あなたの進む道｜リアクション

あなたの進む道

●夢を叶えるために夢を知る

　恵御納夏朝はこれからの学生生活と未来について、ぼんやりと思い描く。
　現在、彼女は寝子島高校の２年生。所属は普通科で、それを変えるつもりはなくそのまま３年生になる予定だ。
　そうしたら新年度は受験勉強などを頑張ることになるだろう。

　この時期になると、進路を考えた行動が必要になってくる。
　夏朝は『小説家などの創作系の仕事をやってみたい』という思いがあった。

　とはいえ、これはおおまかな方向性であって、
　細かい部分はまだはっきりしておらず、これから決めていく。

（それにしても……この答えを出すまで、ずいぶん迷ったなぁ……）

　高校２年生になる前からずっと将来や進路のことは迷っていた。
　その背中を押したのは、夏朝の別人格である夏夜だった。
　夏夜と交換日記でやりとりをするうちに、夏朝はようやく自分自身の進路を決めた。

　自分が良いと思う光景を絵や文などの形でも残したい

　不思議な出来事の思い出等も、色んな形で残したい。たとえそれが空想だと思われてもいい。
　だから夏朝は『小説家等の、創作系の仕事をやってみたい』という願いを自分の道に据えた。

　創作系の仕事にはどういうものがあるのか。
　文字を扱う職業なら小説家だが、他にも色々方法はあるはず。
　絵もどういう分野で活動できるのか調べたほうがいいだろう。

「新年度か……」

　そんな思いを抱えて新年度を迎える。
　この目標を掲げた今、高校３年生の過ごし方はとても重要になる。
　受験勉強はもちろんのこと、日々の勉強も疎かにできない。
　そしてフツウの死守など、頑張ることはたくさんある。

　時期が迫れば、木天蓼大学を受験するだろう。
　小説家を志すなら文学部。絵を目指すなら芸術学部がぱっと思い浮かぶ。

「どの学科に行こうかな。どちらかと言えば文学部寄りかな……。
　できれば寝子島キャンパスで勉強したいから、そこで授業を受けられる学部が良いな」

　夢を夢で終わらせるのではなく、実現するために思案する。

「寝子島キャンパス、どの学部があるんだろう……大学のホームページとか見たらわかるかな？」

　思いは強く、歩みは一歩ずつ。
　夏朝はこの志を抱えて、新年度を迎える。

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