アンラッキー・ランドを攻略せよ｜リアクション

アンラッキー・ランドを攻略せよ

月原想花は、はっとして周りを見渡した。
　いつの間にか立っていたそこは、どうやら遊園地の噴水広場。全体的にやや寂れていて、にぎやかな印象はない。
　どうやら、妙な噂のせいで、倒産寸前の遊園地らしい。
（あぁ、そういうことか）
　つまり想花はどうやら、その倒産寸前の遊園地を救うというミッションを課せられたらしい。
　遊園地の噂を調査せよ、なんていう幻聴が聞こえたような。
「ここから一番近いのは……うっ」
　すでに見えた。
　呪のホラーハウスである。最初に一番ヤバそうなところから回ってみた方が後々楽だろうし、ここで恐怖に対する耐性（？）をつけておけば、やはり後々楽ができる。
「ここより怖いものはない。メリーゴーランドは別れさせるだけだし、ジェットコースターはしばらく降りられないだけだし。ここさえ終われば」
　意を決して、ミラーハウスへ。
「ひっ」
　入って最初に視界に映ったのは自分の姿だった。
「な、なんだ。驚いた。……ていうか」
　自分の姿はまさに『ヘタレでビビりなぼく』である。
「うん。予想通り。それより、奥まで行かないと」
　ぶるぶる震える膝を押さえつつ、鏡の世界を自分の足で歩く。
　その途中、肩を触られたり。
「ひぎゃっ！」
　鏡に血の手形がついたり、
「ひうあい！？」
　よろけた拍子に尻もちをついてしまい、鏡に映った自分がニヤニヤ笑っていることに気づいて鳥肌が立った。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ」
　立ち上がって走り出す。鏡の迷宮を奥まで駆け抜ける。
「ドヘタレですみません！　ビビりでごめんなさいっ」
　奥まで走って、鏡に手をつく。
「はぁはぁ、あれ、何しに来たんだっけ」
　と、見ると指に何やら紙が触れた。
「ん……？」
　想花が手をついた鏡には堂々とお札が貼られていたのだ。奥まった隙間にあるので、普通の客はわからないだろう。
　想花は不思議と冷静になった。
「これは……一体なんだろう？」
　見るとかなり古いもので『封』の文字が書かれていた。
「呪いのミラーハウスに関係あるかも知れない」
　スマホでそれを撮影し、ジェットコースターへ向かった。
　その途中で過去に起こったジェットコースター事故の資料が何故かポケットに入っていて、見てみると。
「これは……」
　ひとまずジェットコースターへ乗車する。コースターから見える景色は遊園地を見渡せるようになっているのだろうか。
　想花はジェットコースターのレールを指でなぞる。
「もしかすると」
　ひとまずジェットコースターへ乗車したのだが。
　想花は永遠のジェットコースターから解放されたところで肩で息をしていた。
　「ガチで怖かった」
しかも本当に永遠に続いたような。それだけで魂がゴリゴリに削られた。もうダメだ、足がフラフラ、まともに立ってられない。
　しかし、噂の元凶は掴めた。
「あの、お客さん、大丈夫ですか？」
　ジェットコースターのスタッフが声をかけてきたので、
「ミラーハウスとジェットコースターの噂なんですけど」
「え？」
「ミラーハウス上で脱線したジェットコースターで怪我をしたお客さんから血がたれて、ミラーハウスの屋根にシミを作ってました。あれを掃除して落とせば、怪奇現象はなくなるかと」
　ジェットコースターがループするタイミングがあのミラーハウスハウスの上だった。

　寝子島に戻された想花が聞いた噂。
　本土にかなり大人気の遊園地があるらしい。そこは改装後に人気が爆発したとかしないとか。

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