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白紙の青空
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自室で目覚めた
城山 水樹
はカーテンを開け放つ。朝陽に目を細めて空を眺めた。
「良いデート日和ね」
うきうきした足取りで着替えを始める。悩んだ末に白いフレアブラウスと黒のパンツを合わせた。いくつかの外套を手に取り、最後にワインレッドのコートを羽織った。
姿見に全身を映してウインクする。
「今日も素敵よ」
口にした水樹は自室を陽気な様子で後にした。
シーサイドタウン駅は閑散としていた。手間にある噴水の横に立った水樹は腕時計の時間を確かめる。
「早すぎたわ」
言いながらも表情は明るい。澄み切った青空に向かってにこやかに笑った。
ヒュー・ヒューバート
は濃紺のダッフルコートを着た。アパートの窓から見える空は薄青く、綿毛のような雲ひとつ存在しない。
「……帰りが遅くなることも、あるか」
目に付いた臙脂のマフラーを首に巻いた。机には一眼レフカメラが置いてある。視線は流れて小ぶりのデジタルカメラに向かう。
「これなら……」
ヒューは一掴みにしてコートのポケットに収める。
柔らかい笑みを湛えてアパートを後にした。
木天蓼市の駅から電車に乗ったヒューは寝子島を目指す。自動ドアの横に立ち、朝陽で輝く景色を眺めた。
海が見えてきた。空の色を吸い込んだように青く、柔らかい光を放つ。寝子島大橋を渡って島の玄関口である寝子島駅に到着した。
ヒューは手で髪を整える。緩む口を意識して戻した。
電車は再び動き出す。海は商業施設に埋もれ、見えなくなった。
速度を落とし、電車はシーサイドタウン駅に着いた。ヒューはドアの前に立ち、開くと同時に笑顔で飛び出した。
シーサイドタウン駅の周辺が下車した人々で賑わい始める。噴水の横にいた水樹は待ち切れないとばかりに歩き出す。
長身の男性の背後にヒューがいた。向こうも気付いたのか。速足で近づいて二人は視線を合わせる。
双方が口を開き掛けて、固まった。同じように困惑した表情を見せる。
「あなたは誰?」
「君は誰?」
問い掛ける内容まで同じであった。二人は視線を合わせたまま、頬を赤らめる。どちらも自身の感情を持て余しているようだった。
最初に口を開いたのは水樹であった。
「私を誰かと見間違えた?」
「いや、記憶にはない。はずなのだが、君を見て身体が勝手に反応したみたいだ」
「私もあなたを知らないのに、見掛けたら目を離せなくなって。あと目の高さが同じで」
言い掛けて口を閉ざす。水樹は思い出そうとしているのか。ヒューの全身を眺めた。
「君は今日、ここで誰かと待ち合わせているのか?」
「それがわからなくて。どうしてここに立っていたのだろう。あなたは?」
「僕もわからないんだ。島の人間ではないのに、どうして電車に乗って、ここまで来たのか」
二人は困ったような表情で笑った。どこか落ち着かず、互いに相手を意識した。
水樹は急に笑顔を作った。
「このままだと話が進まないから名乗らせて貰うわ。私は城山水樹、木天蓼大学社会学部の三年生よ」
「僕はヒューヒューバート。京都の芸大を卒業して、今はフォトアトリエでカメラマンとして働いている。二十三才だよ」
「カメラマンなのね。やっぱり本格的なカメラなんだよね。今、持っていたりする?」
「仕事で使う一眼レフはアパートに置いてきた。職業病と言われそうだからね」
ヒューは笑うとコートのポケットからデジタルカメラを取り出した。水樹は、ふーん、と言いながら首を傾げた。
「職業病って誰に?」
「それは、あれ、誰だろう。今日の僕は少しおかしいね」
苦笑に近い顔でデジタルカメラをポケットに戻した。
「私もおかしくて、今日の予定があったと思うのに。何もわからなくて、どうすればいいのかな」
水樹はヒューの目を見た。自然に問い掛けるような表情になった。
「僕も似たような状況だ。島に来た理由がどうしても思い出せない。時間がぽっかり空いた状態だ。その、良かったら少し話をしないか?」
「そうね。これも何かの縁よね。近くに雰囲気の良いカフェがある。天気は良いけれど真冬に立ち話は身体に堪えるわ」
二人は笑って歩き出す。
「なんか、前にもこうして歩いていたような気がする。今日、初めてあったはずなのに」
「僕も同じことを思った。不思議な話なのに、どうしてだろう。とても安心する」
水樹とヒューは顔を見合わせて小さく笑った。
扉を開けるとカウベルの優しい音色が出迎えた。柿渋を塗られたような木造の店内に二人は目を細める。木彫りの民芸品を見つつ、カウンター席の隅に座った。
「どう、悪くないでしょ」
「年代物のランプシェードがあるね。淡い光がぼんやりとした陰影を作り出して、過ごした年月を語り掛けてくるようだ」
ファインダーに見立てた指で最高の一枚を模索する。隣にいた水樹は朗らかに笑った。
「職業病ね」
口にした途端、目を見開く。
「自然に出てびっくりした」
「違和感がなくて、僕も驚いた」
二人は打ち解けたような笑みを浮かべた。その後、ウエイトレスにコーヒーと紅茶を注文した。水樹は悩んだ末にレアチーズケーキを付け足した。
ヒューは水樹を見て微笑んだ。
「君はすらりとした長身に見える。ダイエットとは無縁に思えるのだが」
「そうでもないのよ。言ってなかったけど、私はモデルもしているわ。コスメブランドなんだけど『Sonora』って聞いたことない?」
「割と有名なところだよね。僕も写真撮影の時にファンデーションで使ったことがあるよ」
「ありがとう、って私がいうのもなんだけど」
ウエイトレスの手によって注文した品々が運ばれてきた。
「これよ、これ」
水樹はレアチーズケーキの先端に、そっとスプーンを差し込む。掬い上げた一部を口に含むと笑顔で震えた。
「美味しそうに食べるね。心からの笑顔、とてもいい。一枚、撮りたくなったよ」
「こんな姿は美しくないでしょ。モデルらしくポーズを決めた一枚ならいいけど」
水樹は頬杖を突いた。微笑してヒューを招くような手を向ける。
「瞬時に表情と雰囲気が変わって、さすがはモデルだね。でも、さっきの笑顔はまた別の魅力に溢れていた。ダメかな、一枚だけでも」
「本当に撮る気なのね」
「できれば、いや、どうしても一枚を撮りたい」
「……可愛らしく撮ってね」
しおらしく口にしてレアチーズに向き合う。スプーンで掬ってちらりと横を見た。
ヒューはデジタルカメラを構えて言った。
「全力を尽くすよ」
「モデルで慣れているはずなのに妙な気分になるわ」
初々しい笑みでスプーンを動かし始める。ヒューはカメラを構えて最高の時を待つ。
間もなく、会心の一枚をカメラに収めた。
その後の会話は弾んだ。二人は進んで自身のことを相手に伝えた。
「そろそろ出る?」
「そうだね。次はどこに行こうか」
「ヒューの行くところならどこでも」
支払いを済ませた二人は店を出た。どちらともなく手を伸ばし、指を絡めてしっかりと握る。
「……出会ったばかりなのに」
水樹はほんのりと頬を染めて呟いた。
「運命を感じる」
ヒューは青い空に向かって言った。隣で水樹が、うん、としおらしく頷いた。
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2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
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定員
5人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月24日
参加申し込みの期限
2020年10月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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