思わぬ言葉が生んだ大ピンチ？　メイ先生危機一髪？！｜リアクション

思わぬ言葉が生んだ大ピンチ？　メイ先生危機一髪？！

（東雲さんのろっこんの発動条件は『指輪に触れながら相手を見る』ことでしょうか？）
もし触りそうになったらかをるに声をかけようと思っていた矢先、その指が指輪に触れた。綾花は咄嗟に料理の乗った皿を見せる。
「あのっ、ここの料理とても美味しいですね！」
「そうでしょう？　佑の料理はどれも美味しいんだから」
綾花の言葉に、かをるは気をよくしたように見えた。
「お嬢さんにも分かってもらえて光栄だわ。もう少し落ち着いたらケータリングも始めるの。ぜひお家の方にも進めておいてね」
「はいっ」
　綾花がにっこりして頷いていると、かをるは少し声を落としていう。指輪がきらりと光り、綾花は嫌な予感がした。
「うふふ、早川さんは素敵な方よね。貴女も本当は……」
「メイ先生と珪先生、本当に仲睦まじいんですよ」
　畳みかけるような感じになってしまったが、綾花は予め打合せしていた話をし、かをるは指輪から手を放す。メイが恥ずかしそうなそぶりを見せれば、珪が窘める。だが、綾花の内心は……。
（３０分が、とても長く感じます……。それに、珪先生とメイ先生が仲良くしている姿を見るのはやはり……）
　もやもやしてしまう綾花だが、それを隠すように明るく振る舞う。と、かをるはちょっとだけ頬を赤くした。
「貴方は、本当に２人の先生が好きなのね」
「はい」
　本当の気持ちを抑え、にっこりと笑うのだった。

　それでは、と婚約者と立ち去る彼女の背中を見送りながら、３人は内心でほっ、とする。すると、どこからともなくミラの声がした。

――異変は、回避されました。

（やっと……！）
　綾花が本当の意味でほっ、と安堵していると、メイが周囲を見渡し珪を伴ってかをるの元に挨拶に行く。かをるは笑顔で見送り、３人で会場を後にする。そして、メイは迎えに来ていた車の後部座席に（誰も見ていないのをいいことに）綾花と珪を乗せた。
「えっ？」
　メイは綾花に頷くと助手席に滑り込む。会場のドアは閉ざされているし、かをるも婚約者と共にゲストの対応に追われている。綾花は頬を赤くしながら珪と共に後部座席に乗りこんだ。
「無事に終わってよかったね」
　珪に近くでそう言われ、綾花は顔が真っ赤になったまま頷く。

　メイの家に着くと、ミラの声を聴いた夢乃、雨崎楓香、三宅葉月が出迎え、無事にやり過ごせた事に全員で小さく歓声を上げる。
「無事でしたし、打ち上げしません？」
「それいいね！」
　夢乃の提案に楓香が賛成する。意外にもメイが乗り気で
「ちょっと時間はかかりますが、料理を頼みますね。こちらのレストラン、スイーツも美味しいんですよ？」
　とお品書きを出してくれた。
　こうしてささやかな打ち上げを行う一同。綾花はその間ずっと珪のそばにいることができ、ちょっとだけ報われたような気がした。

　――メイは、少しだけいつもより明るい顔になった気がした。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
今回は、参加してくださりありがとうございます。

みなさんの協力によりどうなったかはリアクションをご覧ください！
メイ先生は、今回の一件がいい薬になったのか少し前向きになれたようです。

今後も、メイ先生をはじめ色々と先生をだせたらいいな、と思っています。
それでは、今回はこれで。また縁がありましたらよろしくお願いします。

菊華　伴

おまけ：東雲　かをるのろっこんについて

名前：するりっぷ☆スター
発動条件タイプ：特殊型/発動条件：ダイヤモンドの指輪を見せながら話す
能力タイプ：精神型
能力の内容：相手の口を滑らせ不用意な発言をさせる。

かをるは無意識につかっており、被害者はちょっと多い模様。

おまけの２
皆さんには、以下の物が送られています。
・レストランの優待券（ペア）
・お土産のクッキー

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