世界猫またぎ｜リアクション

世界猫またぎ

【三毛猫の親子と】

　さて、今回の『世界猫またぎ』の舞台は、久しぶりの日本です。
　神奈川県は木天蓼市に位置する寝子島……文字どおり猫の島として有名なこの島で、どんな個性的な猫ちゃんと出会えるでしょうか？
　楽しみですね、水分さん！
「寝子島、久しぶりだねえ。もうずいぶんと来てなかったから、景色も少し変わってるね」
　というわけで、猫写真家・水分輝昭さんと世界中の猫を尋ねる『世界猫またぎ』。はじまりはじまり～♪

　まずはごとごと寝子電に揺られ、星ヶ丘地区へやってきた水分さん。
　いやー、綺麗な街並み！　きらきらしてますね。なんだか外国に来ちゃったみたい。
「清々しいねえ。おっと、さっそく猫ちゃんだ」
　ここは、公園ですね。なんだか公園までこじゃれてる感じ。素敵だなぁ。
　女の子が、膝に猫を乗せてますね。まだ小学生くらいかな？
「こんにちは。何してるのかな？」
「？　こんにちは！」

　初めはカメラにきょとんとしてたけど、すぐにいい笑顔を見せてくれました。
　わあ。さすが星ヶ丘、おしゃれな女の子だ。腰につけてる時計がカッコイイ！
「今ね、この子なでなでしてあげてたの。こうやってなでなでしてあげると、気持ち良さそうに鳴くんだよ。ごろごろごろ～って」
「ほんとだねえ。気持ち良さそうだ」
　三毛猫の……オスかな？　星ヶ丘地区はなんだか、猫ちゃんまで気品があるみたい。
「お名前、聞いてもいいかな」
「あたし？　佐藤瀬莉！」
「瀬莉ちゃん。おじさんのこと、知ってるかな？　今テレビの撮影しててね。『世界猫またぎ』って知ってる？」
「猫またぎ？　……あっ、知ってる！　おじさん見たことあるー！」
「本当？　じゃ、君と猫ちゃんが遊んでるところ、ちょっと撮らせてもらってもいいかな」
「うん、いいよー！」
　いつも番組を見ててくれたみたいですね。快くＯＫしてくれました。
　水分さん、さっそくカメラを構えて……あらら？
「あっ、待って！　どこいくのー！？」
　猫ちゃん、逃げちゃった！
「ねっ、追いかけよ！」
「よし、行こうか」
　あ、水分さんも行くのね。どうしても、瀬莉ちゃんと猫ちゃんのふれあいが撮りたくなっちゃったみたい。
「ほらほら、はやくはやくー！」
　生垣を抜けて、側溝を飛び越えて……ひゃー。元気だなぁ。寝子島の子どもは猫に慣れてるんですね。
「いやあ。きついねえこれは」
　なんて言いながら水分さんも、瀬莉ちゃんも、なんていい笑顔なんでしょう！
「あーっ、見失っちゃった……！」
　ふたりとも頑張って追いかけたんですけど、猫ちゃん、いなくなっちゃいましたね。
　瀬莉ちゃんが猫ちゃんと遊ぶところ、撮りたかったですね。
「あの子、ちょっと恥ずかしがり屋さんだったみたい……ごめんなさい」
「いいんだよ。追いかけっこ、面白かったねえ」
　水分さんの言葉で、瀬莉ちゃんもにっこり。これはこれで楽しかったみたいで、良かったね。

　さて、瀬莉ちゃんと公園に戻ってきました。
「あ、猫いっぱいいる！」
　追いかけっこしてるうちに、猫がたくさん集まってきたみたいですね。
　これは嬉しい……あれ、水分さん？　きょろきょろしちゃって、どうしたんですか？
「さっきの三毛猫は……いないみたいだね」
「うん」
　ふたりとも、あの子が気に入っちゃったみたい。
「しかたないね。この子たちと遊んでるところ、撮らせてもらえるかな？」
「うん、いいよ！」
　さっそく撮影会の開始です。
　水分さんはこういう時、猫ちゃんに餌をあげてご機嫌をとったりはしないんです。あくまで自然のままの姿を撮りたいんですって。
「おいでおいで～」
　瀬莉ちゃんが猫ちゃんたちを手招きすると……来た来た。本当に人に慣れてるんだなぁ。
「……あー！」
「うん？」
　えっ、大きな声出して、どうしたの？
「あの子だ！」
　あ、追いかけっこした猫ちゃん！　戻ってきてくれたのかな？
「しかも、子連れだね」
　うわぁ、かーわいい！　子猫を連れてきたんだね。お母さんだったのかな？
「なーんだ、やっぱりテレビに出たかったんだ。あはは！」
「もしかしたら、君に子どもたちを見せたかったのかもしれないよ」
　あはは、すっごくいい笑顔。水分さんの言葉が嬉しかったんですね。
　にっこり笑った瀬莉ちゃんと、三毛猫の親子。それにたくさんの猫たちを思う存分写真に収めて、水分さんも大満足だったみたいです。
「それじゃ、そろそろ行こうか。ありがとうね、またね」
「うんっ！　猫またぎ、ずっと見てるから！　また寝子島にも来てね！」
　手を振りふり、お見送り。
　うん、また会えたらいいね。ばいばい！

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世界猫またぎ

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