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寝子島高校
マンションを漂う怪異
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●怖がり
「おお! 犯人は見つかっ……!」
言いかけて、解理の言葉が詰まる。敦志の足下から、幽霊がヒョコリと顔を出していた。上から、下から、探索していた生徒が合流するが、下りてきた生徒たちは急を要する状況に皆息を呑んでいた。
浮かんできた二体の幽霊が、三階の通路の壁のように生徒たちの前に立っていた。
「カラクリが分かってれば、怖くなんてないのよ?」
俊敏に幽霊を抜去った衣夢が一番手前にあったドアに手をかけ、無造作に開けた。すかさず刀が中に入り探すが、人間らしきものは見当たらない。
「そんなすぐ終わる肝試し、面白くないもんね!」
るるかが次のドアを開ける。その間に、幽霊はどんどん後退していった。まるで操作者の意志を体現しているかのようであった。
「自分から退いてくれるなんて、意外と親切でいいやつだな!」
皮肉っぽく言った武道は幽霊を追い立てるように進んでいく。やがて幽霊の動きが、奥の部屋の扉の前でピタリと止まった。幽霊はそこから、僅かも動こうとしない。
「……そこ、かな」
天野は呟くと、三階の一番奥の部屋のドアをゆっくりと開けた。幽霊は最後の抵抗とばかりに空中で藻掻くように暴れたが、その身体が放つ動きに、一切の質量はない。衣夢が面白そうにデジカメのシャッターを切ると、二体の幽霊の動きはだんだんと小さいものになった。
懐中電灯の光がスポットライトのように、室内を漂う。部屋に残されたカーテンが風に揺れ、僅かな月明かりを部屋の中にもたらした。
無造作に開かれた、物の溢れた押し入れ。もはや取れそうにない程の汚れがこびり付いた浴槽とトイレ、洗面台。きっと犯人が持ち込んだのだろう幾つもの段ボールと荷物が、リビングのあちこちに広がり、キッチンはパンや惣菜のゴミで散らかっている。廃マンションの部屋らしく居住空間としての居心地は酷いものだったが、今まで生徒たちが調べていた部屋と比べ、僅かに生活感が感じられる。
刀は部屋を見渡しながら、耳に触れる程の僅かな息遣いに気付く。それは部屋の奥から聞こえているようだった。刀は持っていた懐中電灯をユラユラと部屋の奥に向ける。そこには段ボールの影に隠れるように縮こまる、人の姿が会った。ふわりはそれを見、ニコニコしながら言った。
「犯人はそうですねぇ、きっと浮浪者かぁ、指名手配犯かぁ、カルト教の信者かぁ、 浮浪者かぁ、野良ゴリラかぁ、 廃墟マニアの人に違いありませんよーぅ」
だが照らし出されたのは、そのどれでもない。
部屋の隅でガタガタ震える姿はあまりに華奢で、子鹿のようだった。犯人の背後に、敦志によって飛ばされた一葉は、捕まえる気力すら起きていない。衣夢は犯人に飛びかかろうと身構えていたが、あまりの弱々しさに思わず躊躇し、代わりに肩を叩いた。犯人はそのまま飛び上がりそうな程に驚き、今にも泣き出しそうな視線を背後に向けた。振り向いた少女の怯える視線が犯人のそれであるとは、誰も思えなかった。
「どうしてこんな事をしてたんだ?」
梨樹は純粋な疑問を投げかける。見た所少女は高校生程度の年齢である。人を驚かせるというあまりに低レベルな行い、それが果たして面白いのだろうか。
「初めはね、これ使って遊んでたんだ」
そう言って少女は未だ消えていない幽霊を指差した。手にした不思議な力、ろっこん。彼女に生まれた好奇心は至極自然なものである。どんなことが出来るんだろう。どんなことに使えるんだろう。真面目な管理の行われていなかったマンションは、それに最適な場所であったに違いない。
「そしたらいつの間にか人が集まってきてて……怖いし、見つかるの嫌だから、遊びついでに脅かして、帰ってもらおうと思って……」
「なるほど、それで『襲ってた』んだね」
刀は優し気な口調で言う。少女は僅かに顔を引きつらせ、視線を下に落とす。
「なるべく危なくないようにしたから、怪我してないといいんだけど」
心配そうに言う少女を見、治は思わず苦笑いする。天野は少女を少し疑うように見るが、やがてそれが間違いだと分かると、静かに視線を逸らした。
「迷惑になっちゃうから、もうこんなことしちゃ駄目だよ?」
るるかが咎めるように言うと、少女はるるかをしっかりと見て、言った。
「うん。ごめんなさい」
その答えに、るるかは彼女の写真をねこったーにアップすることは、しないようにしようと思うのであった。敦志は満足そうに笑みを浮かべる。
「ま、何もなくて幸いだな」
「……そうね」
一葉のその声に、敦志は思わず彼女を見る。暗い表情の彼女の頭を、敦志はポンと撫でた。
「すまん、怖かったか?」
「別に、大丈夫よ」
敦志の態度に、一葉は僅かに表情を緩めて、答えた。
数日後、葵がマンションで撮った写真に『あり得ないもの』が写っていたのは、また別の、何の関係もないお話である。
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あとがき
担当マスター:
夕月
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お疲れさまです。
マンションの探索、如何でしたでしょうか。
挟まれちゃったら逃げ場ないですよね。探索のやり方はよかったと思います。
犯人の『彼女』は寝子島高校の生徒ということなので、もしかしたらまた別の場所で現れるかもしれません。現れないかもしれません。ただもう騒ぎを起こすことはないでしょう。十分に懲りたでしょうから。
では当シナリオにご参加いただきありがとうございました。また次の機会に、お会いすることが出来たら幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
夕月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月13日
参加申し込みの期限
2012年12月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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