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【Rhapsodie de Moi et la Titanette】
「……もれいび、じゃないな」
八神 修
は、目を覚ましてすぐに己の身に起こった変化を悟った。外見は何も変わっている様子はない。だが、
「ふむ」
今は、脳内が何かを響かせるように、己が出来る事が分かる――代わりにろっこんが使える気がしない。
試しに芝生のある庭に出て、地面をつま先で蹴る。すると、ふわりと風に支えられるようにその身は中空に浮いた。
僅かな日常とは違う驚きと不思議な納得。修はゆっくりと地面に降りると、今度はいつも愛犬と遊んでいるボールに向けて指先で指し示し、ついと動かせばそちらもポーンと軽く跳ね浮いた。
「うん、これは……楽しいね」
しばらく自分に出来る事をして、修にはそれに該当する存在が『天狗』に近しいものである事だと自覚するまで、さしたる時間は掛からなかった。
とはいえ――緊急時でもない今に於いて、この能力を使って何かしたい、という計画は、修には驚く程にすっからかんだ。
それならば、サイクリングバイクに乗って、星ヶ丘を降りてシーサイドタウンまでぶらり旅――もとい、ぶらり散歩。
余裕で受験を終わらせたとはいえ、吹き付けて切る風の感覚と暖かな日差しは、ようやく長かった修の肩の重荷を降ろしてくれた様な気がしたのだから。
日差しはどこまでも心地よい。
修が一度、サイクリングバイクを止めた先。ふと遠くシーサイドタウンのアウトレットモールの入り口付近に見える店先で、偶然、頭にかるく帽子を被って髪型を変えていても十分すぎるほどに見覚えのある後ろ姿が見えた。
「あれは、あおい――」
「あうぅ……どうしよう、これじゃあ……」
声が届く距離ではないが、修には確かにその存在が呟くのを聞いた気がした。場所はクッションやぬいぐるみを扱う店の前。
七夜 あおい
――大切な人が困っているのを見過ごすわけにはいかない。修は自転車を置くと、あおいにそっと声を掛けた。
「こんにちは、あおい。どうかしたのか?」
「ひゃあ! しゅ、修君!? こんにちはっ、だ、大丈夫だよ、うんっ」
修は、あおいがとっさに後ろ手に隠した物を一旦見て見ぬふりをして、きちんと相手に向き直る。
「――困っているなら、力になりたい。あおい、良かったら話してくれないか」
真摯なまでに真摯な修の様子に、見るからに挙動不信であったあおいが困ったように小さくうなりながら、そっと背中に隠していた小さなぬいぐるみを差し出した――正確には『ぬいぐるみだったもの』かもしれない。
それは哀れにもぺちゃんこだった。ウレタン製にもかかわらず――
「あのね、朝から力の加減が出来なくて……鏡を見たら頭から小さな角が生えていて――こっそり隠して、お買い物に来たんだけれども……」
そう告げて、帽子を取ったあおいの額にはちょんと可愛らしい2つの角が。
「そうか、それで髪型が」
「うん……それに、このぬいぐるみも今さっき、可愛いなって思って軽く握っただけなのに……」
「ふむ――」
修は、思考しながら状況を整理する。
考えられる範囲、今寝子島では恐らく大規模な神魂による影響現象が起きている。自分と同じように、あおいは恐らく鬼の類となって常時怪力状態となっている可能性が浮上した。
それならば、
「あおいは、普段ろっこんの力加減はどうやってる感じ? それを元に練習してみないか? ――実は俺も、多分あおいと同じように変化していて、ろっこんが使えない。代わりの力に慣れが必要だなと思っていてね」
「修君も!? うんっ!」
しょんぼりしていたあおいの瞳に僅かな輝きが宿る。こういう事象に置かれて一人ではないという事は、とても大事であり心強いものなのだ。
さっそく、こちらの提案を快諾したあおいと共に話し合う。そして、少し歩いた先にあるスーパーで蜜柑を食べ切れる程度の数買い込んで、二人は近くのベンチで一緒に皮むきの練習を始める事にした。
これならば力加減の練習が出来、よほど無惨なことにならなければ息抜き用のオヤツにもなる。一石二鳥だ。
「わたあめに触るように、触るように――出来たよ、修君っ!」
修は手を触れずに剥く練習、あおいは力加減の練習。修は器用に努力しつつも一度で成功させ、あおいは二個ほど蜜柑をスプラッタにしてしまいつつも、三個目で何とか綺麗に皮を剥く事に成功した。
――そうして二人で食べる蜜柑は美味しい。
「そういえば、さっき生えていたあおいの角も可愛かったな」
「え、ええっ! そうかな……っ。桜花寮の友達からは『コスプレ?』って聞かれちゃって凄く困っちゃった」
「それだけ似合っていたという事だと思う。うん、凄く可愛いよ」
事実、あおいの角はとてもキュートなものだ。微笑んで修が褒めれば、あおいは恥ずかしさから顔を赤くして、プシュウと気の抜けた音を立てるように思考をショートさせた。
楽しい時間はあっという間。気がつけば、空の色は薄っすらとした透き通ったオレンジ色に染まっていた。
「綺麗だな……あおい、一緒に空の散歩に行かないか? 今の力で俺の背中におんぶすれば、落ちずに捕まってられるだろう?」
「う、うん。今の力なら……でも、いいの? 修君重くないかな?」
「重いはずがないだろう? よし、それじゃあ行こう!」
あおいを背に背負い、修はゆっくりと空へと浮かび上がり、怖がらせる事のないよう安定を第一に、その高度を上げていく。
空が拓けた。
「わぁ……!」
あおいから歓声が上がる。
とても綺麗な夕焼け小焼け。自分たちの寝子島を普段は見られない上から見つめる世界がそこにはあった。
「凄い、凄いねっ。修君!」
「ああ、空が飛べるろっこん持ちの人の世界が分かるな――お、学校の屋上に誰かいるよ」
「本当だ、誰だろう? あ、ねこでん!」
「よし、しっかり掴まっててくれ。追いかけてみよう!」
まるで、その世界は新しいおもちゃ箱――もしくは宝石箱のようにきらきらしていて。
「これもあおいの力がしっかりあるからだな。そうじゃなければ危険で誘えなかった」
「うんっ、悪い事だけじゃないって分かって良かったかも。修君とこんな景色が見られるなら、良かった」
背中越しに、あおいが嬉しそうに微笑んでいるのが伝わってくる。それだけでも、修には生きている価値があると思えて、恐らくは今日限定であろうこの能力にも感謝した。
「あおい、どこか行きたいところはあるか?」
「それじゃあ……」
今なら――どこへでも、どこまでも、飛べる。
間違いない、これならば。否、これからも、
きっと愛しい人と共に、どこまでも行ける――
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担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月04日
参加申し込みの期限
2024年05月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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