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- 00月00日生 00歳
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ガジェットレビュワーズ
パンダの興奮することしきり、ことに参加する女性陣を少々引かせるくらいの勢いではあったが、ともかく。
「ガジェットレビュワーズ！ 『試してチャレンジ！』のコーナ～～～！！」
シーサイドタウンに最近オープンした、屋内運動施設である。広々としたトラックに自転車競技用のパンプトラックコース、ボルダリングウォールなども備え、各種トレーニング機器を完備したジム施設も充実している。
そんな近代的施設で何をするのかと思えば、いささか前時代的テレビバラエティ的なミニゲームコーナーだ。
「今回のお題である、電動自転車『NYANてコンパクト』、マッサージガン『YURERUZE』を使ったチャレンジで、順位を競っていただきます。視聴者さん必見！ 今回はなんと～～～、あの人気グラドルなお二人も電撃参戦！ 見逃せないよ～～～！」
「……なんだか、話が大きくなってるような」
「ま、いいんじゃない？ せっかくだし楽しもうよ。いえ～い、みんな応援してね！」
集められた十数名の参加者たちの中に、スポーツウェア姿の佐和崎 紗月と初瀬川 理緒の姿があった。人見知りで引っ込み思案なところのある紗月は若干腰が引け気味だが、理緒はけろりとしてノリがよい。二人ともグラビアアイドルとして活動しているが、理緒のほうがいくらか先輩で、経験の差が出たか。能天気にカメラへ手を振る理緒の傍ら、ふう、はあと深く深呼吸を繰り返す紗月である。
パンダのカメラが参加者たちを舐めるように巡り、ぴたりと映像に映し出したのは落合 まゆらだ。こちらも薄手のシャツにぴったりとしたレギンス姿である。
「おっ、まゆらちゃん、今回もヨロシク！ 無人島サバイバルでは貝を食べてヒドイ目にあってたよね……あの後大丈夫だった？」
「大丈夫だったけど、悔しかったからリベンジに来ました！ 目指せ優勝っ！」
寝子島アニメーション学院声優科に通うまゆらがよく通る声で宣言すると、コメントがわっと盛り上がる。
前回の動画出演ではあまり良いところが見せられなかった。撮れ高はじゅうぶんだし美味しかったよとパンダは言ってくれたが、それで満足するまゆらではない。昨今、声優は顔出し仕事も多く声だけ出せればいいというわけにもいくまい。どんどん露出を増やしていかなければ。
意気込んで気合十分なまゆら、やる気満タンで準備体操に余念がない理緒。緊張が増し始まる前から過呼吸気味な紗月を含む挑戦者たちが、一斉にスタート位置に着く。
「それではいよいよチャレンジスタート！ 皆さんの奮闘に期待します……あっ、商品のアピールも忘れないでねー！」
カメラを構えたままパンダが片手を上げる。
各員それぞれに、まずは電動自転車へとまたがる。人数分の自転車は、メーカーがこのコラボ企画のために貸し出してくれたものだ。なんともありがたい話である。
「位置についてー、よーい！ スタートぉ！！」
パンプトラックを電動自転車が走り出す。動画映えを考えてか、幾人かはちりりとハンドルのベルを鳴らし、小気味よい音とともに各車は併走する。
電動自転車『NYANてコンパクト』は後輪を人の足でこぎ、前輪をモーターの力でアシストしてくれる。両輪駆動でパワフル、待ち受ける連続坂道ゾーンもなんのその。
まゆらはぐいぐいとペダルをこぎ、傾斜を乗り越えていく。
「優勝、するぞ～……！」
ところで今回のチャレンジのルールをおさらいすると、『屋内パンプトラックコースをNYANてコンパクトで走り、周回して汗をかきます。汗かき度が「MAX！」と判定されたら、次のゲームへ！』とある。
そう周回の速さを競うのではなく、あくまで『汗かき度』がMAXとならねばゴールには至れないのだ。よってまゆら含む、多くの参加者はこのアシスト機能を使用していなかった。
「ぐぐぐ。き、きつい！」
幸い、根性にはちょっと自信がある。
まゆらは声優志望としてここまで努力を積み重ねてきたが、先日ようやくにして、その突端を開くことができた。準大手ながら声優事務所への所属が決まったのだ。来年には寝子島を離れ、東京でまさしく声優の仕事と向き合うことになる。
決して平坦な道ではないだろう。つまづくことだってあるに違いない。そんな時に己を支えてくれるのはきっと、経験だ。まゆらの身体と心に刻まれるありとあらゆる経験が糧となり、折れそうな自分を支え、背中を押してくれるはず。
一動画配信者の決して多くはない視聴者相手だとしても、まゆらが手を抜くことはない。芽生え始めたプロ意識が、怠惰を許さないのだ。
ここでまゆらは満を持して、電動アシスト機能をオンにする。
「わ！ これはラクチン！ まるで自転車に羽が生えたみたい～！」
「おおー、まゆらちゃんいいコメント！ 視聴者の皆さん、聞きましたか？ 『NYANてコンパクト』はこんなにもパワフルで便利！ 乗り心地バツグン！」
「そうそう、普段の通勤通学やお買い物、お子さんの送り迎え、日々の暮らしのおともに『NYANてコンパクト』！！」
アニメチックボイスでＣＭよろしくアピールタイムまで設ける芸の細かさだ。
まゆらのかく汗は場内の明るい照明にきらきらと輝き、そしてちょっと透けたシャツの下に垣間見える淡いピンクに、コメント欄は爆撃のごとく文字が流れた。
「ガジェットレビュワーズ！ 『試してチャレンジ！』のコーナ～～～！！」
シーサイドタウンに最近オープンした、屋内運動施設である。広々としたトラックに自転車競技用のパンプトラックコース、ボルダリングウォールなども備え、各種トレーニング機器を完備したジム施設も充実している。
そんな近代的施設で何をするのかと思えば、いささか前時代的テレビバラエティ的なミニゲームコーナーだ。
「今回のお題である、電動自転車『NYANてコンパクト』、マッサージガン『YURERUZE』を使ったチャレンジで、順位を競っていただきます。視聴者さん必見！ 今回はなんと～～～、あの人気グラドルなお二人も電撃参戦！ 見逃せないよ～～～！」
「……なんだか、話が大きくなってるような」
「ま、いいんじゃない？ せっかくだし楽しもうよ。いえ～い、みんな応援してね！」
集められた十数名の参加者たちの中に、スポーツウェア姿の佐和崎 紗月と初瀬川 理緒の姿があった。人見知りで引っ込み思案なところのある紗月は若干腰が引け気味だが、理緒はけろりとしてノリがよい。二人ともグラビアアイドルとして活動しているが、理緒のほうがいくらか先輩で、経験の差が出たか。能天気にカメラへ手を振る理緒の傍ら、ふう、はあと深く深呼吸を繰り返す紗月である。
パンダのカメラが参加者たちを舐めるように巡り、ぴたりと映像に映し出したのは落合 まゆらだ。こちらも薄手のシャツにぴったりとしたレギンス姿である。
「おっ、まゆらちゃん、今回もヨロシク！ 無人島サバイバルでは貝を食べてヒドイ目にあってたよね……あの後大丈夫だった？」
「大丈夫だったけど、悔しかったからリベンジに来ました！ 目指せ優勝っ！」
寝子島アニメーション学院声優科に通うまゆらがよく通る声で宣言すると、コメントがわっと盛り上がる。
前回の動画出演ではあまり良いところが見せられなかった。撮れ高はじゅうぶんだし美味しかったよとパンダは言ってくれたが、それで満足するまゆらではない。昨今、声優は顔出し仕事も多く声だけ出せればいいというわけにもいくまい。どんどん露出を増やしていかなければ。
意気込んで気合十分なまゆら、やる気満タンで準備体操に余念がない理緒。緊張が増し始まる前から過呼吸気味な紗月を含む挑戦者たちが、一斉にスタート位置に着く。
「それではいよいよチャレンジスタート！ 皆さんの奮闘に期待します……あっ、商品のアピールも忘れないでねー！」
カメラを構えたままパンダが片手を上げる。
各員それぞれに、まずは電動自転車へとまたがる。人数分の自転車は、メーカーがこのコラボ企画のために貸し出してくれたものだ。なんともありがたい話である。
「位置についてー、よーい！ スタートぉ！！」
パンプトラックを電動自転車が走り出す。動画映えを考えてか、幾人かはちりりとハンドルのベルを鳴らし、小気味よい音とともに各車は併走する。
電動自転車『NYANてコンパクト』は後輪を人の足でこぎ、前輪をモーターの力でアシストしてくれる。両輪駆動でパワフル、待ち受ける連続坂道ゾーンもなんのその。
まゆらはぐいぐいとペダルをこぎ、傾斜を乗り越えていく。
「優勝、するぞ～……！」
ところで今回のチャレンジのルールをおさらいすると、『屋内パンプトラックコースをNYANてコンパクトで走り、周回して汗をかきます。汗かき度が「MAX！」と判定されたら、次のゲームへ！』とある。
そう周回の速さを競うのではなく、あくまで『汗かき度』がMAXとならねばゴールには至れないのだ。よってまゆら含む、多くの参加者はこのアシスト機能を使用していなかった。
「ぐぐぐ。き、きつい！」
幸い、根性にはちょっと自信がある。
まゆらは声優志望としてここまで努力を積み重ねてきたが、先日ようやくにして、その突端を開くことができた。準大手ながら声優事務所への所属が決まったのだ。来年には寝子島を離れ、東京でまさしく声優の仕事と向き合うことになる。
決して平坦な道ではないだろう。つまづくことだってあるに違いない。そんな時に己を支えてくれるのはきっと、経験だ。まゆらの身体と心に刻まれるありとあらゆる経験が糧となり、折れそうな自分を支え、背中を押してくれるはず。
一動画配信者の決して多くはない視聴者相手だとしても、まゆらが手を抜くことはない。芽生え始めたプロ意識が、怠惰を許さないのだ。
ここでまゆらは満を持して、電動アシスト機能をオンにする。
「わ！ これはラクチン！ まるで自転車に羽が生えたみたい～！」
「おおー、まゆらちゃんいいコメント！ 視聴者の皆さん、聞きましたか？ 『NYANてコンパクト』はこんなにもパワフルで便利！ 乗り心地バツグン！」
「そうそう、普段の通勤通学やお買い物、お子さんの送り迎え、日々の暮らしのおともに『NYANてコンパクト』！！」
アニメチックボイスでＣＭよろしくアピールタイムまで設ける芸の細かさだ。
まゆらのかく汗は場内の明るい照明にきらきらと輝き、そしてちょっと透けたシャツの下に垣間見える淡いピンクに、コメント欄は爆撃のごとく文字が流れた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年02月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年02月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年02月08日 11時00分
