流しそうめん♪　そして流し追試？｜リアクション

流しそうめん♪　そして流し追試？

☆どきどきコース！

「流しそうめんパーティかあ。わくわくコースにどきどきコース？　面白そうね」
　度胸満点の１年生、篠原翠響は、「どきどきコース」を選ぶことにした。
「何か闇鍋的なものが流れてきそうだけど。普通のそうめんは、こちらが口に合わなかったときに口直しで食べればいいか」
　薬味を皿に取り、いざ流しそうめんへ。
　水の流れは結構早い。
　うかうかしてると箸でそうめんをつかみ損ねてしまう。
「ここは気合いを入れて……それっ！」
　得意の新体操でリボンを振るうのにも似た手さばきで、麺を捕まえる。
「……妙に紫がかってるというか黒いわね……」
　一口食べてみると。
「甘い……ブルーベリー？」
　そうめんの中にブルーベリージャムを仕込んだものらしい。
「何だか微妙な味わい……」
　まあ食べられない味ではないし、と気を取り直して、今度は別のそうめんを掬う。
「今度は普通のそうめんぽく見えるけど……」
　ちゅる……
　啜ってみると。
「に、苦いっ！　激苦！　ピーマンより苦いっ！」
　苦いのだけは苦手なのに……思いっきりハズレを引いた。
　慌てて口直しに薬味を食べる。

　そこへ遠海がわくわくコースから移動してきた。
「どんなゲテモノが出てくるかしら」
　遠海は興味津々なのだった。
　翠響の下手にスタンバイした遠海は、心の中で歌いだす。
（そうめん、そうめんつーるつるー♪　流れてくるものぱーくぱくー）
　怪しい色でもためらわず平然と啜る遠海に翠響は驚く。
（げ、激辛！　あの先輩、あんな勢いで食べちゃって大丈夫なの？）
　その遠海の顔に動揺が走った。
（……っってナニコレ？！　辛い！　にゃー！　誰だこんなもの流したのはー！）
　しかし激辛の後も遠海はそうめんを掬う手を緩めない。
　翠響も怖いもの見たさと共に、遠海の反応が気になって様子を伺いながら食べ続ける。
（げ、激甘……）
（こっちは激すっぱね……）
　だがこの程度は序の口だった。
「え、唐揚げ？」
　今度はそうめんじゃなくゴーヤチャンプルとかチョコとかまで流れてきた。
（そうめん、そうめんつーるつるー♪　流れてくるものぱーくぱくー♪　これは美味しいわ）
　遠海は満足そうである。
「えっ、太いと思ったら讃岐うどんだし」
　さすがに翠響は、ここはこれ以上付き合えないと感じた。
「もうわくわくコースに移動しよう……」
　遠海はまだ食べ続けている。
（イカそうめん……ってこれスルメじゃない？）

　わくわくコースで普通のそうめんで口直しをした翠響。
　残りの時間は普通のそうめんやトッピングなどで楽しむことにする。
（フツウのありがたみを感じるわ……）

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