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駄菓子屋のプリンセス...again
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からりとガラス戸が開きます。
ドレミファソ、の音階で、わたくしに、と言ってから、
「なにかご用ですか?」
んふふっ。クリームソーダみたいな笑み浮かべ、
胡乱路 秘子
は小首をかしげました。
秘子の言葉にしぐさ、まなざし、そのすべてはまるでミュージカルで、
エレノア・エインズワース
は自分が観客になったような心持ちがいたします。明るい屋外なのに秘子には、ぽっとひとすじのスポットライトが当たっているような気までしてくるのでした。
ステージから語りかけるように秘子は言いました。
「エレノア・エインズワースさん、でしたかしら?」
ええ、とエレノアは優雅に一礼しました。秘子が自分のフルネームを知っていたこと、これにとりたてて驚くことはありません。
「お話ししてみたいと思ってたんですよ、貴女と。どうです? 駄菓子でも食べながら」
「素敵ですわね」
んふふふふ、秘子は湿り気のある笑みをゆったりと浮かべました。
「でしたら」
顔の幅くらいにひらいただけのガラス戸に、エレノアは手をかけ左右へと、白鳥が翼をひろげるがごとく大きく開けはなったのです。
「どうぞ中へ」
もう女優と観客の関係ではありません。むしろ秘子のほうをエレノアが、自分の舞台に招き入れたかのよう。
ようこそ、私のステージへ。
秘子の黄金の瞳は、どこを見ているのかわかりません。
手元を確認しているようでもあり、離れた棚を凝視しているようでもあり、はたまた壁を透視して、その裏に隠れている小鬼を見つけようとしているようでもあるのです。
ただひとつはっきりしているのは、秘子が楽しそうにしていること。
「わたくし、駄菓子屋さんに入るのはじめてですのよ」
目にするもの触れるもの、そのすべてが新鮮といった風に言います。
めがねの形にマーブルチョコを集めたパッケージを、舞踏会の半仮面のように顔にあて、
「おすすめは何かしら?」
とエレノアに問いかけました。
「どうぞお気に召すまま、と言いたいところですが、なにせ扱っているものの種類が多いものですから、迷ってしまうのはいたしかたないところでしょうね」
では僭越ながらと前置きして、エレノアは棚を指し示しました。
「古(いにしえ)よりつづく定番、ふ菓子を試すのもいいでしょう。ミニサイズのチョコレートあたりは、選んでまず外れがありませんね。一口タイプのゼリーは、いろいろ種類があるので食べ比べても面白い。うなぎの蒲焼き、酢だこに焼肉もありますよ……ぜんぶ原材料はタラのすり身ですが」
「タラってお魚の?」
「ええ、その鱈(タラ)です。『なになに風』に加工しやすい食材なのですよ。のし梅風にしたタラなんていう通好みの珍品もあります」
よほどその言い方が面白かったのでしょう、秘子の「んふふふふ……」はしばらく止まりませんでした。小さな子どもでも扱いやすいプラスチックのバスケットを手にして、気になった駄菓子を野の花を摘むようにしておさめていきます。
「迷いますけど、少しずついただいていきますわ。ああ、どれもびっくりするくらいお安いんですわね。素敵」
意外なお言葉、とエレノアは素直な感慨をもらしました。
「胡乱路さんが値段のことを口にされるとは」
もっとこう、浮世ばなれした、というか、この駄菓子屋の支払いにも「これくらいですかしら?」と銀行の紙留めがついたままの札束を出してきそうなイメージがあったのです。
「わたくしね」
手首のあたりにバスケットを通し、ぴったりと両手をあわせて秘子は言いました。目には恍惚とした表情が浮かんでいます。
「女性下着のお店でアルバイトをしておりますの。お店で働くようになって以来、少しですけども、お金の価値がわかるようになりましたのよ」
秘子の発音では『少し』は『すこおし』と聞こえるのでした。
それはそれはと言いながら、駄菓子屋という狭い密林のさらに奥へと、エレノアは秘子をみちびくのです。
風景が少し変わったようです。
「あらこちらは?」
「ごくごく一部、外国のお菓子も扱ってるあたりですかね」
輸入物のコーナーなのでした。日本のスーパーではついぞお目にかかることのない商品がならんでいます。
噛みごたえのありそうなグミ、毒々しくも甘美そうなキャンディーにガム、クールな見た目のチョコレートなどがあります。パッケージが独特です。親しみをおぼえるものあり、とっぴすぎてギョッとしそうなものもあり、どんな味なのか気になって仕方なくなるものもありなのでした。
「ほら、このプレミアなんとかっていうのボリュームありますよ……ん? これ英語じゃないですね、上に点がついている。何て読むんでしょうね」
「スロベニア語ですわね。読みかたは『ドラガン・ジヴァディノフ』ですかしら? メーカーの名前でしょう」
よどみなくそう答えるあたり、やはり秘子の底は知れません。
ドラガン・ジヴァディノフのチョコもバスケットに加わりました。
「色々なものがありますのね」
「さすがに少し前までは、輸入菓子のコーナーはありませんでしたね。新設です」
けれど、とエレノアはつづけました。
「変化と縁遠い場所に見えて、時間の堆積により少しずつ様相が変わる……それでいて駄菓子屋という在り方は変わらない。実に趣深い」
それは駄菓子屋がつねに、子どもたちという最先端中の最先端に接しているからなのでしょうか。
考えるほどに深いものがあります。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月02日
参加申し込みの期限
2020年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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