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手作りお人形マーケット!
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【幸福の予兆】
今、周囲は柔らかな雰囲気を醸し出すあみぐるみと、肌触りの良いぬいぐるみが取り巻くコーナー。
白石 妙子
は通路をゆっくりと歩きながら、その温かさに僅か目を細めて辺りを見回していた。
「……可愛い……」
ひとつひとつ、妙子は丁寧かつじっくりとブースを見ていく。そのどれもが愛くるしい。
過去――妙子は人形に憧れて、人形作りの本を買ってみた事もある程の人形好きだ。しかし、そこに己の不器用さが邪魔して、布やパーツを無駄にしてしまう事が、本を数ページ開いただけで分かってしまった。
もう、そうなってしまえば、妙子に出来るのは作ることを想像して楽しむことくらい。
逆に言えば、それだけでも楽しめる程に人形が好きなのだ。
しかし、今ここに来ているのが自分ひとりきりであるのは、ほんの少し寂しいなとも感じる――主婦である妙子には、一人息子がいるが、ぬいぐるみを買ってあげたのも遠い昔。今はすくすくと成長して、元気にカプセルギアにはまる年頃だ。
可愛らしさに溢れる人形とは若干相容れないところもあるカプセルギアがメインでは、一緒に連れてきても楽しくないであろうと思い、今回は妙子一人で来たのだが、
「(本当は、女の子もいてくれたら良かったな……)」
息子の下に女の子がいたらもっと幸せになれそうなのに――しかし、その幸福な事象を想像するには、今度は妙子の年齢が邪魔をしてくる。
齢三十六、人としてはまだまだ若い女性だが、子供を授かるには少し難しくなってしまう年頃でもあるのだ。
「(これから下の子を産むのは無理そうだし……)」
ぽつりと心の内に呟けば、ついため息が溢れてしまう。
見渡せば、会場内には男性の姿もそれなりに見受けられる。それは妙子の目にも、趣味に本来男女の垣根が無いことを思わせてくれる光景だった。
「(男性もいるのね……確かにそういう時代ですものね。
……でも、うちの息子はそういうタイプじゃないし)」
思えば、今日はため息ばかりが溢れてしまう。
「いい年して、私が人形買ったりしたらおかしいかしら……
でも、見るだけなら――そうね、どの子も皆可愛くて……あら、この子は」
そう己の葛藤に折り合いをつけて、妙子はふと目についた、しっとりとしたシルクのような手触りの可愛い少女の人形を目にして、そちらに歩みを寄せた。
そっと許可をもらって触れてみる。見た目に違わぬ触り心地、そして、
『こんにちは、この雰囲気はお母様なのかしら? 初めまして』
シンプルだが、フリルが丁寧にあつらえられたその人形から、妙子の頭の中に木鈴を鳴らすような柔らかい声が響いた。
「あら、これは……」
自身がもれいびである妙子は直ぐにその状況を理解して人形に目を向ける。
すると、
『ふふ、今日はきっと特別な日ね。今日は、色々な人とお話をして遊んでるの。今一緒にいる小さな女の子は娘さんなのかしら?』
「えっ、私今日は一人で……」
妙子が不思議そうに首を傾げると、人形は納得したように続きを告げる。
『ああ、まだ体が途中なのかしら?
あのね、私、人の気配や生命力の光でしか物が見えないの。だからおなかの辺りからもう一人分光っていたから、もう一緒に歩いてきたんだってばかり思ってしまったわ』
「そ、それって……っ」
『気配的に、お母様がまたお母様になるのかしら? いいなぁ……よかったら連れて行ってほしいな。
ね、私、新しく来るその女の子と遊んでみたい。同じ時間を過ごしてみたいな。
お値段が高かったら、今いる作り手さんも私がお喋りしてるの知っているから値切ってもらうから』
「――! い、いえっ」
妙子が慌てて顔を上げれば、そこには何かしらの様子を理解しているかのように、売り手が柔らかく微笑んでいた。
「て、定価で大丈夫なので――こちら譲っていただけませんか?」
「はいっ、ちょっとおしゃまさんなので吃驚しましたが、大丈夫でしょうか?」
「ええ……是非連れて帰りたくなってしまって――大切にします」
作り手がその言葉に微笑んで、愛しそうに軽く人形の髪を撫でる。人形がくすぐったそうに笑い、妙子に言った。
『ありがとう。私、その子と一緒に遊んでもらえるの楽しみにしているわね』
自分の娘かもしれない女の子――それは、ずっと待ち焦がれていたものをもらったような気分。
妙子はその思いを、人形に込めて軽く抱き締め、一緒に帰途へと着く事にした。
その人形から聞こえた柔らかな木鈴の声と言葉が、妙子にとって新たな幸せ溢れる福音となることを願って――
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あとがき
担当マスター:
斗々
ファンレターはマスターページから!
この度は、最後までご覧いただきまして、有り難うございました。斗々と申します。
今回は、ハンドメイドに限定された人形の展示販売譲渡会との事で、寝子島スタジアムをお借りさせて頂きました。
ご参加くださいました皆様におかれましては、温かかったり面白かったりと、少しでも記念に残る素敵な1日となれば良いなと思いながらしたためさせていただいております。どうか、皆様の日常の片端にちょんとおいてやっていただけましたならば、この上ない幸いでございます。
それでは、この度はご参加とご閲覧のほど、本当に有り難うございました。またご縁をいただけましたら、どうか宜しくお願い致します!
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担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月30日
参加申し込みの期限
2023年12月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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