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Heart in Motion
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空は、パラフィン紙を通して見るような朱い色をしている。
うすぼんやりとしていて、けれども温かみがあって。
旧市街の文具専門店、けっして広大な店舗ではないのに、一体どこから? と訊きたくなるほどザクザクと商品がでてくる在庫豊富な店である。あくまで体感だが、同規模の店の三倍くらいはラインナップがあるのではないか。チョークや黒板消しなど、寝子高への学用品納入も一手に引き受けているらしい。
夕焼けにつつまれながら、
鴻上 彰尋
は店を訪れていた。いらっしゃいませとレジカウンターから告げたのは、よく見かける女性ではなく事務員風の男性だ。
紙の匂いがする。新品のノートの匂いだ。鉛筆の匂いにインクの匂い。わりと好きな匂いだった。
彰尋は奥へ進んだ。他に客の姿はない。
もし質問したとして――。
あの女性店員ならきっと、一を聞いて十を知るのたとえのように、たちまちお勧めをずらりと並べてくれると思う。使用条件や使い心地など、はちきれそうなパッションとともに。専門知識がすごいのだ。しかしあいにく本日は不在だ。
でも、それでよかったかもと彰尋は思い直した。
自分で探してみよう。迷ってみよう。
万年筆と対話しながら。
胸ポケットから万年筆を取りだしてつくづくと眺める。品番は頭に入っているから、あとは適合するリフィルを見つければいい。
リフィルは別名カートリッジともいい、ひらたく言えば万年筆の交換インクのことだ。
原始的な万年筆は、インク壺にペン先を浸して液体インクを補充していたそうだ。もちろん現代もこのタイプは残ってはいるが、圧倒的主流はリフィルを取り替える方式になっている。
安いマーカーやボールペンの棚を通りすぎた先、狭い一角がリフィル売り場だった。
けっこうあるんだな。
カラーバリエーションがあるのは知っていたが、実際に目にしてみると壮観だ。各種ひとつかふたつずつ、銀色のパッケージに入ってぶら下がっている。
さて、悩みどころだ。
パッケージに印刷された色見本を、それぞれためつすがめつして比べる。
ボールペンとちがって試し書き用のサンプルはない。書き味や発色を確認する手段がないわけだ。長くつきあう色選びだ。おいそれと決めるわけにはいかないだろう。
日本語が書かれているパッケージは全体の三分の一程度だった。あとは英語記載の輸入品、値段もちょっと張る。
大切に使うと決めていたから、普段でも使えるインクがいいな。
でも、あおいさんからの贈り物という特別なものだから、『特別な色』を使いたい気持ちもある……。
選択幅は広い。
たとえば、『赤』にしたって複数だ。鮮やかな赤、にぶい赤、小豆色のような赤、ほとんど紫みたいなのまであって面白い。
朱を入れるためのペンでもないから、赤系統は除外しよう。
長く使うなら、黒がまちがいないとは思うのだけど――。
ひとつを手にとってつくづくと眺める。
他に何かいい色はないかな。
おやと小さく声が出た。
彰尋の興味をひいたのは、『ブルーブラック(Classic)』と記されたパッケージだった。
青だけど黒? いや、黒だけど青なのか? それにClassic? 古典ってことかな。
見本を凝視する。ぱっと見は青、しかしたしかな黒みもある。濃厚で、でも重くはなくて鮮やかで、留めたり撥(は)ねたりしたときの発色もよさそうだ。
小さな文字ながら丁寧な解説が添えられているので読みこんだ。
また、へえと声がもれた。
青色が書類や公文書にも使えるだなんて全然知らなかった。
なるほど役所の申請書にも、運転免許証の更新申込書にも使えるわけだ。
婚姻届にも。
ブルーブラックでしたためる誓いのしるし、ちょっといいかもしれない。
“Something old, something new, something borrowed, something blue"……なんて言い回しもあったと思うし。
『本インクはブルーブラックのなかでも古典と呼ばれるタイプです。書き出しが青く、だんだんと黒になる特殊な成分が配合されています』
という説明書きにも気持ちをくすぐられる。
それって、書きはじめの青を知っているのは自分だけ、ってことになるのかな。
ペンを走らせると青が透明感をもってついてきて、紙に定着して乾くとしっとりと黒い。
特別感があっていいな。まあ、値段は通常品の倍ほどするけど。
気になりだすとどうにも収まらず、彰尋はスマートフォンを取りだして、製造メーカーのサイトもチェックしてみた。
あった。
でも出てきたのは『ブルーブラック(Standard)』だけだった。
古典タイプは販売終了? それとも期間限定品なのかな。
どちらにせよネット経由では買えないらしい。
店頭の陳列品を丁寧にさぐっていくと、スタンダードタイプのパッケージも出てきた。こちらは古典タイプとはちがって濃淡にあまり差がなく、さらさらとして使いやすいという。もちろん、ただ青いばかりではなく、ブルーブラックらしい格調もある。
成分がちがうからか。なるほど。
つけ加えておくと、スタンダードタイプは古典タイプに比べずっと安価だ。
値段やインクの扱いを考えると、自分にはまだ、古典タイプは早い気がする。
古典タイプは、もう少し大人になったら使いたいな。
決心して彰尋はスタンダードのブルーブラックを手にした。
でも――。
やっぱり気になって、古典タイプのリフィルも握る。
出費としてはきついけど、このまま買いそびれ、あとから気になっても困るので。
使うなら、まずはスタンダードタイプのブルーブラックだ。これで万年筆に慣れよう。
古典タイプはいつかきっと、自分にとって特別な色になると思う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年08月25日
参加申し込みの期限
2021年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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