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足早にゆっくりと、あの雲みたいにいつまでも
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何と表現したものだろう。
椎井 莉鳥
は惑う。覚えのある感情のようであり、新鮮な草いきれのような青さも感じる。
つまるところ、隣に寝そべるこの
中倉 琉歌
と己の関係性をどう言い表したものか。それが莉鳥にとって喫緊の命題なのだ。では考えてみよう、さて、ふむ、友と思えばいいだろうか。こうして夏の寝子ヶ浜海岸に二人水着を着て並んでいるのだから、少なくとも安い関係ではないだろう。水泳部の先輩と後輩? 莉鳥はとうにOGだし今は先も後もなく対等なはずだ。ではこの近しい距離感は何だ。恋人だろうか? いや、しかし。そうではないのだ。
「……? 先輩、どうしたんですか? 私の顔に何か……あ、さっき食べた焼きそばの青のりでもついてます?」
「いや、何もついてないわ……別に、ただ何となく見てただけ」
きょとんとして首を傾げた琉歌にしても何食わぬ顔をしてみせた莉鳥にしても、半ば察するところではある。確かにそうだ。何しろ琉歌は一度、莉鳥に想いの丈を告げている。彼女が抱く感情は明白だ。対して莉鳥は、拒絶こそしなかったものの答えを返してはいない。今はまだ保留中。生半な返答はできないと考えている。少なくとも、いたずらに傷つけたくない相手であることは確かだ。
「は~。それにしても、いい天気ですね。焼けちゃいそう……」
「琉歌、ちゃんとサンオイル塗った? 塗り残しがあると後が大変よ」
「ちょっと自信ないかも。先輩、塗ってくださいよー」
「私が? しょうがないわね……」
そんなやりとりが自然と交わされるくらいには親しい間柄。それでいて滑らかで艶やかな彼女の肌へオイルを塗り手を這わせると、どこか妙な気分にならなくもない。
「あはは、先輩、くすぐったい!」
「我慢して。ああほら、動かないで」
「あはははは!」
屈託なく笑う彼女と時を過ごしていると、心穏やかだ。優しさに包まれ安らぐ気がする。彼女がどんな存在であろうと、それはきっと変わらない。認めるべきだろう。琉歌という存在は、莉鳥に平静と安堵を与えてくれる。
「……ん。これでいいわ」
「ありがとうございます、先輩」
伸びをする琉歌のしなやかな流線形ボディに、胸が一つ弾んだ。部活やら何やらで見慣れているはずなのに。
「っ、飲み物でも買ってくるわ。喉が乾いたから……」
「あ、じゃあ私の分もいいですか? 炭酸のやつがいいかなー」
「分かったわ」
逃げるように側から離れた。何だか吸い込まれそうな気がしたもので。
琉歌は莉鳥を観察する。近ごろは月に一、二度程の頻度で顔を合わせているが、その表情には変化を感じる。次第に柔らかく解れてきたように思う。それでいて真芯には抜けぬ強固な楔があり、琉歌に踏み込ませない壁の存在を意識する。
(……分かりますよ。先輩)
距離は近しくなってきた。しかし莉鳥は自身を莉鳥と呼ばせてはくれない。下の名前はお気に召さないらしい……といってそれは琉歌に限ってのことではなく誰にでもそうであるらしいから、焦りはない。何しろかつて恋したという幼馴染の彼にさえ名前では呼ばせなかったらしい。
(…………)
噂に聞いただけだ。莉鳥の恋の顛末は。随分と迷走した果てに、彼の大学進学を機に別れてしまったという。歪な感情の揺らぎは未だ収まらず、彼女を頑なとする要因の一つではあるのだろう。無理もない、と理解は及ぶ。その上で琉歌の胸は少し痛んだ。
自分が代わりとは、なれないだろうか。
「ねぇ、少しは泳いでこようと思うけど、あなたも行く? 琉歌……どうかした?」
「あ、いえ。行きます、私も泳ぎます! せっかくだから、競争しましょうか? 負けたほうは、星ヶ丘の例のクレープ屋さんで一品おごりってことで」
「ふぅん? まぁいいけど。後輩だからって手加減はしないから」
「もちろん、望むところですよー!」
砂浜を歩む莉鳥の肢体の何とスレンダーで美しいことだろう。思わず見とれてしまう。深いネイビーブルーのビキニもよく映える。
莉鳥はどうして自分の呼び出しに応じ、こうして付き合ってくれているのだろう。告白の確かな返事も無いまま、曖昧なままに、それでも遊びに誘えば乗ってくれる。そうするうちにいつもながらのぶっきらぼうも和らいできた。なぜだろう、と琉歌もまた惑う。
「あそこのブイが折り返しね。合図は?」
「それじゃ、私のカウントでいきましょう……三二一ゼロ、はいスタート!」
「あっ、ちょっと、ずるいじゃない……!」
彼女もまた、答えを探しているのかもしれない。琉歌と同じように。
何にせよ二人でいれば笑顔が生まれるし、安らぎがあった。心昂り、穏やかとなり、満たされた。今はまだそれだけでいいのかもしれない。十分かもしれない。
莉鳥が答えを導き出したその時、もしかしたらこの関係も変わってしまうのかもしれないから。
波間に浮かぶ。全てを弛緩させ揺蕩うに任せ、存在はただ二人、互いのみとなる。
「先輩?」
「何? 琉歌」
呼べば莉鳥は応え、琉歌はにわかに満たされる。
「何でもないですよー。呼んでみただけー」
「何よそれ、もう。ふふふっ」
琉歌が笑みを零せば、莉鳥も悪い気はしない。胸は暖かく灯った。
「ふぅ……そろそろいい時間ね。帰りましょうか」
「そうですね。あっ、忘れてませんよね? クレープ!」
「はいはい。次は負けないから」
「もちろん、リベンジはいつでも受け付けますよ」
海から上がるとシャワーを浴び、着替えて寝子島街道を歩く。星ヶ丘までのんびりと、急くこともなく。道中は会話も絶えない。主に話題を振るのは琉歌のほうだが、莉鳥とて飽くことはなくキャッチボールが地に落ちることはなかった。いつまでも巡り続けた。
「あの……先輩?」
「何? 琉歌」
「……あの。もし、私が……」
琉歌がぴたりと足を止めれば莉鳥は不思議そうに振り返る。
莉鳥にとって琉歌は測れない少女だった。特異な距離感。どこか飄々として本性を掴ませないマイペース。しかしだからこそ、真っすぐに向けられた唯一つの感情はぎらつく程にまぶしい。
琉歌にとっての莉鳥は二つ三つ年上の、思いの外大人だった。近しくあろうと思えば思う程に、隔たりを意識する瞬間が際立った。そんな孤高にこそ憧れたのかもしれない。惹かれたのかもしれない。
恐れていたのかもしれない。途切れてしまうことを。誰だってそうだ。拒絶されるのは怖いから。
「っ、クレープ! 楽しみですね。先輩は今日は何味にしますか?」
「そうね。フルーツミックスにカスタードをプラスしようかな」
「美味しいですよね、あれ。私はそうだな~。イチゴとチョコのホイップクリームな気分。かな?」
「あれも美味しいわよね。んん……迷っちゃうかも」
「じゃ、私の一口あげます。先輩のも一口くださいね」
「OK、商談成立ね」
くすりと笑えば、何気ない時が戻ってくる。今はそれでいい。脈絡もなくぷつりと終わってしまうよりは、待ち続けるほうが気が楽だ。そういう質だ。
「先輩?」
「何?」
「呼んでみただけー」
「ふ……」
それでも、いつかは。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月25日
参加申し込みの期限
2025年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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