デビデビマシン猛レース！｜リアクション

デビデビマシン猛レース！

●カーチェイスとその行方
　
　逃げるバーニーとアーニー。それを追いかける龍樹たち。この状況は良くも悪くも変わらなかった。
　悪魔たちは追っ手を振り払うことができず、蒼たちは距離を詰め切れない。それを打ち崩すために先手を打ったのは、悪魔側だった。

「一気に行くぜー！」

　バーニーが魔銃を掃射する。
　とにかく何かに当たればいい。そんな印象を抱かせる乱撃だった。

「うわっ！？」

　何もかもを薙ぎ払うような射撃に一同は思わず怯んだ。
　幅寄せで移動を制限していた雪乃先生のトラックも後退を強いられる。蒼も距離を取らざるを得なかった。そこにアーニーがさらに魔鞭を振るって再度距離を詰めることを許さない。

「このまま世界の果てまでぶっとばすぜー！」
「最高よダーリン！」

　速度をあげて龍樹たちを引き離す。このままでは再び近づくことができない。
　どうすることもできず、寝子島は暗黒の世界になってしまうのか。
　
　一同の脳裏にそんな考えがよぎったとき、ふと地上に大きな影が見えた。

　上を見ると、先ほど別ルートに行っていた夏夜の車が空を舞っている。車には三日月のシールが貼られていた。
　
（車を中空に飛ばすのは成功した……あとは……）

　夏夜は車からシールを剥がす。途端、車は重力を取り戻し落下を始める。
　悪魔バイクとの位置を確認すると、シールを貼り直し、最大まで重くする。

（僕の怒りと車の重みで、暗黒の未来の可能性ごと潰す……！）

　悪魔たちが慌てふためき、精一杯加速する。
　しかし激しい音とともに車は落下し、激しい砂埃が舞う。

　少しずつ視界が晴れてくると、バイクが丸ごと粉砕されていた。
　それに乗っていた２人はギリギリ直撃は回避したようだが、衝撃が大きかったのか気絶している。

　一瞬、何が起こったのか龍樹たちは分からなかった。
　ただバイクを止めるという目的は想像を超える形で達成された。それだけは間違いなかった。

　一同は安堵の表情を浮かべた。

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