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葬儀屋がやってきた
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★あやかしと猫
響 タルト
は軽快に霊界の中を歩く。
三毛谷 道哉
ものんびりと歩いていて、葬儀屋もそれに習って歩いていた。
「葬儀屋さん、写真とかない? 若いころとは変わってるだろうけど……」
「ええ、ございます」
タルトの言葉に、葬儀屋は写真を取り出す。スーツ姿で厳格な様子の男が写っていた。
「うわ、すごく……なんかこう、エラい人っぽそう」
「ひとつの会社の社長さんでしたからね。若手が後を継ぐとなると、すぐお辞めになってしまわれたようですが」
それでも常にお忙しいご様子で、寝子島に帰郷することは叶わなかったそうです、と葬儀屋は続ける。
「そりゃあ、大変だったろう」
ふむ、と、道哉は続けて、羽場氏の人となりを聞く。
人間が苦手、人間嫌い。でも、会社をおこして、運営して、社員の面倒を見る程度には人のことは考えられる。
「不器用な人だったんだね」
「……ええ、きっと」
葬儀屋は曖昧に笑う。
「生前、私にこれを託してくださるくらいには――信用されていたらよかったのですが」
「されていたに違いないよ。すごく大切な言葉を届ける役割なのだから」
そうだといいですね、と葬儀屋はさみしげに目を伏せた。
タルトは、その様子に、ふぅん、とちょっとの好奇心と、思い出話しを聞きたくて、声をかける。
「僕、そーいう葬儀屋さんにも興味あるな。霊界も寝子島も初めてなのに、よく信じてここまで来る気になったね?」
「うーん、流石に一個の会社を運営されている方がおっしゃっていることですから、カタチだけでも義理は通さないと当社としては信用問題が……」
「ええ……思ったよりビジネスライクな事情だった……」
「なんていうのは冗談で。不器用な人ですが、悪い人じゃなかった。なんだかんだ、面倒見が良い。そんな人が、昔はフシギなところで遊んでいた……なんて話。信じてみたいじゃないですか」
そう言う葬儀屋の目には、悲しみの色はなく、ただ、何かを懐かしむ色があった。
「……ふーん! 葬儀屋さんのこと、ちょっと分かったかも! あと羽場さんのこともね!」
タルトは上機嫌に進んでいく。
何か変なことを言っただろうか、と頬をかく葬儀屋に、道哉は微笑んだ。
「それじゃあ、私は付喪神ねっとわーくでも使おうかな。天狗はもう会ったのだよね?」
「ええ。月原さんという方に、お世話になりまして……」
「おーい旦那ぁー、そうしたら座敷わらしの方を剛鉄と探すぞー!」
疾風丸の声によろしく頼むよ、と穏やかな声をかけると、付喪神と天狗は駆けていった。
「よし。こっちは猫の集会の方にお邪魔しようか」
「僕も行く~! 葬儀屋さんも行ってみよう!」
「え、猫の集会!? は、はい!」
いったいぜんたいどんなところなんだろう、葬儀屋は疑問に思いながらついていく。
――猫の集会、そこに、まさに猫又は居た。
「正太郎……そうかぁ……」
しみじみとした様子で猫又はつぶやく。
「羽場さん、こっちに幽霊として来たりとかしないのかな」
タルトの言葉に、どうだろう、と猫又は言う。
「来てくれたら嬉しいけれども……島の外で死んじゃったんだよね? どうなるんだろうなぁ……」
さみしげに目線を落とす猫又は、尻尾をしんなりと地面に落としている。
「ねえ、葬儀屋さん。正太郎は、いろんな人に悲しんでもらえてるかい?」
「……ええ。葬儀には、たくさんの方が参列しました」
「だったら、霊界に来ずにそのまま成仏しちゃってるかもね! 正太郎のことだもん、そのあたりは潔いから!」
無理に笑ってみせる猫又の背を、タルトはそっと撫でてやった。
★それでも満開の笑顔で
「正太郎さんについて、ご報告のほど、ありがとうございます。皆さん」
ぺこりと丁寧に頭を下げる座敷わらしは、そう言いながら、目にいっぱいの涙をためていた。
「……」
想花はその様子を見て、眉を下げる。人……というか、あやかしだけど、こういうところは人間とまったく変わりがない。
誰かが居なくなったら悲しいし、そのことを惜しむ気持ちもある。
伊吹もまた、静かに座敷わらしを見ていた。
自分に万一があれば、さっきの葬儀屋や、今の座敷わらしのように怒ったり、悲しんだりしてくれるのだろうか――。
「それでね、伝えたいことがあるんだ。それは……葬儀屋さんから」
道哉の穏やかな声が響き渡る。
タルトも控えながら、葬儀屋が前に進むのを見る。
――正太郎か!? あいつ、死んじまったのかぁ……人間の寿命は短いなぁ……!
――『出会ってくれてありがとう』、とあの方は伝えたいと申し上げておりました。
――カカカ! あいつ、それなら直接言えばよかったのによぉ! ……本当に、不器用なヤツ……。
――正太郎、死んじゃったかぁ……。
――『出会ってくれてありがとう』、とあの方は伝えたいと申し上げておりました。
――あの子か? まったくもう、死ぬ前に一度ここに来てくれればよかったのに。もう一度、驚かさせてくれたっていいじゃない……。
――正太郎……そうかぁ……。
――『出会ってくれてありがとう』、とあの方は伝えたいと申し上げておりました。
――まったく、死ぬまでずっと放っておけないんだから! でも、立派な子になったんだね……。
「――『出会ってくれてありがとう』、とあの方は伝えたいと申し上げておりました」
「……っ」
座敷わらしは、とうとう涙をこぼして――それでも、笑顔で居た。
「……はい! それは、こちらこそ! です!」
――故人のことは、断片しか伺えない。
そういうものだ、特に、赤の他人の死、なんていうものは、どこか、遠いものだから。
あやかし達は、全員に礼を言った。
或いは、なりゆきで手伝っただけだけども、その言葉をありがたく頂戴した。
或いは、その言葉はもったいない言葉だと思った。
或いは、素直に受け取って、その言葉にこちらからも感謝した。
或いは、穏やかに魂が逝けるように、帽子を少し目深に被った。
「あ――」
座敷わらしが空を見上げる。霊界のくらい中を、一筋の流星が走る。
「はぁー、顔出しくらいしろってんだ」
天狗は、木の上であぐらをかいている。
「あんたほど、驚かし甲斐のあるモンはいなかったよ」
ろくろ首は、公園で奇術の道具を改めている。
「手がかかるんだから。座敷わらしに感謝してよねぇ」
猫又は、集会の中でのんびりと伸びをする。
「……私、あの人に、言ったんです。外で、広い世界を見たら、きっと人間のことも好きになれるよって――」
あの人は、そうなれていましたか――?
その言葉に、その場の全員は、葬儀屋を見て。
――ええ、私がこの言葉を届けられていることこそが、その証です。
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あとがき
担当マスター:
tk
ファンレターはマスターページから!
この度はご参加ありがとうございました!
無事に大切な言葉を届けることができました。
しっとりとしたお話となりました、また是非に、葬儀屋と会えれば。
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tk
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月26日
参加申し込みの期限
2024年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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