シナリオ「思わぬ言葉が生んだ大ピンチ？ メイ先生危機一髪？！」

思わぬ言葉が生んだ大ピンチ？　メイ先生危機一髪？！

　――瓜山メイは悩んでいた。

　４月から２年の学年主任となり「がんばりましょう！」と意気込んでいたメイ。だが、その勢いを落とすような出来事が今あったのである。
（うぅ、何故あのようなことを言ってしまったのかしら……）
　彼女は深いため息をつき、頭を抱えたのだった。

　その日、メイは内心憂鬱になりながらカフェにいた。目の前には赤毛をスポーティーに短くした美女が座っている。彼女はメイの幼馴染で東雲かをるといった。
　彼女は幼い頃から親同士が仲がいいため共に遊んだりもしたのだが……かをるには悪い癖が。それは自慢癖である。とくにメイに対してはそれが酷く、メイが持っていない物、得られなかった物を手にしたとき自慢するのである。
　そして、今回も案の定自慢話であった。
「私ね、今度結婚するの。相手は料理人で……」
　と、婚約指輪だろうダイヤモンドをあしらった指輪をみせて嬉々として語るかをる。メイは内心でため息をつきながら適当に相槌を打っていた。こうしておけばかをるの機嫌を損ねることはない。
　だが、この日はちょっと違った。もともとメイは色々あって婚約を破棄した過去がある。その上、なぜかいつも以上にかをるの言葉が耳障りだったのだ。
　そんなメイの心情を知ってか知らずか、かをるは指輪にそっと触れながらもう一度にっこり笑った。
「メイももう３０でしょ？　そろそろイイ人とかいないの？　かわいいのにもったいないわね」
　普段だったら聞き流せるメイなのであったが、その日はなぜか妙にカチン、ときてしまった。
「私にだって、イイ人ぐらいいますから！　お気になさらずにっ！」
　メイはきっぱりとそう言ったのだが、そこでかをるがにっこり笑う。
「だったら連れてきて！　私、会ってみたいわ。ちょうどいいわ、今日の夜彼のレストランが星ヶ丘にオープンするの。そのパーティーに招待するから、そのとき連れてきて！！　約束よ！」
　と、彼女はてきぱきとメイに招待状を手渡しし、スマホでどこかへ連絡を取り始めた。メイは笑っていたものの内心大慌てである。
（どうしましょう！　着物もクリーニングに出したり人に貸したりしていてありませんし……なにより、相手がいませんから……）
　理由をつけてドタキャンしようものならば、恐らくかをるは弱点を見つけたとばかりに色々言うだろう……。かをるは昔からメイをライバルのように思っているらしく、時折メイの弱点を見つけてはついてくるのだ。

（とっさの嘘だけど……まさかこうなるなんて思いませんでした……）
　内心泣きそうになってしまうメイ。だがそんな彼女の耳がこんな声を拾う。

「ここが、＜時の特異点＞です！」

　メイは困惑したものの、電話中のかをるは何も気づいていない。メイがあたりを見渡すもだれもいない。実はミラが近くにいるのだがメイには見えていなかった。

＊　＊　＊　＊

　貴方はカフェにいた。
　もしくはカフェの近くにいたかもしれない。ともかく、ミラの声が聞こえていた。

「パーティーは今から５時間後の午後７時。それまでに『メイ先生にフォーマルウェア』と『恋人の代役』を用意してパーティーに連れて行かなくてはいけません。でなければメイ先生に悪いうわさが立ち、この島を出ていかなくてはならなくなります。そして、寝子島の人口もなぜか流出してしまいます」
　なんでもこの事件がきっかけで寝子高にマスコミが殺到し、パパラッチなども押し寄せたくさんの人に迷惑をかけるらしい。それが原因で寝子島に観光客は来なくなり、寝子高は生徒が集まらず廃校になり、人口流出に繋がるらしい。

　そして東雲かをるは無自覚のろっこん持ちで、何か条件がそろうと「相手の口を滑らせる」という能力を持っているらしい。

「メイ先生自身はようやく恋愛に対しても前向きになれたところだったらしいのです。どうか、このトラブルを一緒に乗り越えてもらえますでしょうか？」

　ミラのお願いに、あなた方は……。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

菊華伴

マスターコメント

　
菊華です。
今回はメイ先生の大ピンチ！
ここでパーティーをドタキャンしてしまうとかをるがメイの悪いうわさを流してしまい、先生は学校をやめて島を出ていき、引きこもってしまいます。しかもなぜか寝子島からたくさんの人が流出してしまうらしいのです。

また、恋人の代役を連れて行ったとしても関係がばれてしまってもかをるがメイの悪い噂を流してしまうそうです（本当の事を話しても結果は同じ）。

この自体を打破するには
・メイ先生のセミフォーマルな装いを準備する
・メイ先生の恋人代理をたて、かをるにばれないようにする（３０分前後）
この２つをクリアする必要があります。

やりたい事を１つ定め、参加することをお勧めします。
（２つ以上選ぶと描写が大幅に減る可能性があります）

　アクション

＞【１】事前準備に力を入れる

◆メイ先生のセミフォーマルな装いを準備
運が悪いことに、メイ先生は着物を貸したりクリーニングに出したりしておりフォーマルな物（セミフォーマルな物も含む）を持っていません！その他アクセサリーもなぜか家にありません。彼女に為に選んであげましょう！！

また「ヘアメイクやりたい！」とか「お化粧は任せろ！」というアクションも大歓迎です。
その他フォーマルウェアなら何でもよいので着物でなくてもいいですよ。
フォーマルな場所では和服が多いメイ先生に洋装を勧めるのもアリですよ。

※PL情報
メイ先生を『フォーマルな装いで魅力度アップ』させるとかをるを怯ませる事ができます。
力の入れどころです。

ただし『場の雰囲気に合わない』『フォーマルとは言えない装い』だと逆効果になるのでご注意を。

◆メイ先生の恋人代理を準備
今回、メイ先生は悩んだ挙句、偶然用事があって連絡を取ってきた早川珪先生にお願いし、協力してくれることになりました。

この二人がちゃんとカップルに見えるよう演技指導したり、口裏合わせしたりしてください。
勿論、早川先生の装いも準備するのもアリです。
とにかく３０分ほどかをるとその婚約者の目を欺けば危機は脱します！！

＞【２】会場に潜入してごまかすのもアリですよ

星ヶ丘地区に新しくできたレストランは、セミフォーマルな装いがドレスコードのリッチなレストラン。
パーティーには有名人も来るようです。

が、今回「潜入したい」人には招待状が用意されます（理由は不明ですが。お金持ちな方は「自分の実家に来たので代理で出席します」もアリです）

※より効果的なヒント
東雲　かをるのろっこん発動条件を考えてみてください。
そして、阻止する事でよりうまくいくようになります。
かをるのろっこんは『精神タイプ』で『相手の口を滑らせる』効果を持ちます。
ちなみにみなさんにも効果が及ぶ可能性もあるのでご注意を！

　登場ＮＰＣ

◆瓜山メイ
咄嗟の嘘で追い詰められてしまった。

◆早川珪
メイ先生に頼まれ、恋人の代役になることに。

◆東雲かをる
メイの友人だが、彼女に対しては自慢癖がある。

◆加納佑介
かをるの婚約者で、最近話題のシェフ。

それではよろしくお願いします。
メイ先生を助けてください！