- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
フツウ＊299 COFFEE
数学の問題集を開いた途端、美咲紀は奇妙な声をあげてふにゃふにゃと突っ伏してしまった。最初の一問目で撃沈である。８月も半ばであるのに全く進まない数学の課題。やらなければいけないのはわかってる。あー、うー、とどうすればいいか考えて美咲紀は、新聞部の部長としても世話になっている修に助けを求めた。
そうして、299で待ち合わせしたのである。
「苦手な科目ならもっと早くに取り組んだほうがよかったんじゃないか」
修がブルーマウンテンを飲みながら尋ねる。ケーキの友には季節限定・和栗のモンブランだ。美咲紀は同じく季節限定・桃のフルーツタルトとラテコーヒーを頼んでいる。ラテのアートはコスモスだ。
「て、敵勢力の抵抗が思いのほか激しくてですね……！」
美咲紀が慌てたように弁解をする。敵勢力？ と修は眉をしかめた。美咲紀は時々不思議なことを言う。
だってだって。教科書や参考書見てもよくわかんないもんっ。
心の中で美咲紀は叫ぶ。
修を呼んだ手前、実際に口には出せないのだが。
「はああ。基本だけでも難しいのに、応用問題なんてちんぷんかんぷんです」
「まあそう言うな。マシュマロ食べながら頑張れ」
つっぷしてしくしくと泣く美咲紀の頭をぽふぽふとなでつつ、修はマシュマロの皿を美咲紀の方に押した。肉球の形をしたマシュマロである。美咲紀はそのうちのひとつを食べて、少し元気を回復させた。
「ついでにケーキも」
「これはできるまでお預けだ」
「うう。そんなぁ」
ケーキを食べるためには宿題を終わらせなければならない。そんな修の作戦は美咲紀のやる気に少なからず影響したようだ。修に解法を教わりながら、どうにか予定の分まで終わらせることができた。
「八神ぶちょーは課題おわった？」
「俺？ ７月のうちとっくに」
「きらーん♪」
「……写すのは駄目だ。持ってきてはいるが、これはあくまで答え合わせ用。椿はパズルは嫌いじゃないだろ。数学もパズルだと思って解けばいい」
50分に10分の小休憩中のやりとりだ。
修はコーヒーのお替りと、新しいケーキ・アップルパイを食べている。勿論、美咲紀はまだ食べていない。うるんだ目をしながら創作課題に取りかかっていた。ジャーナル部を舞台にイケメンクール部長と、手先が器用なかわいい系乙女男子部員が友情を深めあう日常系小説だ。繊細で華やかな心理描写にあふれている。
―――そうして、仲睦まじく午後のティータイムを過ごし―――。
美咲紀のペンはすべるように動き、あっという間に迷いのない文字が白い原稿をうめていく。数学とはうってかわって調子がいい。
「いやぁぁんきゅんきゅんしまするぅ」
「……？ 植物の話でも書いているのか？」
学術書を読んでいた修はひょいと美咲紀の手元を覗き込もうとした。途端、光の速度で美咲紀が原稿を背後に隠そうとするがよりにもよって登場人物表が修の手に渡ってしまった。
「……」
「ににに、日常系小説小説ですよ」
冷や汗を垂らしながら笑顔を作る美咲紀。
「登場人物に心当たりがあるだなんて、それはぶちょーの気のせいですよ！」
「俺はまだ何も言っていないが」
爽やかに微笑むと、修は美咲紀が隠した原稿を奪おうとした。ひょい。かわされる。ひょい。かわされる。
「その反応、俺が題材なんだな？ 貸せ、いや渡せ！」
「だだだ、だめですよ。私の代表作になるんですからー！」
「俺を勝手にホモにするなー！！」
修の声が店中に響く。
その声で宿題途中で眠ってしまった真央がむくりと起き上がった。
「むにゃ……うるさいのだ～。テニホモってなんなのだ～？」
「あっ。真央ちゃん！」
「美咲紀ちゃん……なのだ？」
ブランケットがかかっていて修と美咲紀は真央がいるのに気が付かなかったようだ。
「……いたのか。真央」
「299は涼しいのだ猫鳴館とは大違いなのだ文明の香りズッギャーン！って感じなのだ！こう優雅にクーラーの効いた部屋でまったりまったりお茶しながらぐでーんってするのは女の子の夢だと思うのだ♪」
いてほしくない時に会ってしまった。
と、一瞬よどんだ気持ちになってしまったが真央の興味は他へそれてしまったようだ。
「こ－ゆー極楽生活素敵なのだ～！ 次はサンドイッチとカフェオレなのだ……。ケーキもいっぱい食べるのだ～」
修は顔に出さないが安堵し……。
「修ちゃん～テニホモってなんなのだ～？」
やっぱり聞かれていた。と肩を落とした。
修は人里を呼んで、数種類のケーキを頼む。甘いもので真央の口を封じる作戦に出るようだ。
そうして、299で待ち合わせしたのである。
「苦手な科目ならもっと早くに取り組んだほうがよかったんじゃないか」
修がブルーマウンテンを飲みながら尋ねる。ケーキの友には季節限定・和栗のモンブランだ。美咲紀は同じく季節限定・桃のフルーツタルトとラテコーヒーを頼んでいる。ラテのアートはコスモスだ。
「て、敵勢力の抵抗が思いのほか激しくてですね……！」
美咲紀が慌てたように弁解をする。敵勢力？ と修は眉をしかめた。美咲紀は時々不思議なことを言う。
だってだって。教科書や参考書見てもよくわかんないもんっ。
心の中で美咲紀は叫ぶ。
修を呼んだ手前、実際に口には出せないのだが。
「はああ。基本だけでも難しいのに、応用問題なんてちんぷんかんぷんです」
「まあそう言うな。マシュマロ食べながら頑張れ」
つっぷしてしくしくと泣く美咲紀の頭をぽふぽふとなでつつ、修はマシュマロの皿を美咲紀の方に押した。肉球の形をしたマシュマロである。美咲紀はそのうちのひとつを食べて、少し元気を回復させた。
「ついでにケーキも」
「これはできるまでお預けだ」
「うう。そんなぁ」
ケーキを食べるためには宿題を終わらせなければならない。そんな修の作戦は美咲紀のやる気に少なからず影響したようだ。修に解法を教わりながら、どうにか予定の分まで終わらせることができた。
「八神ぶちょーは課題おわった？」
「俺？ ７月のうちとっくに」
「きらーん♪」
「……写すのは駄目だ。持ってきてはいるが、これはあくまで答え合わせ用。椿はパズルは嫌いじゃないだろ。数学もパズルだと思って解けばいい」
50分に10分の小休憩中のやりとりだ。
修はコーヒーのお替りと、新しいケーキ・アップルパイを食べている。勿論、美咲紀はまだ食べていない。うるんだ目をしながら創作課題に取りかかっていた。ジャーナル部を舞台にイケメンクール部長と、手先が器用なかわいい系乙女男子部員が友情を深めあう日常系小説だ。繊細で華やかな心理描写にあふれている。
―――そうして、仲睦まじく午後のティータイムを過ごし―――。
美咲紀のペンはすべるように動き、あっという間に迷いのない文字が白い原稿をうめていく。数学とはうってかわって調子がいい。
「いやぁぁんきゅんきゅんしまするぅ」
「……？ 植物の話でも書いているのか？」
学術書を読んでいた修はひょいと美咲紀の手元を覗き込もうとした。途端、光の速度で美咲紀が原稿を背後に隠そうとするがよりにもよって登場人物表が修の手に渡ってしまった。
「……」
「ににに、日常系小説小説ですよ」
冷や汗を垂らしながら笑顔を作る美咲紀。
「登場人物に心当たりがあるだなんて、それはぶちょーの気のせいですよ！」
「俺はまだ何も言っていないが」
爽やかに微笑むと、修は美咲紀が隠した原稿を奪おうとした。ひょい。かわされる。ひょい。かわされる。
「その反応、俺が題材なんだな？ 貸せ、いや渡せ！」
「だだだ、だめですよ。私の代表作になるんですからー！」
「俺を勝手にホモにするなー！！」
修の声が店中に響く。
その声で宿題途中で眠ってしまった真央がむくりと起き上がった。
「むにゃ……うるさいのだ～。テニホモってなんなのだ～？」
「あっ。真央ちゃん！」
「美咲紀ちゃん……なのだ？」
ブランケットがかかっていて修と美咲紀は真央がいるのに気が付かなかったようだ。
「……いたのか。真央」
「299は涼しいのだ猫鳴館とは大違いなのだ文明の香りズッギャーン！って感じなのだ！こう優雅にクーラーの効いた部屋でまったりまったりお茶しながらぐでーんってするのは女の子の夢だと思うのだ♪」
いてほしくない時に会ってしまった。
と、一瞬よどんだ気持ちになってしまったが真央の興味は他へそれてしまったようだ。
「こ－ゆー極楽生活素敵なのだ～！ 次はサンドイッチとカフェオレなのだ……。ケーキもいっぱい食べるのだ～」
修は顔に出さないが安堵し……。
「修ちゃん～テニホモってなんなのだ～？」
やっぱり聞かれていた。と肩を落とした。
修は人里を呼んで、数種類のケーキを頼む。甘いもので真央の口を封じる作戦に出るようだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年06月27日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年07月04日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2014年07月04日 11時00分
