思えば初めから、奇妙な空気を肌に感じていた。
街は閉鎖的かつ厭世的だ。時おり見かける通行人は決まって落ちくぼんだ目をこちらへ投げかけ、そそくさと去ってゆく。よそ者と関わるつもりは毛頭無さそうだ。
建築物は造りこそ立派だが手入れが行き届いているとは言えず、色はくすみ、あちこち朽ち欠けていた。
着いたその時から雨が降りしきり、しとど濡れるまま散策すれば、嫌でも目に留まるのは、この街の特異な宗教観だ。
側溝の脇に、民家の軒先に、宿屋の屋根飾りに鎮座する、奇怪な像。
牙の生えた巨大な口。まるで人のような、太く屈強な手足。本来持ち得ない部位を持つ巨魚の姿は、断崖の上に建つ海沿いの街にふさわしく思えつつも、どこか寒々しさを覚えずにいられない。
それに……家々の中に感じる気配、僅かに開いた窓や門扉からこちらを覗くあの生気のない瞳は、私に暗く深い海の底や、死の世界を連想させた。
依頼書のとおり、この街には何か秘密があるに違いない。もう少し探ってみることにしよう。
もし私がそれを見事探り当て、旅人が複数名も行方不明となっていることに何らかの解決を見い出せたなら、それもよし。
あるいは……もし私が手痛い失敗を喫し、以後の連絡が不可能な状況に陥ったとしたら。
その時は、Barアストラルの優秀な冒険者たちに後を託したい。
「……という手紙のあとに、連絡が途絶えてしまったってわけか」
数名の仲間たちとともに現場を訪れた
万条 幸次。
「それにしても、この惨状は……」
幸次は思わず眉をしかめた。
街まで200メートルはある丘の上から俯瞰しているというのに、ここにまで漂う血臭は濃密だ。
この距離からでも、街へ蠢く無数の異形たちが見て取れる。彼らは一様に、水棲生物が人の手足を得たような姿形をしていた。
「あれをやっつけながら、この街に何が起こったのか、調べなきゃいけないんだね」
旅人はどこへ消えたのか?
街の住人たちが崇めていた存在は一体何なのか?
いかなる経緯が、この事態を引き起こすに至ったのか?
冒険者たちに今、解決が委ねられた。
こんにちは高城ヒトです。よろしくお願いします!
万条 幸次さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
第一階層のとある海沿いの街にて、旅人や冒険者が行方不明となる事件が発生しています。
皆さんはBarアストラルに寄せられた依頼を通じて、この街を訪れました。
街には異形のモンスターがあふれています。
水棲生物が人型を模ったような姿を持つ彼らは、獲物を見つけるなり、群れを成して襲いかかってきます。
まずは彼らと戦い、生き残ることが第一の目的となるでしょう。
バトルに巻き込まれながらも、街に起こった出来事を探らなければなりません。
事態を解決しなければ、モンスターが絶えることはありません。
彼らはやがて獲物を求め、大挙して別の地域へと向かうことでしょう。
最悪の事態は避けなければなりません。
バトルしたり、あるいは戦闘を避けて隠れたりしながら、
至るところにある異形の像の正体、街に隠された謎を暴いてください。
アクション
<バトルについて>
敵は無数です。
彼らは魚、タコやイカ、エイ、シャチにサメ、鯨といった水棲生物に、
人間の手足が生えたような姿をしています。
多くは非常にタフであり、尋常でない身体能力を持ち、また毒や触手、発電器官など、
モチーフとなった生物ならではの特徴を持っています。
強力な敵の群れを相手に、まともに戦っていては命がいくつあっても足りません。
1体1の状況を徹底したり、隠れてやりすごしてから意表を突いたり、
高所など有利な状況から一方的に攻撃したり、何らかの工夫が必要になるでしょう。
<街に潜む謎について>
この街独特の宗教観が息づいていたようです。
街の各所には、水棲生物を模った異形の像が安置されています。
民家へ踏み込めば、街の人々が行ってきた『因習』の痕跡が見て取れるかもしれません。
ただし、建物の中はおおむね異形たちの住処となっているので、要注意。
街の中、あるいは街の周辺には、
表からは分からない秘密の空間、秘密の場所が隠されているようです。
暴くべき真実があるとすれば、そういった空間を見つけ出すのが近道となるかもしれません。
NPCについて
以下二名のNPCが同行可能です。
◆ルーク・ポーラスター
◆フォルカ・ヴィクスン
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!