煌めきの星に願うこと｜リアクション

煌めきの星に願うこと

　煌めきの星が人々の願いを聞いている頃。
　綾辻綾花は早川珪と共に屋台のメニューを選んでいた。
　この一大イベントに乗じて開かれた出店。星空を眺めるイベント故に、並んでいるメニューも煌めきの星にちなんだものばかりが並んでいた。

「どのメニューもキラキラ輝いてますね」
「凄いよね。星が手元にあるみたいだ」

　食用ラメが使われた様々なフードやドリンクは色んな人に購入されているようで、綾花もどれを買おうかと悩んでいた。
　珪に何を買うかを聞いてみたりして、何を買うか決めた綾花。購入したものを片手に、次は場所を決めていく。
　と言っても、開けた場所は大体他の人が取っているので、人のいない小さなスペースを借りて２人でブランケットを掛け、星を眺める。

　冷めないうちに購入したフードを食べて、星の図鑑を一緒に見ながら空を眺める２人。
　やがて空には煌めきの星が光を放ち、２人を、そしていろんな人の目に色を届けた。

「わ。願い事、願い事……」

　見えた色によって叶う願いは違う。
　綾花の見えた色は、ピンク色。恋愛や結婚に関する願いが叶うと言われており、もちろん綾花が願ったのは隣にいる人との未来がより良いものになることだった。

「星、何色に見えたのかな？」

　珪の問いかけに対し、ちょっとだけ目を見開いた綾花。
　答えようか、答えまいかと悩んだが、やっぱりこの願いだけはどうしても知っていてほしかったので、少しだけ照れながらも答えた。

「ピンク色に見えました。願いはやっぱり、珪さんとの未来……です」

　これから先、先生と生徒という立場から切り替わる２人の未来。
　いつまでもこの関係が幸せなものであることを、綾花は願い続ける。

　何処かで別れが来たとしても、また同じように出会えますように。

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