遠足♪　小学生、遊びの森へ｜リアクション

遠足♪　小学生、遊びの森へ

　お昼。
　もっと遊びたい、と思いつつ集合した子供たちだが、用意されたバーベキューセットを見た途端、口の中によだれが湧いてきた。
「おなかすいたんだよだよー！」
　いっぱい遊んだ玲音も他の子供たちも、焼けるのを待ちかねて網の上の肉を見つめる。
　やがて美味しそうな香りが漂ってきた。
「まだ生だよ、焼けるまでもうちょっと待ってね」
　千恵が、箸を出そうとする子供たちを笑顔でなだめる。
「野菜焼けたよぉ、熱いから気をつけてなぁ」
　匂いがつかないようぬいぐるみをしまい込んだ瑠樹が、下の子たちの世話を焼く。
「もぐもぐ……おいしい！」
　食欲旺盛に玲音が肉を食べ。
「いっぱい遊んだ後のバーベキューはやっぱり最高だよね」
　さっきまでお姉ちゃんらしくしていた奏子だが、美味しそうな肉を前にもう妹の気分に戻っている。
「遊ぶのもお昼も遠足でみんなで一緒っていいよね」
　千恵はそう言いながらかんなに笑顔を向ける。
「……まあ、たまにはいいんじゃない、こういうのも」
　ちょっと照れたように、かんなが答えた。
「おいしくて普段よりも多く食べちゃった」
　奏子がお腹をさすった。

「食べ終わったら次はあっちだね」
　千恵たちは、カプギアスクールに向かった。
「……カプギアかあ。皆が盛り上がって気になってたけど、どうやるか知らないんだよね」
　つぶやく千恵に、かんなが意外そうな顔になる。
「そうなの？」
「私にもできるかな？」
　千恵の問いに、玲音が元気よく答えた。
「もちろんだよだよ！　カプギアはとーってもたのしいよ！」
「これはロボや変形するものなの……？」
「きほんてきにはそうだけど、いろんなタイプがあるよー！　かわいいのとか！」　
「そうなんだ、かわいいのいいかも」

「皆さん、こんにちは！　カプギアスクールへ、ようこそ！　私がカプギア仮面だ！　さっそくだがカプセルギアのデモンストレーションを見ていただこう！」　
　拍手と共に、子供たちの熱い声援が沸き起こる。　
　つきあいで見学する程度の気持ちでいた千恵ですが、ヒーローショーのような盛り上がりに思わず引き込まれていった。
（面白そうかも……後でお兄ちゃんに教えてあげよっと。共通の話題ができたら話がはずむよね）
「君たちのために練習用のカプギアを用意した。このスクールの中でしか使えないが、好みのカプギアを選んでくれたまえ」
「これにしようかな」
　千恵は猫っぽい可愛いカプセルギアを選ぶ。
　かんなはかっこいい女神タイプ、玲音は猫耳がついた少女タイプのカプギアを選んだ。
「まずはこのスイッチを入れて……名前を登録するんだよだよ！」
　玲音はかなりカプギアに詳しいようで、手取り足取り教えてくれる。
「こ、こう？」
　戸惑いつつも、千恵はだんだん面白くなって、思い切っていろいろやってみる。
「えーと、攻撃！　……こんな感じかな」
「そう！　じょうずだよだよ！」
「初めてにしては上出来ね」
　器用にカプセルギアを操作しながら、かんなが笑みを見せた。

　楽しい時間はあっという間に過ぎて。
「楽しかったよぉ、ありがとうなぁー！」
　瑠樹も奏子も、名残を惜しみながらバスに乗る。
「『プレニャーフォレスト』もまた来てみたいし。来年の遠足はどこになるかわからないけど、楽しみだねぇ！」
　そう言って、瑠樹は班の子たちに手を振った。

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