大発見！　ウチはこんなところです！　家族旅行編｜リアクション

大発見！　ウチはこんなところです！　家族旅行編

　◆「まさかまさかの、探検隊！」

　また別の日。今日も汗ばむほどに暑いが、男たちは歩く。

「何かお探しですか？」
　そんな燦斗、エーミール、エレンに声をかける龍目豪。
　彼らが休暇ついでに番組制作のための情報を仕入れていると知り、ふむと考え込んでオススメを思い浮かべる。
　山ほど浮かんだオススメの中でも、豪が一番だと思う所を思い浮かべ……じっと男達の装備を確認しつつ、時間の調整を行う。
「ふーむ。時間とかってどのぐらいあります？」
「時間ですか？　長く見積もっても、残り５日ほどは滞在しますが……」
「５日なら時間も体力も大丈夫かな……？」
「え、あの、何が……？」
「ああ、いえいえ。オススメが凄いところなんですけど、装備とか準備してもらっても大丈夫です？」
「えっ、装備？？　……まあ、どんな装備とかによるけど……？」
　地図を広げてもらい、集合場所を決めてどんな装備が必要なのかを伝え、次の日に集合場所に集まって欲しいと伝えた。
　しかし装備の名前を羅列されてもよくわからなかったエーミールとエレン。そこで、豪に最低限の知識を教えてもらいながら、山岳装備の整ったショップで装備を買い込んだ。
　……なお、燦斗は何故かこの事を予見していたかのように最低限の装備は持ち込んでいたそうだ。

　翌朝、鼻岬洞窟。
　装備を整えた燦斗、エーミール、エレンの前に豪が姿を表した。
「おはようございます、龍目さん。今日はどのような場所なんです？」
「ここは、秘境中の秘境なんですよ。番組撮影にはもってこいだと思いますよ？」
「ほほう……」
　ぽっかりと開いた穴は大きく口を開けて水流を飲み込むように佇んでおり、今からこの水流をボートで入ろうというのだ。
　干潮時であれば徒歩も可能なのだが、一日で回るならばボートが早いと踏んで豪が準備してくれたようで。
「えーと、エーミールさんとエレンさんは昨日一緒に買ったから大丈夫ですけど……」
　じっと燦斗の装備を確認する豪。ヘルメットにウェットスーツ、しかも水陸移動可能な足ヒレ付きという、本当にマネージャーか？　と言わんばかりの装備で彼はやってきていた。
「金宮さんも大丈夫そうですし、行きましょう！」
「おっしゃー！　探検だー！」
「エレン、はしゃぐのはいいんですが、迷惑はかけないように」
「はっはっは、わかってるわかってる！」
　念の為探検の経験を聞いたところ、燦斗は仕事でついていくこともあるため何度か経験はあるが、エーミールとエレンは経験がないとのこと。なのでまず洞門をボートで抜けた後、安全な鍾乳洞コースへと向かうことに。
「洞窟内では俺の指示に従ってください。携帯が通じないこともありますから、離れないように」
「おう。……しかし、すげぇもんだなぁ……」
　エレンが周囲を見渡せば、灰色と緑色の入り混じった壁に青く輝く光。外から流れ込んだ光が青い海を通り抜け、反射して壁に光のカーテンを作り出している。これだけでも良い光景だと言うのに、豪はまだまだいいものが見れると笑って、ボートを進めた。

　ボートが乗り上げた地面を降りて、その先をゆっくりと歩けば……鍾乳洞はまた入り口とは違う美しさを見せていた。
　青色の洞門に、輝く鍾乳洞。こんなに素晴らしい光景は、おそらく声をかけられなければ知ることが出来ないだろう。
「……でも、こんな場所よく見つけましたね？」
「ああ、前に寝子原人や猫つちのこの目撃情報があったから来たことがあるんですよ、俺」
「猫つち……？？」
「げ……？？」
　何言っているんだろうという表情を向けた燦斗とエーミール。そんな顔をされてもと言った様子の豪は、残る奥の案内を済ませて彼らにこの洞窟の良さを語り続けた。

　……なお、今回は猫つちのこも寝子原人も現れなかったそうだ。残念。

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