煌めきの星に願うこと｜リアクション

煌めきの星に願うこと

　九夜山への道すがら、人々を乗せたロープウェイが静かに上がっていく。
　普通に歩けば勾配のある道のため、大半の人々はこのロープウェイを使って頂上へと向かう。
　体力がない人、足腰が弱い人などに向けて作られたロープウェイは、煌めきの星を見るための人々で溢れていた。

　そんな中、有沢茉奈と閑野カノンは揃って列に並んでまだか、まだかと待ち続ける。
　沢山の人を乗せているせいか列が長く続いており、後ろにもずらりと並んでいるのがわかる。
　けれど、誰もが煌めきの星を見たいのだ。人によって見える色が違うという、その星を。

「あれっ、茉奈！」
「ん？？」

　そんな２人に向けて声をかけてきたのは、水上桜。
　彼氏である滝沢匠と一緒に煌めきの星を見に来ており、ロープウェイに乗ろうとしていたら列の少し前に茉奈を見つけたようだ。
　茉奈は少し後ろに下がって２人と同じ列に並び目的を聞くと、やはり桜達も九夜山の頂上を目的としていた。あの噂が本当かどうかを見に行きたい、と。

「じゃあ、頂上まで一緒に行こっか。ダブルデートってことで」
「いいわよ。色々と話したいこともあるだろうしね」

　そうして喋っていると、人がぎゅうぎゅうに詰められたロープウェイに乗り込んで、頂上へと向かう４人。
　窓から眺めるだけでも十分な輝きが見えているが、ここからでは煌めきの星は見えないようだ。
　その間にも星の形を探したり、煌めきの星のように輝く一等星を指差してみたりと楽しんでいた。

　そして頂上へと到着すれば、望遠鏡の貸し出しがあったのでそれを借りる。
　頂上まで一緒に、という約束だったので望遠鏡を借りたあとは茉奈と桜それぞれで分かれて場所を探し、星空を眺めていた。
　もちろん、出店のフードとドリンクを購入することを忘れずに。

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