変身は一瞬！　バニーガール！｜リアクション

変身は一瞬！　バニーガール！

数十分前。
　巫部紫苑は黒バニーの根城の近くの茂みに隠れていた。
「武器を持ってるんですね」
　見張りは二匹の黒バニーだ。手には空気銃である。紫苑は思い切って茂みから飛び出た。
「！　誰だ」
　予想通り、銃を向けられたので、両手を上げる。
「あの、仲間にしていただけませんか？」
　そう言って見る。すると、黒バニーたちは顔を見合わせてにやりと笑う。
「良いだろう」
　銃を下ろし、歩み寄ってきたところで、
「隙ありです！」
　足を振り上げた瞬間に白バニー化。回し蹴りでドミノ倒しのように彼女達をなぎ倒す。
「うぐ」
　地面に転がった二人を見て、紫苑は満足そうに頷く。
　そして自分の姿を確認した。
「可愛い白バニーさんに一瞬で変身できるのは便利ですね♪」
　白うさ耳、布面積の少ない白いバニースーツは食い込みが中々にエロい。網タイツは黒で足元はピンヒールだ。
「さて」
　ここからが本番だ。城に侵入してボスバニーを倒すのだ。
「さっき悲鳴が聞こえたわよ！」
「侵入者ね？　早く向かって！」
　城の正規の入り口から声が聞こえてきた。紫苑は冷静に手を合わせて、ろっこんを発動させる。それから、地面を勢いよく蹴った。
「思った以上です」
　跳躍力が格段に上がっている。
　塀を越えて敷地内へ入り、屋根の一部に掴まる。
「あ、あそこから入れそうですね」
　音を立てないようにそっと窓ガラスを割ると、中へと体を滑り込ませる。
「ここは」
　薄暗い通路だった。ボスバニーがいるのは最上階だったはず。
「階段を探しましょう」
　走り出そうとした時。
「そこにいるのは誰！？」
　懐中電灯の光が。
　とっさに変身を解いた紫苑は彫刻の陰へと隠れる。
(引き付けて一撃必殺、ですね)
　足音が近づいてくる。タイミングを見計らって、
「覚悟ーっ」
　変身し、回し蹴りを打ち込む。しかし、
「な！？」
　素手で足を止められたのだ。とっさの変身解除が間に合わなかった。
「ふぇぇ……」
　黒バニーの瞳を見た瞬間、脱力してしまった。
「ふふ、やっぱり白バニーが紛れ込んでいたのね」
　座り込んでしまった紫苑の頬に黒バニーの手が伸びる。恐ろしく美しい美貌に赤い瞳。体が火照ってくるのが分かる。
「ひゃんっ」
　いやらしい手つきで胸をさわられた。
「ちょっ、やっ……やんっ」
　一発で乳首の場所を当てられ悶える。
「いい反応。大丈夫。すぐに何も考えられないようにしてあげるから」
　弱いところをくりくりされて声をあげながらも、隙が出来るのを待つ。
「いいわね。あたしのペットにしてあげようかしら」
　とその時。廊下の奥から声が聞こえた。
「ねぇ、侵入者はいたの？」
　黒バニーは仲間の声に後ろを振り返る。
「ええ、一匹捕まえて、ここに」
(今しかないっ)
　白バニーを解除して、一度魅了状態から脱する。
「え！？」
　気づいた時には遅い。紫苑は黒バニーの顔面にヒップアタックをかました。
「がふ！？」
　彼女が気絶したのを確認して、全速力でその場を離れた。
　階段を探して走り回り、ようやく見つけたのは螺旋階段だった。
　一気に最上階まで行けそうだ。
　そして、ボスバニー部屋らしき大きな扉の前へ。
「ここですね」
　中が騒がしい。もしかすると他の白バニーが戦闘中なのかもしれない。
　変身を解除して中へと足を踏み入れる。
「！」
　やはりそうだった。数人の白バニーと護衛、そして驚くほどグラマラスなボスバニーが戦闘状態だったのだ。
「私も加勢を……！」
　一人の白バニーが護衛に囲まれている。
「行きますっ」
　脚力でダッシュ。力を込めたキックで護衛達を一蹴。

「あ、ありがとう」
そうお礼を言って来たのは絢である。
「足止めは任せて」
絢は向かってくるバニーに手をかざし、一瞬だけ変身。向かってくる彼女達を洗脳する。
「動くなっ」
鋭い声で牽制する。
「何！？」
ボスバニーが驚愕の表情。紫苑は絢へ視線を向ける。
「ナイスです」
　制服姿に戻った紫苑と絢は黒バニー達の間を駆け抜け、
「魅了は効かないわよ！」
「くっ、白バニーごときがっ」
「一斉にかかって」
　絢が洗脳した黒バニー達をボスバニーへけしかける。
「先に行きます」
「わかったわ」
　紫苑が跳躍して変身、
「アタックっ」
真上からのヒップアタック。追うように跳んだ絢が落下の勢いで、ボスバニーの脳天に拳を突きだし、
「ぐあああっ」
　直撃、ボスバニーは白目を向いて倒れたのだった。

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あとがき

担当マスター：高城ヒト
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一瞬だけの、リスクが伴う変身をテーマに書かせていただきました。
捕まるとエッチなお仕置き……！　きっと捕まってみてもいいと思ったプレイヤーさんもいたのではないでしょうか。お仕置きされるキャラを書くのも面白かったです。

ご参加ありがとうございました

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