メロディーに乗って♪　スキー・スノボ教室！｜リアクション

メロディーに乗って♪　スキー・スノボ教室！

♪宿に着いて
　
　スキー場に到着し、バスに酔いそうだった小学１年生の菊地まなはほっと胸をなでおろした。
　持病のためはっきり声を出すことはできないまなだが、ジェスチャーゲームはうまく伝えることができた。
　両親に連れられてウインタースポーツはいろいろとやっていたまなは、特にスキーは得意なほうだった。
（スキーが苦手な子にはみっちり、教えてあげよう）
　1年生ながら中級者、頼もしいまなである。

　バスから降りて、まずはスキー場で、レンタルを利用する人はウェアとブーツのサイズ合わせをした。
　いろんな種類があるので、好きなデザインを選ぶこともできる。
「寒色系だと寒そうなんだよね」
　瀬莉は暖色系の色で統一することにした。
「あ、これかわいい！」
　それぞれが、気に入ったウェアを見つけることができた。
　次にブーツを合わせたが。
「え、これきつい……」
　大きいのに変えてもらおうと思った瀬莉だが。
「痛くはないよね？　スキーブーツはきついくらいでいいんだよ。ゆるいとすぐ脱げて危ないから。はいてるうちに慣れるよ」
　指導員の先生に説明され、そういうものかと納得した。

　宿ではお楽しみ会が開かれた。
「それでは、じゃんけん列車を始めます」
「じゃんけんかあ……」　
　瀬莉はため息をついた。
　じゃんけんが弱いのは自分でも自覚はしている。
「じゃんけん、ぽん」
　中学生のお姉さんにあっさり負けてしまった。
「やったあ！」
　中学３年の篠原翠響は、要領よく勝ち進んでいった。
　あれよあれよといううちに連戦連勝、勝ち残って自己紹介する。
「寝子中3年の篠原です。去年もこの教室に参加して、スノボを覚えました。今年はどうしようかな、と思ったら、『スキーダンス』の講習があると聞いて面白そうなので今回も参加しました」
　拍手の後、じゃんけん列車第二弾となる。
「……けん、ぽ……」
　まなは勝ち残り、笑顔になる。
　相手の瀬莉は、小さい子に負けてしまったのがちょっとショックで、連敗だしさすがにヘコむ。
（来年中学生だしこんなことで泣いてられないよね）
　まなの後ろにつながってため息を吐きかけたら、近くでお姉さんの後ろについている風太と目が合った。
　がんばって、と言っているような目に、瀬莉は気を取り直す。
（そうだね、楽しまなくちゃね）

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