魔法猫、捕獲大作戦！｜リアクション

魔法猫、捕獲大作戦！

●迷い込んだ猫

　ある日。
　佐藤瀬莉が散歩をしていると、毛並みが赤と青の猫が目の前に現れた。
　少しの間見つめあっていたが、その猫はどこかへ行ってしまった。綺麗な猫だなと思っていたら、ミラがやってきて先ほどの猫を捕まえないと大変なことになると知らされる。

（でも、どうやって捕まえよう）

　捕まえるといっても、乱暴なことは避けたい。そこで瀬莉はスーパーマーケットに向かい、準備を整える。

（無傷で捕まえるなら、やっぱり食べ物よね）

　ペットフードのコーナーでカリカリを買い、他にも煮干しや鶏肉を購入した。猫の好物は魚という印象が日本では強いが、実際は猫も肉食なので肉類も食べる。それから別の店では捕獲用に持ち運び可能な猫用の檻を用意した。檻といっても小さいし、素材で傷をつけることはない。
　必要なものを確保したところで、道行く人に魔法猫のことを尋ねながらこれらを使う場所を考える。

　　　＊　　　＊　　　＊

　一方その頃。
　ミラから話を聞いた神野美野梨は魔法猫を捕獲するために罠を作ることにした。

（ケガをしないよう、餌を置いて紐のついた棒で支えたカゴで捕まえるタイプのものにしようかしら。その猫についてもっと詳しい話を聞きたいわ）

　美野梨は猫の詳細をミラに尋ねた。

「飼い主がいるのね？　猫の名前は？　どんな性格の子なのかしら？」　

　ミラは分かる範囲でそれらの質問に答えた。
　飼い主や猫の名前は分からないが、攻撃的な性格ではないということ。炎や水を操るが、威嚇や防衛の手段として使うので、こちらが強行しなければおそらく乱発はされないこと。
　頷きながら美野梨は魔法猫について整理していく。一通り話を聞き終えると、ねこったーで魔法猫の居場所を探す。

（外見がかなり特徴的な猫だから、誰かしら見かけているはず）

　その予想は的中し、すでに何人かが目撃しておりその様子を呟いている。これらの内容から、現在どのあたりにいるのかおおよその見当はついた。美野梨はそこへ移動しつつ、そのあたりの猫と話す。

『赤と青の猫を見かけた？　どんな様子だったかしら？』

　そうして話している間も、ねこったーで更新される情報を追いかける。

『赤と青の猫を捕まえなくてはこの島が危険なの。知り合いの猫に、罠に近づかないよう教えてあげて』

　話しかけた猫にそう伝えると美野梨は罠を気づかれないような場所に設置する。あとは隠れて見守るだけだ。

（うまくかかってくれるといいけど）

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