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寝子島高校
3N
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夏場の水泳部は勝ち組である。親の仇みたいに照り付ける太陽の下でトラックを駆け回ったり白球を追いかけたりすることもなく、冷たいプールでぱしゃぱしゃと戯れていればいいのだから。涼しく心地よくスカッとする、水泳の練習に打ち込んでいる間は夏の酷暑など意識に昇る暇もない。そんな風に思っていたのだが。
「なんか、水、ヌルくない……?」
プールから上がった
水上 桜
だが、今の心境はといえば涼しさやらスカッとする爽快感などからは程遠い。水に浸かっていてもさほどの涼を感じることはなかったし、全力で手足をかいて泳いだ己の熱は水に溶けてゆくばかりか蓄積を重ねたようにも思える。記録の伸びもいまひとつだ。周囲のどこからかセミの鳴く声の多重奏が聞こえてくるし、向こうには陽炎だって揺れている。暑い、暑すぎる。水泳部はもはや運動部の勝者たりえないのかもしれない。どこもかしこも等しく暑いのだ。
「桜先輩、今日めっちゃ暑くないですか?」
「やばいですよねこれ、もう倒れそう……」
「ほんとね。今年一番の暑さかも」
桜のみならず後輩たちの動きも表情も精細に欠く。
「あー、もう暑すぎ! アイス食べたくないですかアイス、サーティーニャンの!」
「頭がキーンってするくらい冷たいやつね!」
「あ、今期間限定フレーバーがあるんだって、サンマさんとかマンボウくんの」
「いいね~! うおー、行きて~!」
などと盛り上がっており、もはや練習に身が入る余地など無さそうだ。
今日は桜以外の三年生は休みだし顧問の
相原 まゆ
も姿を見せていない。きっとこの暑さで溶けたニャルキーのように職員室でぐったりしているのだろう。幸いというかなんというか、今日の活動の切り上げ時は桜に一任されていた。ふむと桜は思案する。この暑さでは真剣に打ち込むこともままならないし効率も悪いだろう。何より炎天下の練習で誰か倒れたりしては元も子もない。
「……よし! 決めた。みんな、集まって!」
桜は手を振り後輩たちをプールサイドへ集めると、咳払いを一つしてから告げた。
「今日は練習終わり! 3Nにアイス食べに行くわよ!」
一拍の沈黙の後、プールサイドへ歓喜が谺した。
それからシャワーをして身支度を整え、相原先生へ報告してプールの鍵を返し、学校を出て3Nアイスクリーム寝子島店へ。たどり着く頃にはなぜだか、水泳部員のみならずその友人知人も同行し十数名の大所帯となっていた。
「ちょっと、あんまり大きな声でしゃべらない! 周りに迷惑でしょ?」
「は~い、先輩!」
「道一杯に広がらない! ほら後ろから自転車くるよ!」
「あ、ごめんなさーい!」
先輩はつらいよ。奔放な後輩たちの面倒をみたり気を張っていると、普段の倍は疲れる気がする。この酷暑だし頭に血が上りそうだ。いっそ全て投げ出したくなるが桜の強い責任感がそうはさせず、皆を導くうちにアイスクリーム店へと到着した。ほうと安堵の一息が漏れる。
といってこの人数全員で店へ突入するわけにもいかないので、まずはスタッフに確認を取る。
「あのう、すみません。この人数なんですけど、席、空いてますかね……?」
桜の苦労を顔に読み取ったのだろう。応対したスタッフのお姉さんは気の毒そうな顔と応援するような表情を滲ませながらあれこれと便宜をはかってくれた。
「奥の席をくっつければ何とか。ご用意しますので、少しお待ちくださいね」
「ああいえ、そのくらいやらせますので! はい! ありがとうございます!」
ピークタイムを過ぎ客の少ない夕方であったのも良かった。店舗の中へ高校生たちのかしましい声が響き、それを諫める桜の声が時折ながら鋭く飛ぶ。
多くの者は期間限定フレーバーを頼んだようだ。サンマさんサマースペシャルにマンボウくんレインボー。桜は無難にキャラメルとバニラのダブルとしたがどうにもそれらの限定メニューが羨ましく思えて、それにあんまり喉が乾いていたもので思わず、アイスのおかわりをしてしまった。サマースペシャルは爽やかで弾けるようなソーダ味だった。
「ねー水上先輩、進路ってどうするんですか? あたしも来年どうしようかなって、今から迷ってて……」
「来年どころか、今から考えたって全然早くはないわよ。高校三年間なんてあっという間なんだから」
三年生の桜は何だかんだと後輩たちに頼られていて、時に進路の相談などにも話が及ぶ。学生の気安さと短い時に追い立てられる焦燥感、その狭間に立つのが若さというものだ。
「私は、マタ大の教育学部を目指してるの」
「ってことは、先生になるんですか?」
「おー、水上センセー! かっこいい!」
「桜せんせ~、アイスもういっこおごって~」
「茶化さないの。まぁ、なれたらいいなって思ってるけど……」
「なれますよ!」
ぴたりと後輩たちの頷きが揃って、桜は思わずアイスを頬張る手を止めた。
「先輩、絶対向いてると思う~」
「友達みたいな先生、いいよね」
「厳しい時は厳しいけど、愛ある指導っていうかさ~」
「そうそれ!」
「応援してますから。先輩!」
一心に見つめられては何だかこそばゆいが悪い気はしない。
「……ありがと。あなたたちも受験、頑張ってね」
冷たいアイスと冷房で身体は冷えたが、心は温かい。桜は頬を緩めて笑む。気が緩み皆の声が再び大きくなってきたので、静かに言った。
「あと、他のお客さんに迷惑だから、もう少し声は控えてね」
「「「はーい、桜センセー!」」」
夏の暑さには辟易するも、それこそが運ぶ風景を桜は何だか、愛おしく思った。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
アイスのお話でした。
夏はアイスですね。お店で食べるのもいいですが、最近はコンビニアイスも全く侮れなく非常に美味しいので助かります。
好きなアイスは、決められません。どれも美味しい。
でもまぁ、定番のバニラかな。ワッフルコーンのやつをよく食べるかも。
それではまた次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月14日
参加申し込みの期限
2025年07月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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