エメラルドグリーンの海で｜リアクション

エメラルドグリーンの海で

「メリィちゃん見てください！　海が！　エメラルドグリーンです！」
「すごーい！　美味しそうな海ー！」
「メロンソーダみたいですねー！」

　メリィ・ランページとリリエル・エーテライトの２人は宝石のように輝くエメラルドの海に大興奮。
　普段見える青色の海と違うからか、メロンソーダに見えると言った感想が飛び出すほど。
　水着に着替えた２人は早速、エメラルドの海へとばしゃばしゃ駆け寄っていった。

「わっ！」

　駆け寄った際に波が生まれると、エメラルドの海はその輝きを一層強めていく。
　刺激を与えられると海は太陽からの輝きを目一杯跳ね返し、宝石のエメラルドのような輝きを放つようだ。
　それに気づいたリリエルは何かをひらめいたようで、両手いっぱいに水を掬うとメリィに向けて水をふっかけた。

「えーいっ！」
「わっ、やったなー！　おかえしだー！」
「きゃっ！　メリィちゃんやりましたねー！」
「わーっ！」

　唐突に始まった水かけ合戦。メリィもリリエルも両手いっぱいに水を掬って、相手にかけてを繰り返す。
　空に持ち上げられればエメラルドグリーンの海水は本物のエメラルドのように輝きながら、ぱしゃん、と相手の肌に当たって弾けていく。
　あまりにも暑いため、むしろその冷たさが心地よい。身体の熱を少しずつ吸い取って、どんどん冷やしていった。

　だけど、しばらく水かけ合戦をしていれば体力は減っていくもの。
　何回か繰り返したところで、リリエルがストップをかけた。というのも、自分のお腹が少しだけ鳴ったような気がしたからだ。

「はしゃぎすぎたら、お腹空いてきちゃいましたね」
「屋台もあるし、行ってみる？」

　ビーチの方では寝子島の商魂たくましい人々がいろいろな屋台を出店しており、食事に困らないようにしてくれている。
　そのためリリエルはそれならと、２人で一緒に食べようとメリィに手を差し伸べてビーチへと上がった。

　ショップにはエメラルドグリーンをモチーフにした食事がいくつか並んでおり、それらを片手に海を楽しむ人々が溢れかえっている。
　……が、その中には異質なエメラルドグリーンの焼きそばなるものが存在しており、メリィ達も首を傾げていた。

「緑色の焼きそば……これだけ、異彩を放ってる気がしますね」

　本来ソースで茶色なはずの焼きそばが、エメラルドグリーンに輝いている。ただそれだけで人々を萎縮させる威圧を放っており、数多の人々が挑戦しようかどうか悩んでいた。
　だが、メリィは折角だからと焼きそばを購入。リリエルが購入したパフェとの交換の約束を取り付けて、まずは一口。

「……！！！！」

　その一口は、形容するには難しい。いや、美味しいと言えば美味しいのだが、何処からその美味しさが出てるのかが余計わからない。
　普通のソース焼きそばを食べたときと変わらず、でも色が緑色で、頭の中が余計に混乱してしまうほど。
　リリエルも一口食べさせてもらったのだが、背景に宇宙の海が現れるようになっていく。見た目と味の落差がすごいのだ。

「でも、なんだか食べてたら元気になってきたかも」
「確かに……食べ終わったら、泳ぎの競争でもしませんか？」
「いいよ！　泳ぎの競争なら負けないぞー！」

　食事を終わらせて一休みを入れて、またエメラルドの海へと走り出したメリィとリリエル。
　遠泳勝負の行方は……２人だけの秘密である。

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