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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
私があなたであなたが彼で？
〇柚春←→メアリ
寝子高２年の稲積 柚春は、大好きなウォルター・B先生の家を訪ねていました。
「こんにちは、メアリさん」
「まあ柚春様、こんにちは」
出迎えたのはブラックウッド家の老メイド、メアリ・エヴァンズ。
「今日はメアリさんに体育祭の時の写真を届けに来ました」
「まあ、ありがとうございます。どうぞお入りになってください。ウォルター様はお部屋でお仕事中ですが、お呼びしましょう」
嬉しそうに言うメアリに、柚春は少し迷って言いました。
「いえ、ウォルターさんのお仕事の邪魔をしたくないので、声はかけなくていいんです。でもメアリさんと一緒に写真を見たいので、お邪魔してもいいですか」
「そうですか、それではどうぞ」
応接室に通された柚春はソファに座り、さっそく写真を取り出します。
お茶を淹れて戻ってきたメアリに嬉しそうに写真を見せました。
「これ、100メートル走の時のウォルターさんです」
「まあ」
「この時のウォルターさんは格好良かったね」
「ええ、本当に」
「メアリさんの応援も熱が入ってて……また校外の人が呼べるイベントがあったら、お誘いさせてくださいね！」
「ありがとうございます。お呼びいただいて本当に嬉しかったです」
楽しくお喋りをしていた二人ですが、お茶を飲んで目を細めた一瞬後。
「えっ？」
「……これは？」
視界が微妙に変わり、二人は異変に気付きました。
「僕が目の前にいる？」
発したその声は、柚春のものではありませんでした。
「私の目の前にいるあなたは、まさか……」
目の前の自分が、戸惑った顔でこちらを見つめていて。
「……え、メアリさんなんですか？ じゃあ僕は今メアリさんなの？」
メアリの体になった柚春は、半信半疑で自分の顔を触り、手に触れる皺に愕然とします。
「ああ、神魂の影響ってやつかな……そのうち元に戻ると思います」
「そ、そうなのですか？」
あっさり気持ちを切り替えた柚春。
「せっかくだから今しかできないことをしようかな。代わりにお掃除とか手伝うとか……」
「とんでもない、柚春様にそんなことをしていただくなんて」
「うーん、でも疲れちゃうのはメアリさんの体だし、無理はしない方がいいのかな」
「むしろ私は、柚春様のお若い体でいろいろ仕事をしてみたいです。なんだか申し訳ない気もしますが」
嬉しそうに笑う自分の顔をしたメアリを、ちょっと複雑な気分で眺めながら、柚春はいいことを思いつきました。
「そうだ！ 今、ウォルターさんはお仕事で部屋にいるんだよね。だったら、僕がお茶を持って行ってもいい？」
「えっ？ ええ……」
「ふふ、気づいてくれるかな」
柚春は、ウォルターの部屋の前で深呼吸して、そっとノックをしました。
「はい」
ウォルターの声に、なるべく自然にと思いながら返事をします。
「ウォルター様、お茶をお持ちしました」
「ああ、どうぞ」
そっとドアを開けるとウォルターの後ろ姿。
「こちらに置いてよろしいですか」
ドキドキしながらしずしずと近づき、なるべく丁寧にお茶を給仕します。
（メアリさんにしか見せない表情が見られるかな。僕をどういう目で見ているのかわかるかな？）
ウォルターがけげんそうにこちらを見ました。
（え？ まさか気づかれた？）
「ありがとう。ところで、誰か来てるんじゃないのかい」
「……ええ、柚春様が体育祭の写真を持ってきてくださいました」
「そうか。それならそっちでお茶を飲もうかなぁ」
「そ、そうですか」
嬉しい反面、柚春は戸惑います。
（え、二人並んだらさすがにばれちゃうかな……でもむしろ、ばれなかったら？）
ウォルターさんは、柚春の姿をしたメアリさんに微笑みを向けるのでしょうか。
（それはそれで、なんだか……）
ウォルターの後ろをついていきながら、柚春は複雑な気分でした。
やがてウォルターは応接室のドアを開き。
「やあ」
次の瞬間。
（あれ？）
柚春はソファに座って、ウォルターの顔を見ていました。
「どうかしたの？」
こちらを見つめたウォルターの後ろからは、驚いた様子のメアリさんが現れて。
（元に、戻った？）
自然と柚春の顔に笑みが浮かびました。
「こんにちは、ウォルターさん。お邪魔してます」
（たぶんこの顔は、僕にしかできない顔）
たくさんのだいすきをこめて、柚春は笑うのでした。
寝子高２年の稲積 柚春は、大好きなウォルター・B先生の家を訪ねていました。
「こんにちは、メアリさん」
「まあ柚春様、こんにちは」
出迎えたのはブラックウッド家の老メイド、メアリ・エヴァンズ。
「今日はメアリさんに体育祭の時の写真を届けに来ました」
「まあ、ありがとうございます。どうぞお入りになってください。ウォルター様はお部屋でお仕事中ですが、お呼びしましょう」
嬉しそうに言うメアリに、柚春は少し迷って言いました。
「いえ、ウォルターさんのお仕事の邪魔をしたくないので、声はかけなくていいんです。でもメアリさんと一緒に写真を見たいので、お邪魔してもいいですか」
「そうですか、それではどうぞ」
応接室に通された柚春はソファに座り、さっそく写真を取り出します。
お茶を淹れて戻ってきたメアリに嬉しそうに写真を見せました。
「これ、100メートル走の時のウォルターさんです」
「まあ」
「この時のウォルターさんは格好良かったね」
「ええ、本当に」
「メアリさんの応援も熱が入ってて……また校外の人が呼べるイベントがあったら、お誘いさせてくださいね！」
「ありがとうございます。お呼びいただいて本当に嬉しかったです」
楽しくお喋りをしていた二人ですが、お茶を飲んで目を細めた一瞬後。
「えっ？」
「……これは？」
視界が微妙に変わり、二人は異変に気付きました。
「僕が目の前にいる？」
発したその声は、柚春のものではありませんでした。
「私の目の前にいるあなたは、まさか……」
目の前の自分が、戸惑った顔でこちらを見つめていて。
「……え、メアリさんなんですか？ じゃあ僕は今メアリさんなの？」
メアリの体になった柚春は、半信半疑で自分の顔を触り、手に触れる皺に愕然とします。
「ああ、神魂の影響ってやつかな……そのうち元に戻ると思います」
「そ、そうなのですか？」
あっさり気持ちを切り替えた柚春。
「せっかくだから今しかできないことをしようかな。代わりにお掃除とか手伝うとか……」
「とんでもない、柚春様にそんなことをしていただくなんて」
「うーん、でも疲れちゃうのはメアリさんの体だし、無理はしない方がいいのかな」
「むしろ私は、柚春様のお若い体でいろいろ仕事をしてみたいです。なんだか申し訳ない気もしますが」
嬉しそうに笑う自分の顔をしたメアリを、ちょっと複雑な気分で眺めながら、柚春はいいことを思いつきました。
「そうだ！ 今、ウォルターさんはお仕事で部屋にいるんだよね。だったら、僕がお茶を持って行ってもいい？」
「えっ？ ええ……」
「ふふ、気づいてくれるかな」
柚春は、ウォルターの部屋の前で深呼吸して、そっとノックをしました。
「はい」
ウォルターの声に、なるべく自然にと思いながら返事をします。
「ウォルター様、お茶をお持ちしました」
「ああ、どうぞ」
そっとドアを開けるとウォルターの後ろ姿。
「こちらに置いてよろしいですか」
ドキドキしながらしずしずと近づき、なるべく丁寧にお茶を給仕します。
（メアリさんにしか見せない表情が見られるかな。僕をどういう目で見ているのかわかるかな？）
ウォルターがけげんそうにこちらを見ました。
（え？ まさか気づかれた？）
「ありがとう。ところで、誰か来てるんじゃないのかい」
「……ええ、柚春様が体育祭の写真を持ってきてくださいました」
「そうか。それならそっちでお茶を飲もうかなぁ」
「そ、そうですか」
嬉しい反面、柚春は戸惑います。
（え、二人並んだらさすがにばれちゃうかな……でもむしろ、ばれなかったら？）
ウォルターさんは、柚春の姿をしたメアリさんに微笑みを向けるのでしょうか。
（それはそれで、なんだか……）
ウォルターの後ろをついていきながら、柚春は複雑な気分でした。
やがてウォルターは応接室のドアを開き。
「やあ」
次の瞬間。
（あれ？）
柚春はソファに座って、ウォルターの顔を見ていました。
「どうかしたの？」
こちらを見つめたウォルターの後ろからは、驚いた様子のメアリさんが現れて。
（元に、戻った？）
自然と柚春の顔に笑みが浮かびました。
「こんにちは、ウォルターさん。お邪魔してます」
（たぶんこの顔は、僕にしかできない顔）
たくさんのだいすきをこめて、柚春は笑うのでした。
あとがき
担当マスター：
茄子りんこ
ファンレターはマスターページから！
ご参加ありがとうございました。
様々な入れ替わり、楽しんで書かせていただきました。
今回は割と短時間で元に戻りましたが、たっぷり時間をかけての入れ替わりも面白そうですね。
またご縁がありましたら、ご参加お待ちしております。
様々な入れ替わり、楽しんで書かせていただきました。
今回は割と短時間で元に戻りましたが、たっぷり時間をかけての入れ替わりも面白そうですね。
またご縁がありましたら、ご参加お待ちしております。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2022年09月29日
- 参加申し込みの期限
-
- 2022年10月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2022年10月06日 11時00分
