仲良くなりたい、その13 ＜オーバータイム特別版＞｜リアクション

仲良くなりたい、その13 ＜オーバータイム特別版＞

　綾辻綾花は、早川珪と朝から書店巡りデートを楽しんだ。
　本の袋を手に書店を出て、綾花は珪に微笑みを向けた。
「今日は、珪さんのお部屋で昼食作りますね。何か材料買っていきましょうか？」
「助かるよ。冷蔵庫に少しは食材があるから、あるものでいいんじゃないかな？」
　高校時代、教師と生徒の関係だった時には決して聞けなかった言葉を、恋人になった珪は言ってくれる。
　
「お邪魔します」
　勝手知ったる珪の家で、綾花は手洗いを済ませキッチンに立つ。
「手伝うよ」
　そう言って珪は隣に立ってくれる。
　それがとても嬉しい。
「パスタがありますね……それじゃ、簡単だけどこれにしましょうか」
「ああ。ベーコンも玉ねぎもあるから」
　野菜を洗い始める珪。

　鍋に水を入れながら、綾花は話す。
「今日買った猫の本、読むのが楽しみです」
「そうだね。僕の買った小説もかなり面白そうだから、仕事を済ませてから読もうと思うよ」
「あとで感想教えてくださいね。あ、珪さんざるを取ってもらえますか」
「ああ」
　そんな話をしながら、二人は楽しくお料理をするのだった。

「ところで、次のデートはどこに行きましょうか」
「そうだね。綾花さんはどこへ行きたい？」
「私は……」
　お湯が沸くのを見ながら、二人の想いも温まっていく。

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