メロディーに乗って♪　スキー・スノボ教室！｜リアクション

メロディーに乗って♪　スキー・スノボ教室！

♪二日目　基本練習

　いよいよ二日目。
　瀬莉は初めてゲレンデに立った。まずはスキーなしで歩く。
（ブーツ、きついなあ。結構歩きにくい）
「歩幅を大きくとって、かかとから着地して歩いてね」
　最初はよたよた歩きだけど、先生の説明通りにしていたらそのうちに慣れてきた。
　次にスキー板を装着するが。
　片足に装着するだけでも結構手間取るし、装着してからは、
「どうやって歩くんだっけ？」
「あ、それはね……」
　補助指導員の琳子が説明する。
「滑りださないようにストックをこう使って……焦らなくていいからね」
　なんとかなって、瀬莉は一安心した。　
　
（滑ることに慣れるとともに、滑ることが楽しい、と思えるようになることが目的なのよね）
　琳子はゆうべのミーティングを思い出す。
「次は、転んだときの起き上がり方とスキーが外れたときのはき直す練習をします」
（転び方から練習しないといけないとは、結構ハードだなあ）
　そう思いながら瀬莉は先生に教わった通り、スキーの横にお尻をついて転ぶ。
（普段なら立ち上がるのなんて簡単なのに）
　ストックをついて立ち上がるのは、なかなか難しかった。
「滑りださないよう、スキーは斜面に対して横に揃えてね」
　妹の奏子も初心者なので、琳子はしっかりと教える。

　その後スキーの姿勢と止まり方を習って、まずはごく緩い斜面からゆっくりと滑る所からスタート。
（ちゃんと滑れるかな……？）
　恐る恐る滑り出した瀬莉だが、雪の上を滑る不思議な気持ちよさに驚いた。
「わっ」
　でもやっぱり、転んでしまう。
「だいじょうぶ？」
　そう言いながら風太が笑顔でその脇を追い抜いていった。　

（そういえば、私の時は中学生で参加したんだっけ）
　小中学生のお世話をしているうちに、琳子の脳裏に今は亡き父の顔が浮かんだ。
（あの時もスキー＆スノボ教室があって、父さんに教えてもらったっけ）
　その時のことを思いだし、少ししんみりする。
「せんせいー！　すべっちゃってスキーはけない！」
「あ、はーい」
　思い出にふけっている暇はなかった。
　それからも小中学生に指導したりしたので、結局琳子の自由時間はなかったが、先生と呼ばれて子供たちに頼られるのは充実した時間だった。

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