ジャパンホラー映画出演者募集！”地獄のメリーゴーランド”｜リアクション

ジャパンホラー映画出演者募集！”地獄のメリーゴーランド”

　☆解決への道筋
　智樹がフードコートに戻ってくると、そこにはフードコートの片隅で泣いている理緒しかいなかった。
「まさか……他の班でも何かが？」
「紗月ちゃんが……チェシャと一緒に古びたアトラクションが崩れて下敷きになって……」
　涙を流しながら理緒は血濡れになった『恋人』を示す人狼カードを胸に抱く。
　紗月が持っていたもので、唯一の形見として持ってこれたものだ。
「四十九院先生の班は誰も戻ってこないか……とにかく、解決の道筋みたいなものは見えてきたよ」
　智樹は管理棟から持ち出してきた資料をテーブルの上に広げる。
「そっちでも何かあったんだな……こっちも二人いなくなったぜ」
　ナオが遅れて戻ってくると、智樹が自分の推理をはじめた。
「この遊園地の廃園の理由は売り上げの低迷って言われていたけど、実はいくつもの事件が起きていたようなんだ。県営だったために揉み消されたそんなところのようだ」
　涙を拭った理緒が、ランタンの明かりに照らされた資料を眺める。
　雑誌の切り抜きをファイリングしたものだが、死者の名前がのっていた。
「ねぇ……この写真の子って……」
　そこには銀髪で目つきの悪い少年の顔写真が載っている。
　いじめの末に遊園地を楽しんだ後自殺したと記事になっていた。
　問題はその記事の少年の姿は先ほどまで一緒に人狼ゲームをやっていたナオと名乗った少年とそっくりである。
「あーあ、たどりつかれちまったか……俺がメリーこと、米田直之さ」
　ナオが本名を名乗ると理緒と、智樹の方へ近づいてきた。
「いじめていた奴は俺とは違うんだけどな……顔が似ているっていうのは困りものだ」
　じりじりと下がり、智樹はナオとの距離をとっていく。
「あんたが……あんたが紗月ちゃんを事故のように見せかけてやったのね！」
　一方、理緒は犯人がナオとわかると怒りをあらわにしてつかみかかった。
「リア充なのが悪いんだよ！」
　グワァとナオから黒い影が溢れだして、理緒を近づけさせないように阻む。
「リア充になりたいのか……ならばっ！　理緒さん、解決方法が見えた。メリーゴーランドだ」
　ナオの言葉にヒントを得た智樹は理緒を連れて、フードコートを後にした。

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