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マッチ売りは御馳走の夢を見るか
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羽生 碧南
は、はっと目を開いた。
「……あれ?」
部活を終えて、家に帰ろうとしていたはずだった。
それなのに、この自分の姿は何だろう。
くるりと回ってみると、真っ赤なスカートが翻る。
動きやすさを重視したのか、よくよく見れば、ひるがえるだけの布地はあるものの、ズボンスタイルだ。走っても跳んでも安心感がある。
手には、マッチの入ったかごが一つ。
それを見て、羽生はすべてを理解した。
「これって、もしかして……マッチを売り切らなきゃ、凍死しちゃうわけ!?」
羽生はサッと青ざめた。
「冗談じゃないんですけど!」
寒いのは大の苦手だ。こんな格好で雪の中立たされていては、シャレにならない。
「どうしよ……」
せめて暖かい服に着替えられないかだとか、この場を離れられないかだとかあれやこれやと試してみたが、この状況を打開する方法は見つからなかった。
「まいったな~……」
打つ手はもう、マッチを売り切ることしか思い浮かばなかった。
かごの中には、全部で10のマッチ箱が入っている。
(10人! 10人見つけて売り切ればいいんだ)
幸い、クリスマス前だからか道を行く人は多い。
「マッチ! マッチはいかがですか~!」
声をかけて、振り向いてくれた人にすかさず駆け寄っていく。
「今ならたった10円、10円ですよ! 今がお買い得です!」
相手が学生でも、おじいさんでも気にしていられない。
どんどん声をかけ続けるが、返事は鈍い。
中にはうさん臭がるような視線を向けたきり、無言で目をそらす人もいた。
声をかけられた途端、そそくさと早歩きで去って行く人もいる。
(めげてる場合じゃ無い、たった10個……簡単なはずでしょ)
自分に言い聞かせて、頑張って声を張る。
「あの! マッチいかがですか!」
声をかけられて足を止めた会社員は、胡乱げな視線を向けた。
「何? 今時マッチ?」
男は、馬鹿にしたように鼻で笑った。
「そんなの使う人、どこにもいないよ。時代遅れもいいとこじゃん。売れっこないのに、君もかわいそうだな」
ぐうの音も、出なかった。
(……確かに……)
心が折れて、足が止まった。声が、出なくなる。
(ていうか、今時マッチなんて……。火をつけたら燃えカスが残るし、燐の焼ける匂いがキツいし。……それに、すぐに消さないと軸がすぐに燃えて火傷しちゃうしで……)
「いいことなんか、何も無い」
ぽつんと、言葉が漏れた。
マッチの箱はなかなか減らない。手足がかじかんで、不安になる。
(……どうしよう)
くじけそうになった、そのときだった。
「大丈夫だよ。まだ、諦めないで」
蕩けるような、優しい男の声がした。
どきりと、心臓がはねる。
何度も聞いた、大好きな乙女ゲーム『ドキドキ青春♡めも・リアル』の攻略対象、辻ハルキくんの声だ。
凍えた手先に、力が戻るのがわかった。
説明しよう。
可愛らしい容姿とボーイッシュな高身長のアンバランスが魅力的な羽生碧南。
だがその中身は、乙女ゲーに夢中で登場する男子たちに胸をときめかせる、残念女子だったのだ!
「こんなところで、諦めちゃうの?」
「君の実力、もっと見せて」
「君には笑顔が一番似合うよ」
次々と、イケメンたちの声が脳裏にこだまする。
(こんなところで諦めちゃ、リアルボーイズたちに顔向けできないよね……!)
俄然、力がわいてくる。
「マッチですよ! 冬を明るく照らすマッチは、いかがですか!」
明るく笑う彼女に、ぱっと視線が集まる。
楽しげな声を響かせるたび、誰かが足を止めた。
「……マッチ、一つもらえる?」
青年が声をかけたのを皮切りに、マッチが売れ始める。
それまで誰も見向きもしてくれなかったのが嘘のようだった。
ものの1分も経たず、マッチはすべて売れてしまった。
「……すごい……あっという間になくなっちゃった……」
空っぽのかごを見る。見るだけじゃ不安で、逆さにして降ってみる。
マッチは、人は箱も出てこなかった。
「「「「ミッションコンプリート!」」」」
リアルボーイズたちの声が、脳裏にこだまする。
彼らが祝ってくれる声、拍手の音。
「頑張ったね、ミナちゃん」
最推しの、辻ハルキくんの声が聞こえた。
次の瞬間、羽生は元の場所に立ち返っていた。
「……あれ」
放課後の教室。部活が終わって、今から帰ろうとしていた矢先だ。
「夢、だったのかな」
羽生は、首を傾げた。そして、とあることに思い至り、大声を上げる。
「……あああ!!」
周りが何事かと振り向く中、羽生は頭を抱えていた。
(どうせマッチ売りの少女の夢なら、マッチ灯してボーイたちの夢を見れば良かった!)
すでに後の祭りと知っていても、悔やまずにはいられない羽生だった。
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あとがき
担当マスター:
39番地
ファンレターはマスターページから!
コロナの日々にも終わりが見え始めた昨今、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
いろんなものの価値が変わって、価値を失うものもあれば、新たに見いだされたものもたくさんあります。
よく通っていた居酒屋が潰れてしまって、オーナーが寂しそうに笑っているのを見ました。
ああいう光景はもういやだなと思う反面で、人の少ない街はいつもより過ごしやすかったです。
収束まで、あともう一歩です。
寝子島のみなさんも、どうか何事も無く、平和な時間を過ごしているよう、祈ってやみません。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
39番地
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月02日
参加申し込みの期限
2020年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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