牛瀬家、引っ越す？　ガレージセールにおいでよ！｜リアクション

牛瀬家、引っ越す？　ガレージセールにおいでよ！

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（牛瀬先生が鎌倉の私立高にスカウトされたって本当かな？　……本当ならちょっと寂しいけど、それなら……）
　ガレージセールの話を聞いてやってきたのは、牛瀬が担任を務める１年　１組に所属している仙藤蒼。彼女は別れの挨拶をと思い足を運んだのだが……。
「おぉ、仙藤さんやないか。よく来てくれたで」
「先生、あの……」
　噂の件について問えば、巧は困ったような笑みで「寝子高はやめへんで」というのだった。
「まぁ、どっから出たかはわからんけど、デマやからな」
「なぁんだ。ホッ、としたぁ」
　建て替えをするための引っ越しと知り、改めて巧の家を見る蒼。
（始めて先生の家に来たけど、確かにちょっとボロいよね）
　口には出さず、小さく頷いていると巧はさらに苦笑したように見えた。

　巧としばし話した後、ガレージセールに出されたものを見て回る。と、かごに入ったカプギアのパーツを見つける。
「おぉ！　カプギアのパーツあるんだ」
　蒼は興味深そうに見る。どうやら未使用の物が殆どに見え、どれも状態が良い。
「それ、よかったら持ってって。買ったけど合わなかったりしたやつなんよ」
　と、一人の少年が言う。話を聞くと巧の次男・まことだそうな。
　まことは趣味でカプギアをやっているそうで、牛の角を持ったロボットのようなカプギアを見せる。蒼が「私もやってるよ？」とスマホで画像を見せると、まことはわずかに目を見開き、にこっ、と笑った。
「お姉さん、『デットエンド』の時にいたやん」
「そういえば……！」
　蒼も思い出し、二人はしばしカプギア談義に花を咲かせながらパーツの中から品定め。
「蒼さんは、どんなパーツを探しとるん？」
「そうだねぇ。特にほしいものがあるとすれば、飛び道具系かな～」
　いくつか興味深いのを見つけた蒼は自分のカプギアと互換性があるか確かめたりしている。まことは「多分これあたりとかええんちゃう？」と飛び道具系のアームパーツなどを提示した。
「弓に、銃にロケットパンチ……。どれも個性的だね～」
　蒼はキラキラした目でカプギアのパーツからお目当ての物を探すのだった。

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