
はそんな気取ったセリフを淀みなく紡ぎ、まさしく天の御使いめいて白く透き通り緑の野へ神々しく佇んでいた。猫印名品のテレビCMだった。真優理の昇進から一年程経った頃だったか、絢は戦隊モノ特撮ドラマのヒロインに抜擢され大ブレイク。今では俳優としてあちこちに引っ張りだこであり今年のCM女王として君臨する勢いなのだ。
「う~ん、テレビで見る絢ちゃんも可愛いわね♪ 実物はも~っと可愛いけど!」
従妹で恋人で特別な人。一回りも年下だがそれも関係ない。真優理にとって絢はいつだって最愛の存在だ。彼女の仕事は全てチェックし把握する徹底ぶりであるし、こうしてコマーシャルを担当した商品も余さず購入している。直近の猫印のCMではことに彼女の姿をよく見るようになり、特にお気に入りはワンピースで色違いを数着も買ってしまった。
「ふむふむ、このインナーもゲットしなきゃね!」
画面の中で絢が身に着けている品ももちろん購入するつもり、というか思い立った時には既にスマホへ手が伸び、公式サイトにてお買い物を済ませていた。
「これでオッケー。さて!」
絢の姿は今、このマンションにはない。かつてはここから高校へ大学へと通っていたが、彼女は自立と共に東京へと移り住んでいる。独り立ちを応援したい気持ちと同棲を続けたい気持ちとが大いにせめぎ合ったものだが、今ではこうして遠方で頑張る彼女の姿を見つめては励みとしているのだ。
もちろんそればかりでなく、画面を通じて見据えた彼女の姿が想起する印象やら商品の感想やらをメールにて伝えることも忘れない。お互い離れての遠距離恋愛……というには距離が近いか。長距離恋愛とでも言い表そうか。ともかく真優理の指はスマホの上を縦横走り、今夜も仔細にして長文を彼女へと送り届けるのだった。
すっかり売れっ子である。と自分で言うのもおこがましい、というのが絢の自身におけるスタンスであるのだが、周囲からの期待の眼差しには答えねばなるまい。ドラマに映画、そしてCMにと引く手数多の絢はもはや、女優としての地位を確立しつつあると言えよう。
昨年から出演している猫印名品のコマーシャルなどはその顕著な例の一つだ。
「絢ちゃん、いいね! 次のカットは違う表情も試してみようか。もっとこう、愁いを帯びた瞳というか、透明感ある佇まいというか」
「む、難しいですね……でも、やってみます。お願いします」
「ははは、その意気! 大丈夫、何カットでも付き合うよ~。よーし、アクション!」
猫印良品のさらっと綿インナー。とのことで絢自ら着用し撮影に臨む。こういった仕事はいくらか場数を踏んできた今でも中々に難しい。
(私が目立ちすぎてもいけないし、かといって商品だけ悪目立ちしてもいけないし。匙加減がね)
しかしその表現の塩梅にやりがいを感じているのも確かだ。今年のCM女王候補、などと持ち上げられつつも謙虚に奢らず、常に自分のベストな演技を模索し続ける。思惑がぴたりはまれば手応えを感じるし喜ばしいがその逆もまた然り、ただ失敗もそれはそれで「次こそは」と絢の俳優魂を燃え上がらせることにもなった。自分でもこの気質は演技者に向いていると思う。
「オッケー、最高だよ絢ちゃん! お疲れ様!」
「ありがとうございました!」
その日の撮影終わりは午後七時だった。時に日を跨ぐような現場もあるから今日はまだ早いほうだ。それでも全力をつぎ込み完全燃焼したという自負はある。心地良い疲労感を抱えて帰路を辿る間も誇らしさが胸に満ち気分が止めどなく上を向いた。
程なくCMはテレビやWEBにて公開となり、世間の評判はもちろん上々であった。絢はほっと胸を撫で下ろす。しかし絢をもっとも高揚させてくれるのは、真優理から送られてくる実に様々な感情が滲む長文のメールだった。
「ふふっ。真優理さんったら」
手放しの褒め殺しはどこかむず痒い。しかしそればかりでなく、問えば真優理は絢の抱える課題や問題点、先に活かすべき美点をも的確に告げてくれた。そうした彼女の指摘が今の絢を形作る一端となっていることに間違いはあるまい。その証明こそが女優・絢への世の高評価というわけだ。
絢はスマホに彼女の連絡先を見つけると躊躇わず押し込んだ。こんな時は直接声を聴きたくなる。
「あ、真優理さん? ふふ、今日もお疲れ様。メールありがとう! 見てくれてすごく嬉しい。うん、そう……現場でも褒められてね。そうそう、真優理さんの言う通りだったよ。うん、うん。ありがとう、真優理さんにそう言ってもらえるのが一番嬉しいな」
会話のキャッチボールはどこまでも切れ目なく続く。結局のところあまり距離などは関係がないのだと思う。もちろん触れられれば嬉しいし愛おしさも募るがこうして離れて暮らしていても、彼女の存在を傍らに感じることはできた。
「え、本当? 今度の休みに東京に……会えるわよね? やった! うん、すごく楽しみ!」
二人でどこへ行こうか、そんなことを思うだけで心高まる。
「猫印名品に……? それはちょっと、恥ずかしいっていうか。だって私のポスターが張り出されてて、なんだか照れちゃうから……あっ真優理さん、笑わないでよ!」
いつも頼りになり、それでいて屈託なく可愛らしいところもある、年上の恋人の太陽のようなあの笑みを思い出すと胸が弾んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年12月05日
参加申し込みの期限
2025年12月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年12月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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