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ボディタッチ日和 in Summer
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波に乗る。太陽風を背に受け青の野を滑走する。全てを過去へ置き去りにしてただひたすらに駆け抜ける。サーフィンは波上で孤独に一人追究するものと思われがちだがそれは違う。波のうねりを読む。風の翻りを感知する。自然のパワーに驚嘆と敬意を忘れずそれでいて驕らず乗りこなす精神力や体力、何より技術の粋は己のみで身につけるものではなく、自然と対峙し自然と共にあらんとする姿勢から練り上げられるものだ。
三折部 朝衣
とてそれを忘れないからこそパドリングは加速し、ボードコントロールは時として迅風をさばき荒波を乗り越えるのだ。
その快楽と恍惚たるや。
「はっ!」
ボードは白雲滲む青空を切り裂き碧海のチューブを鋭く潜り抜ける。朝衣の人生とサーフィンを切っては切れまい。波間を滑る幸福があればこそ多忙も修羅場も乗り切れるし、日々を健勝に過ごすこともできよう。
だからここ一年程は端的に言ってキツかった。寝子島町役場勤務、かの
中沢 リッカルド
町長付き秘書へと名誉の昇進であったが、慣れぬ業務と町長の日替わりのごとき気まぐれに振り回されるばかりで心の余裕、サーフィンに興じるようなスケジュールの余裕も持てなかったのだ。とはいえ朝衣の努力の賜物でいくらかそんな苦境も改善し始め、町長をある程度御することもできるようになってきた。おかげでこうして休日には波に乗ることもできる。
「ふぅっ」
白い砂へ降り立つと帰還した宇宙飛行士が大地に再び重力を感じるかのように身体が重く、そして充足感が満ち満ちる。この心地良い疲労感もまた朝衣の心がサーフィンの虜となる理由の一つだ。
ビーチに立てたパラソルの下へ戻ると
住沢 遥人
がスポーツドリンクを朝衣へ勧めながらに言った。
「見事なロングライドだったね。さすが俺の朝衣だよ」
「何それ。ふふっ」
ビーチチェアに身を横たえる。身を沈めると涼やかな風が吹くも、火照る肌の熱は冷めやらず。大きく息をつき冷たいドリンクを一気に飲み干した。
「遥人はもう乗らないの? 満足した?」
「まだまだ。もっといけるさ。けど、そろそろお昼だしね。一度家に戻らない?」
「そうね、続きは午後からにしましょうか」
同棲中の二人の住まいは寝子ヶ浜海岸から目と鼻の先だ。言わずもがな、共通の趣味であるサーフィンを満喫するために選んだ。もっとも双方多忙な身であり、こうして揃っての休日を取ることができたのは引っ越ししてからそう何度も無かったが。
立ち上がった遥人の腕を胸へ抱き込み、砂の上へ一揃いの足跡を残す。
「……?」
胸の内、腹の底、どこからか起ち上がる熱を覚えて朝衣はふと首を傾げた。
朝に作り置いたサラダとサンドイッチで午前に消費したカロリーを満たすと、テレビを付け昼のバラエティなどだらだらと眺めながらクーラーの吐き出す冷風を浴びる。
「ふぅ~、食べた食べた! うちの専属シェフの腕前は折り紙付きよね」
「ご満足いただけて何より。デザートにフルーツの盛り合わせはどう?」
朝衣はぱちりと指を鳴らしの肯定の意を示した。遥人は苦笑いを浮かべつつもフルーツをテンポよくカットしてゆく。朝衣のジェスチャーは本位でもあったが実のところ誤魔化しでもあった。
先ほどから無視できない程に、ある衝動を覚えて止まない。包丁を握る遥人の繊細な指先や手の甲に浮かぶ血管の滑らかな流れなど見つめていると、衝動はより一層高まった。
「お待たせ。どうぞご賞味くださいお嬢様」
「うむくるしゅうない」
茶目っ気を発揮して衝動から目を逸らそうとする。切り分けられたフルーツの甘味と酸味へ意識を割き、衝動へ蓋をしようと試みる。
だが無駄だった。
「……ん? どうかしたかい、朝衣。美味しくなかった?」
「ううん。とっても美味しい。でも……」
「もっと違ったものが食べたいの」だの「遥人のジューシーなところにかぶりつきたい」だのもう少しこねくり回したセリフでウィットを表現しようとも思ったが、その時にはもうのっぴきならぬ程追いつめられていた。黒く赤く熱く、噴出する奔流のような衝動はもはや抑えがたく沸騰していた。
「遥人……」
「朝衣? おっと」
彼へとしなだれかかる。テレビの中で三流芸人がつまらぬギャグを披露するも顧みる者はもはやない。彼の肩口へ胸へと額を擦りつける。かき抱く。鎖骨のラインへ舌を寄せる。彼の商売道具である指を遠慮もなくしゃぶり尽くす。キスをする。
「!」
両頬を手のひらに包み込まれたまま唇が重ねられた。息もできないくらいに押しつけられる。彼もまた苛まれていたらしい。
戸惑いに暮れるも止まらなかった。
「ん……遥人。サーフィンは……?」
「……また今度」
互いにのめり込む。気が付くと日が暮れていた。
砂浜は昼間に蓄えた熱を程よく放出した後、二人のために冷たい夜気を降ろしてくれた。道路脇の街灯から届く明かりではサーフィンも難しく、二人はただ砂の上に寄り添うばかりだがそれで良かった。休みはまたどこかで捻出できるだろう。夏の間に幾度か波に乗ることはできるはずだ。
今はただ昼の熱情との対比を涼やかに、静かに、彼と共に堪能するばかりである。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
久しぶりのボディタッチでした。
お色気表現は一頃と比べて控えめであるかもしれません。
思うところあったり、のっぴきならない事情であったり、あるいは直接的表現よりも空気感を大切にしたいと考えるようになったからでもあります。
時の流れが故にと思っていただけましたら幸いです。
こういったシナリオもまた出していきたいと思いますので、よろしければお付き合いいただければ嬉しいです。よろしく。
それではまた次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
お色気
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月30日
参加申し込みの期限
2025年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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