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駄菓子屋のプリンセス...again
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まだしっとりした寒さはそこここに残っていますが、それでも雪ではなく、きな粉のほうが似合いそうな春が来ています。
店の前のベンチに並んで腰かけ、エレノアと秘子は駄菓子をいただくのでした。
秘子は小さくプチプチしたものをひとつひとつ試していますが、エレノアはもっぱら棒アイスです。しゃりしゃりした歯ざわりが気持ちいい。乳酸菌飲料テイスト、控え目ながら甘い香りもします。
パッケージをやぶるたびあるいは中身をおっかなびっくり口にするたび、「あら」とか「まあ」とか新鮮な反応をする秘子を、エレノアは目を細めながら見ていたのですが、アイスが残り六分の一ほどになったあたりで、いささか唐突ながらこう切り出しました。
「第四の壁……って概念はご存知ですよね、貴女なら」
「ブロック崩しのお話ですかしら? 無限回転する丸い(まるうい)パドルで遊ぶのが楽しかったものですわ」
「またまたご冗談を」
んふふふっ、と秘子は笑いました。
閉じていた唇をあけると、にちゃ、と湿った音が立ちます。親指の爪で唇をなぞって、
「もちろん、『ご冗談』ですわ」
「ここが舞台の上で私たちが俳優だとしたら、観客からはどう……見えているでしょうかね、私たちは」
さあ? と秘子は言いました。
「でもおそらく観ている人の数は、通常よりずっと少ないと思いますわよ。――Zasebni scenarijですから」
「え? なんと言いました?」
「お気になさらず、独り言ですから」
黄金の瞳が、まっすぐに自分をとらえていることにエレノアは気付きました。
琥珀のキャンディーのように、透き通った目の色。
秘子が首だけ曲げて自分を見ているのです。
あの目はカラーコンタクトのはずです。そういう『設定』だったはずです。
でも――。
薄い金色の瞳の中心に、猫のように小さな瞳孔が見えます。
小さな……いや、少しずつ大きくなっているような。
しかも渦を巻きはじめたような。
まばたきして我に返ると、灰色の瞳でエレノアは秘子を見つめ返しました。
ふぅ、と短く息を吐きます。
「……どうしてこんなことを訊ねたのかわかります?」
「さっぱり想像もつきませんわ」
「最近過去を振り返ることが多くてですね……そしたらふと疑問を抱いたんですよ」
言いながら棒アイスを食べ終わりました。そうして、
「時間の流れが遅すぎるとね」
エレノアは残った棒を指で空へと弾き飛ばしたのです。高く。
目にもとまらぬ早撃ち。
いつの間に水鉄砲を抜いたのでしょう、エレノアが握る銃から勢いよく噴きだした水流は、棒を飛ばして通り向かいのゴミ箱に落としたのです。
ぱしゃ、という音がして水が地面に落ちても、秘子はまばたきひとつしませんでした。かわりに、
「お見事ですわ」
と、ゆっくり拍手しました。
失礼しましたと告げてエレノアは水鉄砲を腰に戻します。
「気になりはじめると、とことん考えてしまう性分でしてね。どう考えてみても私たちの過ごしている時間は長い。いずれの時間スケールで見ても矛盾は生じていません。他の人とスケジュール帳を突き合わせても不整合はないでしょう。でも……色々なことが起きすぎている」
「わずか二年のあいだの出来事が、八年分を超えるくらい詰まっているような?」
そうです、そうです、とエレノアは勢い込むのです。
「そこを皮切りに、不思議な点が目につくようになりました。どうしてこの島の特異性を本土の人間は気にしないんでしょう? この情報化社会で不可解な程に神秘が守られている。事件の度にねこったーが活用されてるのに」
「二年前の春には、ねこったーなんて影も形もなかったような気もしますわね」
「そうでした」
エレノアは自分のひざを打ちました。
「ねこったーもそうです。いつの間にかごく普通に、かつて想像すらできなかった技術が生活のなかに存在していた気がする。これほど都合の良い展開に対しこんなことを感じたりしません? 『まるでゲームの世界だ』とね」
黙ったまま秘子は、空気をつかんで手首を左右にひねるようなジェスチャーをしました。一体どういう意味でしょう。
「もし……この世界に『外側』があって……そこですべてが決まっているのなら、そこに干渉すれば、神を倒すことも私が不老不死になるのも、どちらも簡単にできることになります」
膝をそろえて座り直すと、エレノアは全身で秘子に向かい合うのでした。
「そして貴女は、例の深夜番組で見せたように、現実と虚構の二重構造を組み立てられる……」
短く息を吸って、はっきりと言います。
「貴女の本当の職能は『ストーリーテラー』ではなく『ゲームマスター』なのではありませんか?」
すると突然無表情で秘子はこう言いのけたのです。しかも高速に!
「e382 93e3 81b5 e381 b5e3 81a3」
「えっ?」
「ごめんなさい、からかってみただけですわ。私のことをとても評価してくれていることには感謝しますけれど、いくらなんでもそれは買いかぶりすぎですわね」
音もなく秘子はベンチから立ちました。
「もしここが演劇やゲームの舞台だとしても、残念ながらわたくしは監督ではないし脚本家でもありません。いわば『登場人物(キャラクター)』、エインズワースさんと同じですわよ」
そうして、とてもとても謎めいた微笑を見せたのでした。
なるほどとエレノアはつぶやいて自分も立つのです。
「……まあいいでしょう。すみませんね、御伽噺に付き合ってもらっちゃって」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月02日
参加申し込みの期限
2020年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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