霊界遊園地で遊ぼう！｜リアクション

霊界遊園地で遊ぼう！

「どこだ、ここ……？」
　いつの間にか霊界に迷い込んだ桜井ラッセルは、困っていました。
　目の前の看板には『霊界遊園地』と書かれています。
　そこへ通りかかったのが、乱蘭・フローレンスです。
「ねえねえ君ぃ～そこのイケメンお兄さん～」
「えっ？　俺のことか？」
　周囲を見回して、自分以外いないことを確認してからラッセルが答えると。
「ナンパじゃないよ～難波でナンパじゃないよ～」
　褐色の美少女にしか見えない乱蘭は呑気にそんなことを言い出し。
「俺に何か用なのか？　ここのこと知ってんなら説明してもらえるとありがてえんだけど？」
「ああ行かないで行かないでごめんなさいはい本当に申し訳ないと思ってます反省文も書きます、っておーい！　今暇？　霊界遊園地の広告みてたでしょ？　興味ある？」
「……霊界遊園地、ってことはここは霊界なんだな？」
　乱蘭のテンションに面くらいつつ、ラッセルは基本的な状況を把握します。
「そう！　今人間様は無料で入れるんだって。霊界だし幽霊様の知り合いつけとかない？」
「へ―……霊界でも現世みてぇに遊園地があんのは驚いた。けど、幽霊の知り合いって……そんな簡単にできんのか、取り憑かれちまうとか？」
「ああ拙者二本足で立ってるけど幽霊でござる一応」
「えっ？　マジか！？」
　こともなげに言う乱蘭を、ラッセルはまじまじとを見つめました。
「そうはみえないかーまあ拙者現代っこだしー」
（イケイケJKな幽霊ってイメージ変わりそう……俺としてはとっつきやすくて助かるけど）
　郷に入ってはなんとやら、この際幽霊への抵抗は捨てることにしたラッセル。
「無料か！　いいな！　俺、遊園地いく時はフリーパスで一日中満喫するほど好きなんだ」
「それじゃ決まりだね」
「誘ってくれてサンキュ！　霊界でも遊園地あるんなら楽しい毎日過ごせそうだな」
「どういたしまして！　拙者の電話番号登録しとけよー霊障はないからさー」
「幽霊の電話番号とかマジでシュールだな」　

　遊園地に到着し、乱蘭はラッセルを連れて入場門をくぐります。
「桜井ラッセル氏ご案内ー、半額ね♪」
　そしてラッセルに耳打ちします。
「おひとり様で遊んでもいいけど取り込まれんようきをつけてなー」
「え、取りこまれるって？　そんな洗濯物みたいなこと言われても」
「では人間屋敷へご案内します」
　頭に天冠（幽霊の頭についている三角の布）をうけたスタッフらしき女性がすうっと近づいてきました。
「人間屋敷……？」
　なんだか嫌な予感がして、ラッセルは後じさります。
「俺はいい……今日はいい」
　危険を感じて、そのまま園内へ走り出すラッセル。
　その後を乱蘭がついてきました。
「私はラッセル氏に憑いていくぜー折角お誘いしたんだしはぐれメタったらてえへんだ」
　幸いスタッフは追いかけてこなかったので、ラッセルは案内図の前で止まりました。
「脅かされんのダメなんだ、グロは勘弁」　
「んー密室じゃないアトラクションがいいかなー絶叫マシンとかどうよ？」
　乱蘭の提案に、ラッセルは目を輝かせます。
「絶叫系やジェットコースターは大好きだ」
　ゴオオオン！
　そのラッセルの頭上を、ジェットコースターが走り……いや、飛んでいきました。
「ジェットコースター空飛んでる！　よしここでしか乗れねーし目指せ全制覇！」　
　ラッセルの後を、乱蘭がついていきます。
「行きたい施設についていくぜーあーはははたーのしー！」

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