台風襲来！｜リアクション

台風襲来！

▲ボロアパートの修繕

「台風が寝子島を直撃か、まずいな……」
　大学生の京極花音は、ニュースを見て顔を曇らせた。
　今住んでいる旧市街のアパートは激安な家賃だけあって、築年数も年季の入ったオンボロだ。
「雨が降ればすぐに天井から雨漏りするし、風が吹けば今にも壊れそうに音を立てて揺れるし……このままじゃ危険だな」
　花音は大家さんに声をかけた。
「大家さん、台風が来るらしいんで家の補強をしたいんですが」
「そりゃ助かるわ、よろしくね」
　快諾してもらえたので、台風が直撃する前に少しでも備えておくことにした。
「道具とか板なんかないですかね？」
「うーん、梯子くらいしかなかった気がする」
「はあ……」
　
　外に出ると、黒雲が広がり、もう風が強くなってきていた。
「豪雨になるのも時間の問題だな」
　せめて雨漏りぐらいは何とか阻止しておきたい。
「木板やトンカチや、必要なものを揃えに行くか」
　花音は大きな傘を持って近くのホームセンターへ向かった。

　こんな天気の中歩いているのは自分くらいかと思ったが、ボブカットの女の子がスカートで歩いてくるのが見えた。
（大丈夫かな？）
　気になったが、こちらものんびりはしていられない。
　木板やトンカチ、クギ……必要そうなものを探しカゴに入れていく。
「よし、必要なものは大体揃った」
　花音は急いでアパートに戻る。　

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