まとめてハッピーバースデー♪　４月から６月まで☆｜リアクション

まとめてハッピーバースデー♪　４月から６月まで☆

　５月２１日。
　今日は三折部朝衣の誕生日です。
　一昨年は平日、去年の誕生日も平日。
　そして……２２歳になる今年も平日。
　けれど今年は、代休でした。

　そして今年は実家ではなく、同棲中の婚約者と一緒に誕生日を迎えたのでした。
「……ん」
　とはいえ目を覚ますと、傍らで寝ていたはずの住沢遥人の姿はありません。
　代わりにキッチンの方からいい匂いが漂ってきました。
　朝食を作っているのでしょう。
　洋食店のシェフである遥人の美味しい朝食を時間を気にせず味わえる、十分に幸せな朝と言えるでしょう。

　朝衣はベッドから這い出てシャワーを浴び、まっさらなTシャツとショートパンツを着ました。
　ダイニングに来ると、テーブルにはパンケーキとエッグベネディクト、それにサラダが並んでいました。
「まるでハワイに来たみたいね。というかあたしの好物ばかりじゃない」
「おはよう、そして誕生日おめでとう、朝衣」
「ありがとう、遥人」
　今日は遥人の店も休業日なのでこうして二人でのんびりすることができます。

「美味しい！」
「良かった」
　ごきげんな食事を終えた後は、コーヒータイム。
　のんびり適当なことをしゃべっていると、つけっぱなしのTVから天気予報が流れてきました。
「今日は夏日の晴天ですって」
　二人の住むアパートと寝子ヶ浜海岸は目と鼻の先でした。

　食器を片付けた後、朝衣は部屋でビキニの上にウェットスーツを着て、手入れだけは欠かさなかったサーフボードを抱えます。
「準備OKよ」　
「よし、行こう」
　アパートを出てちょっと行けば、もうそこは海！

　後はもう心行くまでサーフィンです。
　平日ですからほとんど貸し切り状態。
　いい波が来て、朝衣と遥人は波を存分に堪能しました。

「楽しかった……」
　気づけば夕暮れ。
　名残を惜しみながら、波打ち際で二人は夕焼けの美しさに見とれ、体を近づけます。
「ねえ、遥人」
「なんだい？」
　朝衣は黙って、遥人の唇に自分のそれを重ねました。

　胸の中で湧き上がる波は熱くうねり、サーフィン同様飽きることはありません。
　充実した一日の終わり。
　一緒の場所に帰れることが、たまらなく嬉しいのでした。

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