「た、助けてください~!」
何事も唐突なのが寝子島ではあるが、それにしても脈絡というものがあろう。
恵御納 夏夜もいささか面食らったが、そこは愛らしい白猫の
ミラが言うことだ。夏夜は穏やかに尋ねた。
「どうしたの? 落ち着いて、ゆっくり話してごらん」
「は、はいっ。実は……」
しばらく後、夏夜とミラの姿はシーサイドタウンにあった。
「あっ、いました! あれです!」
ミラが指を……前足の爪を指したのは、もうもうと煙を巻き上げキャットロードを爆走する、一台の
バイクだ。
「ヒャッハーーー! どうだいハニー、ご機嫌なマシンだろ!!」
「最高よ、ダーリン!」
「だろー! よーし、このまま世界の果てまでぶっとばすぜーーー!!」
「きゃー素敵ィ!!」
「…………バカップル?」
思わず脱力したが、事はそんな牧歌的な響きでは収まらない。
街中をバイクで疾走しているのは、どうやら
悪魔の二人組だ。蝙蝠羽を背負い、尖った角と尻尾を生やして、男の肌は青く女は赤かった。
二ケツでまたがるバイクからして尋常ではない。黒々と艶光するボディは巨大で、軽自動車程もあるモンスターマシンだ。あちこちはパンクス御用達のようにトゲだらけだし、おまけにマフラーからはごうごうと炎が噴き上がる。
あんなものが寝子島を走り回れば大迷惑だし、もちろん危険だ。仮に接触事故に繋がらなくとも騒ぎはやがて大きくなり、警察だって出てくるだろう。フツウを守るどころではない。
加えてミラが述べるには、事態はそれだけにとどまらない。
「ここは、
<時の特異点>です!」
「というと?」
「あのバイクをすぐに止めなければ、噴き出す排気煙によって寝子島は覆われ、いつでもどんよりと暗い島になってしまうんです。不夜城ならぬ不夜島となった寝子島の治安は悪化の一途をたどり、犯罪率は急上昇! 遠い未来には、凶暴なギャングの支配する無法地帯に……」
突飛な話と思うなかれ、何でも起こりうるのが寝子島なのだ。
それが分かっているからこそ、夏夜も無下には断れない。
「けど、相手はバイクだ。あれに追いつけなきゃどうしようも……」
「……ふっ。どうやら私の出番のようね!」
振り向けばそこには、悪魔の駆るバイクに負けじと悪魔的装飾をゴテゴテと施したモンスタートラックに乗りハンドルを握る、
島岡 雪乃の姿があった。
手段は自由だ。バイクの行く道を予測し待ち受けてもいいし、追いかける足があるならばレースを挑むもいい。父から受け継いだ才能をいかんなく発揮する、ドライバー島岡の荒っぽい運転に便乗するのもアリだろう。
それに神魂はこんな時、実に都合のよい手段を用意してくれることもある。
あなたの目の前には、モンスターバイクを追いかけるにふさわしいデビルマシンがやってきて、運転席へと誘うだろう。
寝子島の未来を賭け、アクセルを踏み込め!
「やれやれ、放ってはおけないね」
こんにちは、星織遥です。
恵御納 夏夜さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかいてください。
概要
寝子島中を、悪魔のカップルが乗るバイクが縦横無尽に走り回っています。
彼らは島をコースに見立て、ラップタイムを競うかのように巡っています。
巨大なバイクが事故を引き起こさないとも限らず、またねこったーや口コミで情報が広がり始めていて、
フツウではない事態が露呈すれば、パニックを引き起こしてしまうでしょう。
なにより、白猫のミラによれば、これを放置すると寝子島は犯罪のメッカ、暗黒の島へと堕ちてしまうのだとか。
あなたはミラに協力を求められたり、ねこったーなどのSNSを通じて現場を訪れたり、
うっかり巻き込まれたりして関わることになるでしょう。
バイクに接触する手段は、自由に講じてください。
どこかで待ち伏せをするもよし、追いかけて攻撃するもよし、です。
あなただけのマシンを駆り、バイクを追い詰めることもできます。
なお悪魔たちもただバイクにまたがっているだけでなく、もちろん反撃してきますのでお気を付けて。
スピード命! 速やかにバイクと悪魔たちへ対応し、穏やかな寝子島を取り戻してください。
アクション
バイクへどう対処するか、あなたがとる方法などを自由にお書きください。
バイクや自家用車など所持している方は、そちらを使用するのもOK。
バイクは星ヶ丘、シーサイドタウン、旧市街の外周を主に周回していますが、
時に裏路地へ踏み込んだり、九夜山のふもとの道なき道を突っ走ることもあります。
悪魔の駆る巨大バイクは、ちょっとやそっと攻撃した程度では壊れない重厚さを誇ります。
複数人で何度も攻撃し、徐々にダメージを蓄積する必要があるでしょう。
なお神魂の影響か、悪魔が出現中に限り、多少手荒な手段や乱暴な運転をしても、
問題にはなりにくくなっています。
とはいえ度が過ぎれば警察がやってきたりします。お気を付けて。
<バイクについて>
・トゲだらけの悪魔的モンスターバイク。
・直線での最高速度は300km/h以上。
・走行痕は炎の尾を引いて、接触するとダメージを受けてしまう。
・マフラーから噴き出す炎も高温につき要注意。
・戦車のような頑強な装甲を持つ。
<悪魔のバーニー>
・カップルのダーリンのほう。肌が青い。細マッチョなイケメン。
・運転技術はかなりのもの。
・ちょっと移り気なところがあり、集中力が切れやすい。
・炎の魔銃で射撃攻撃も行う。
<悪魔のアーニー>
・カップルのハニーのほう。肌が赤い。グラマーな美女。
・後部座席に乗っている。
・自称ダーリン一筋だが、惚れっぽいところがあるようだ。
・炎の魔鞭を振り回して攻撃する。
<自分だけのマシンを考えよう>
バイクを追いかけるなら、相応のスピードが必要になるでしょう。
神魂の影響か、あなたの考えたバイクや車、あるいはその他の乗り物が目の前に出現します。
運転には、免許も技術も必要なし! 乗れば自在に操ることができます……が、
もとからドジっ子属性な人は、うっかりミスもあるかも?
例)
・猫型ワゴン
・犬型バイク
・四本脚の戦車
・UFO
などなど、モチーフはなんでもOK!
NPCについて
◆島岡 雪乃
いつもはおっとりな先生、ハンドルを握ると豹変。
豪快なドライビングテクニックで協力してくれます。
悪魔っぽいデザインのピックアップトラックに搭乗。数名の同乗枠があります。
その他、登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
協力してくれたり、知らないうちに巻き込まれたりします。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、口調などのキャラクター設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
以上です。
どなたでも、お気軽にご参加ください。お待ちしております!