【星幽塔】第八階層　星の森のキャンプモニター☆｜リアクション

【星幽塔】第八階層　星の森のキャンプモニター☆

　修は狩人の光を込めた短弓を手に、あおいと共に川に向かいました。

「水音が聞こえてくるな……川だ！」
　持ってきたビーチボールを膨らませる間、あおいは川を覗いて声を上げました。
「修君、魚が泳いでる！」
「よし、川に入ろうか」
　浅瀬で、水の流れが緩やかな場所を選び、修は念のため水に手を入れてみました。
　あおいが尋ねます。
「冷たい？」
「どうかな……それっ！」
　修は水をすくい、あおいの手にかけました。
「あっ、冷たい！」
　今度はあおいが修に水をかけ返しました。
　靴下を脱いで水に入った二人は、水をかけあってはしゃいだり、ビーチバレーを楽しんだりしました。

「そうだ、魚を獲ろう」
　石で囲いを作り、網を沈めて修が魚を追い込みます。
「あおい、行ったぞ！」
「任せて！」
　沈めておいた網をあおいが持ち上げる連携プレーで、見事魚を捕まえることができたのでした。
　しかし。
「……あおい、クマだ！　後ろに隠れて！」
　魚を見つけたホシグマが襲撃してきたのです。
「グガー！」
　修はホシグマから視線を外さず、荷物を手繰り寄せ弓を取りました。
　あおいを背に庇い、弓を引き絞ります。
「修くん、私も加勢するよ！」
「よし、一緒に戦おう！」
　あおいの手の甲が光り、つむじ風が巻き起こりました。
　ホシグマがそちらに気を取られている隙に。
「そこだ！」
　放たれた修の矢が、ホシグマの首の星の形の白い部分に見事に突き刺さりました。
「グアッ……！」
　ホシグマを仕留めたところに、ティオレや柚春、綾花たちが到着したのでした。

「一発で仕留めたのかい。血抜きしてバーベキューにしようかね」
　ティオレが言いました。
「食べられるならそうしたいな。解体しよう」
　修はナイフでホシグマを解体し、血抜きして川に沈め冷却したのでした。
「オーナーに買い取ってもらっても良いし明日のご飯にまわしても良いね」
　参考書を読んでいる時とは別人のように、逞しく語る修でした。
「クマはどっちから出てきたんだい？」
　ティオレは危険になりそうな場所を記録にとり地図に記載します。
「魚釣りではどんな魚が釣れるのかといった情報は開示したほうがいいだろうね」
「それにしても暑いな。いっちょ泳いで涼むとするか」
　川の中の危険個所のチェックを兼ねて、ティオレは泳ぎ始めました。

「ハーブ、いいのがあったよ！　魚も肉も両方合わせられるね」
「それは楽しみだねぇ」
　見かけは普通のハーブと変わっていても、柚春は香りでハーブを見分けていました。
「……夜も楽しみだね？　今夜は寝かさないから、覚悟してね」
　キャンプファイヤーや天体観測を楽しみにしながら、柚春は無自覚に危険な台詞を口にします。
「……そういうところだよぉ」
「え？　何が」
　きょとんとする柚春に、ウォルターは肩をすくめながら立ち上がるのでした。
「そろそろお腹がすいてきたねぇ」

　森や川で得た食料も加えて、みんなで飯盒炊爨やバーベキューをしました。
「いい感じに一日中動き回ったから、いくらでも腹に入るね」
　ティオレはドラゴンの肉を頬張ります。
「水星トウモロコシや蟹もいい味してる」　
「魚も美味しい！」
　あおいの言葉に、二人で協力した漁や狩りを思い出す修でした。

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