【星幽塔】第一階層　潮騒に魅せられて｜リアクション

【星幽塔】第一階層　潮騒に魅せられて

豪はフォルカ、ルークと共に中央広場へ向かっていた。
「どけー！　ファイトー！」
　槍持ちの化け物。突き出された槍を横に回避して、マグロの手首をがちりと掴んだ。
「うぉーりぁーっ」
　ろっこんが発動し、マグロはそのまま吹っ飛び、民家の壁に激突して動かなくなったのだった。
「どう？」
「段々分かってきた。この街の、秘密がな！」
　像には恐怖の想いが植え付けられている。逆に、人間の持ち物には驚きと喜びがほとんどだ。
「あそこだ」
　中央広場、水棲生物達がとある民家を囲っているのだ。
「よし、オレとルークが周りのヤツをやっつけるから」
　豪は頷いた。
「わかった、頼む」
　足を止めず、三人で一気に突っ込む。ルークとフォルカが複数の化け物を相手にしてくれているうちに、家の中へ。床に空いていた穴へと飛び込んだ。階段を走り降りる。別の方向から伸びていた階段の合流場所でばったりとユリウぇイスに再開した。
「！」
「まさか、そっちにも地下が？」
　そう問われ、豪は頷いた。
二人で地下まで降りると、そこに広がっていたのは巨大な檻に閉じ込められた無数の人々。どうやら気絶しているようだが、旅人も混じっているようだ。そして、部屋の中央には切り裂かれた腹に固まった泥のようなものを詰め込まれた魚が一匹。それが光を放っていた。
「これは」
「この街の人達、魚を捕まえて内臓を取り出し、海で取れる石のように固まる泥を詰め込んで像にしてたんだ。そいつらの逆襲だったんだ」
「そういう、ことなの」
　ユリウェイスはゆっくりと光っている魚へ近づいた。
「それが元凶だ」
「やるわ」
　ユリウェイスはショートソードを魚の頭へずぶりと突き刺した。
　そして、街の水棲生物は消え、消えた人々も全員無事だった。残酷な方法で成り立つ宗教、それはこれからも続いて行くのかもしれない。

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