食欲の秋！　寝子島スイーツフェスタ☆｜リアクション

食欲の秋！　寝子島スイーツフェスタ☆

☆空腹少年のスイーツ巡り

「ごくり……ここがスイーツフェスタ会場か」
　シーサイドタウン駅ビルｍｉａｏにたどりついた寝子高３年の水守流は、つばを飲み込みました。
「いろんなスイーツが俺の空っぽな胃袋を刺激してきやがるぜ。この日のために朝は控えめにしてたからな、食べる準備は万全だ！　さあ、いざフェスタ！」
　
　入り口でマップをもらいましたが、しかし流は自分の目で会場を見回します。
「ふむふむ、クレープにパンケーキに……お、あれはカッサータか」
　チーズや生クリームなどにナッツやドライフルーツを混ぜ込み、冷やし固めて作る冷たいデザートを見て、流は感心しました。
「珍しいな、流石フェスタのスイーツだ。いやー、こうしていろんなスイーツ見ると迷っちまうな、空腹ラビリンスに迷い込んじまったぜ」
　不意に流は真剣な顔で考え込みました。
「さて、どれを食べる？　やはり王道パンケーキか？　いやいやゼリーあたりでジャブをかましてみるのも……」
　美味しそうなスイーツたちが一斉に、『私を食べて』『私が先よ』と流を呼んでいるようで。
　
「いかん、空腹すぎて食べたい物がまとまらないぞ！」
　流は頭を抱えます。空腹的には腹を抱えるほうがいいのでしょうか。　
「焦るな、焦るんじゃない、俺は腹が減ってるだけなんだ、腹が減りすぎて死にそうなだけなんだ」
　そこへタイミングよく声をかける店員。
「お客さん、試食いかがですか？」
「……ん？　これは……肉球マカロンか、軽くつまめるこのサイズ、一時的に空腹を和らげて冷静にチョイスするのには最適だな！」
　猫の肉球を象ったマカロンは、可愛くてとても腹の足しにはならなそうなサイズでしたが。
「まずはこれを食べて……うまーい！」
　空腹とはいえ、グルメな流が納得する美味さです。
「うん、この可愛らしい一口サイズのマカロン、見た目にそぐわずしっかり美味い」
「ありがとうございます」
　その後店員は、急に次々と訪れだしたお客に嬉しい悲鳴を上げることになりました。
　流のろっこん『メシテロジツ』の効果で、周辺の人たちが猛烈に肉球マカロンを食べたくなったようです。
　
「よし、腹が少し落ち着いた。ここで一気にフルーツパンケーキだ！　やはり王道はいっておかねば後悔するってもんよ！」
　人心地のついた流は、パンケーキの店目指して驀進するのでした。
「さすが王道、フルーツとパンケーキ生地の相性が最高だぜ！」
　
　それから流は、気になるお菓子を次々と制覇していきました。
　どれも目も舌も楽しませてくれる一品で、満足できるものばかりでした。
「まだあと一品くらいは入りそうだな、さーて〆はどのスイーツを食べるか、ぶらぶら品定めしてくるかー」

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