ＶＳもれいび　高校生誘拐犯を撃退せよ！｜リアクション

ＶＳもれいび　高校生誘拐犯を撃退せよ！

　サキリは突如現れたレイカに鋭い視線を送っていた。
　遠くでカラスの鳴き声が聞こえる気がする。勘三郎も上手くやっているのだろう。他にも協力者がいるのかもしれない。
「あんたさぁ、雑魚のクセに何格好つけちゃってるの？　一般人が邪魔しないでほしいんだけどー？」
　どうやら、サキリがもれいびだとは思っていないよう。
「あんたら、やっちゃって。骨折ってもいいよー」
　レイカの取り巻きの、派手な少年少女が襲いかかってきた。手には電気や炎を帯びたバットや棒を持っている。目覚めて間もないもれいびなのだろう。
　振り下ろされる炎の棒を後ろに飛んでかわし、右肩に赤刃でみね打ちを繰り出しながらすれ違う。
「がっ」
　骨にヒビが入るレベルだ、激痛だろう。
「こいつ、何しやがった」
　斜めに振り下ろされた電気バットを赤刃で弾いたサキリは側頭部に一撃を叩き込み、ろっこんで瞬間移動。
　民家の塀の上へ着地した。
「ちっ」
　レイカの取り巻き二人は痛みのせいで地面にうずくまり、動けなくなっていた。
「ただ使うだけが能じゃないんだ」
「言ってろっ」
　レイカは激昂した様子で辺りを見回した。
「！」
　タイミングよく、早苗を連れた豪が現れたのだ。
　はっとしてサキリは叫ぶ。
「気をつけろっ」
　豪が気づいた時には遅かった。レイカの容赦ない蹴りで倒され、踏みつけられてしまったのだ。
「ねぇ、あんた誤解してんよ？　あたしらは早苗ちゃんを助けようとしてんの」
「なっなっ……！？」
　こんな状態にも関わらず、妙な説得力がある。そう思ってしまう。レイカのろっこんの能力だ。
　だが、豪が惑わされ始めた時。
「危なーいっ！！」
　急降下してきた黒い翼が人の姿となり、レイカのに体当たりしたのだ。
　勘三郎だ。
「きゃああっ」
　レイカは悲鳴を上げて、数メートル吹っ飛ぶ。
「いったた。もう、うち、絶対許さないんだから」
　立ち上がったレイカ、サキリは駆け出した。赤刃を構え、地面を蹴る。
「悪いね、終わりだ」
　レイカのうなじにみね打ちが入った。
「あっ……」
　目を見開くレイカ。それからゆっくりと地面に崩れ落ちたのだった。
「やったな！　ナイス」
「ああ、助かった」
　サキリと勘三郎は頷きあい、豪は上半身を起こした。
「お兄さん、大丈夫？」
「ああ、ありがとな」
「そのギャルがレイカ？」
　莉鳥が四人の元へと走ってきて、今回の誘拐犯撃退作戦は幕を閉じた。

「えっと、サキリお兄さんに勘三郎お兄さん、豪お兄さんに莉鳥お姉さん。ありがとうございました！」

　早苗は嬉しそうにそう言った。

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