メロディーに乗って♪　スキー・スノボ教室！｜リアクション

メロディーに乗って♪　スキー・スノボ教室！

♪上級コースとスキーダンス☆

　経験者の班では、翠響がスキーを楽しんでいた。
　スキーとスノボは得意なので、スキーダンスの講習の前に、まずは身体を温めておこうと軽く滑る。

　ちびっこゲレンデでは、まなが滑っていたが。
「おおぉ……！」
　不満げな顔で先生に何事か訴える。
「え？　ちびっこゲレンデじゃ物足りない？　上級者用がいい？」
　まなの滑りを見ていた先生は納得した。
　身体は小さいが、確かにまなのスキーは上手かった。
　先生は試しにと大人用のコースに連れて行ってくれた。

（ただ滑ったりするだけなのに、なかなか爽快だよね。あともう一回滑ろっかな）
　今度はスノボを楽しんでいた翠響がそう考えていると、まなの姿が目に入った。
「あんなに小さいのに大人のコースに来るの？」
　連れてきてもらったまなも、周りが大人ばかりなのでちょっと不安になっていた。
（そもそも子供は滑れるの？）
　どうしようか、と思っていると。
「そろそろスキーダンスの講習会が始まりますので希望者は集まってください」
　とアナウンスが流れた。
「……あ」
　まずはそっちに参加することにした。

　最初に講師の先生の演技がある。
　緩い斜面限定で滑れるようになってきた瀬莉も見物にやってきた。
　フィギュアスケートのような綺麗な衣装を着た先生が、音楽に合わせて華麗に滑る。
「おぉ……」
　見事なダンスに、まなは興味津々だ。
「すごいなあ……」
　瀬莉も見惚れた。
（さすがにやってみるのはまだ無理だけど、でも来年あたりは挑戦できるかな？）
　そんなことを考えている瀬莉。
　翠響は、細かい動きを仔細に観察していた。
（これは新体操に生かせるかも）
　翠響は新体操の全日本ジュニア選手権で優勝したばかりなのだ。

　最初に安全に関する講師の説明をしっかり受ける。
「最初からうまくはできないので、まずは楽しんで踊ってみましょう」
　そんな調子で先生が、基礎的な動作を教えてくれた。
「おぉ！」
　他の子たちが恐る恐る動く中、まなは、覚えている動画サイトで有名な振り付けでノリノリで踊りだした。
「すごい、上手ね！　リズム感があってのびのび動けてるわ」
　先生が笑顔でほめてくれた。　

　一方翠響は基本的な動きを身に着けた後、折り紙付きの反射神経でゲレンデで滑り出した。
「えっ、あの子……」
　先生が目を瞠る。
　最初は基礎的な動作をこなして、徐々に新体操での動きなどを少しアレンジした感じにして少しずつ自分の色を出していき。
　最後は雪の上とは思えない華麗な演技を披露する。
　ポーズを決めると、拍手が沸き起こった。
「えっ？」
　いつの間にか見物人ができていたのに気づき、翠響は少し気恥ずかしい思いをした。
「あなた、経験者よね？　どこの所属なの？」
　すっかり驚いた講師にスカウトされそうになった。

　スキーダンスの講習が終わり。
　すっかりダンスを気に入ったまゆは、上級コースの不安も吹き飛んでリラックスして滑ることができた。
　まだ上手に滑れない年上のお姉さんにも、みっちりスキーを教えてあげた。

　途中少し吹雪いたせいもあり冬山の日が落ちるのは早かった。
　ナイターイベントの時間がやってきた。
　琳子は他の中高生たちと一緒にかまくらを作った。
　スコップを動かしていると体が温まってくる。
　まなも瀬莉も、奏子も風太も、珍しそうにかまくらを眺め、中に入ってはしゃぎだす。
「壊さないよう気を付けてよ」
　そう言いつつ笑顔になる琳子だった。
　翠響はナイターでもスキーダンスを披露したりして、すっかり気に入った様子だ。

　そして夜は暖かいお風呂。
「あー、生き返った気分」
　湯船の中で足を伸ばす翠響。
「足ががくがくする……」
　ちょっと疲れ気味の瀬莉。
「……」
　お風呂で寝落ちしそうなまゆ。
「今日は楽しかった？　あ、石鹸ちゃんと流してね」
　琳子も子供たちの世話に追われながら、お風呂を楽しむのだった。
　

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